ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃
2022年05月13日 金曜日本多猪四郎監督、矢崎知紀主演の1969年の日本映画「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」
ゴジラシリーズ十作目。
鍵っ子で気弱な小学生の三木一郎は自作の通信機の玩具を使って怪獣島へ行く事を妄想していた。
ある日、町に銀行強盗が逃げ込み廃墟に隠れていたが、そこに偶然三木一郎が忍び込み、銀行強盗の運転免許証を拾って持ち帰った。
運転免許証を取り返す為に強盗達は三木一郎を誘拐する。
Amazon プライムビデオでゴジラ映画の配信が終わりそうだったので、まだ見ていない映画を見てみようと思い、前作に続けてこの映画も見てみた。
ゴジラシリーズの中でも異作・奇作らしく、主人公は小学生で、話は強盗に誘拐されるが結構ほのぼのしていて少年の成長譚であり、怪獣は少年の妄想・夢の中で登場しているだけという非常に変わった映画。
こういう内容なのでゴジラファンや怪獣ファンからすると評判は悪いのだろうけれど、そうではないわたしは結構おもしろく見れてしまった。
当時の日本の景色が、多分有害だろう煙が工場からモクモクと出ていて煙まみれの空に、トラックがバンバン走る危険な道路に、狭くて薄汚れた団地とか戦後の復興からの高度経済成長期の景色そのままなんだろうけれど、今見ると何かでの崩壊後の色々ほったらかしで急激に生産しているディストピアSFっぽい景色で、そこで子供の誘拐劇だし、主人公はいじめられて自分の世界に引きこもって怪獣と遊んでいるのだから鬱々とした雰囲気になりそうなモノをほのぼの風味で見せていて、この感じは当時の子供向け映画を見るには非常におもしろかった。
主人公を子供にして内容的にも子供向けなそんな映画なのに、この見せ方だと「怪獣なんて夢。妄想」と言っている感じをぶつけているのもおもしろく感じてしまった。
一方で「怪獣は子供に夢と希望を与える」とも言っている感じもあって色々と思えてしまう。
更に主人公を気にする団地の玩具コンサルタント役で天本英世が出ているのだけれど、この天本英世が物凄く良い。
天本英世と言えば仮面ライダーシリーズの死神博士とか癖の強い役の印象が強いけれど、この映画での天本英世は鍵っ子で寂しそうな主人公を気に掛ける非常にやさしいおじさんで、非常にほっこりして、この天本英世がほのぼの感を引き立たせている。
天本英世と言えばおじいさんの印象しかないけれど、この映画の天本英世は若い…けれどおじいさん前の感じなので、この時何歳かな?と思って調べてみたらこの時43歳!
昔の役者って老け顔ではあるけれど、それにしても43歳にしてはおじいさん感が凄い。
一方の怪獣の方は多分予算が削減されたんだろうなぁ…というのが見える内容。
実際、映画の斜陽化で大分予算が削られた中で何とか工夫して作ったらしく、怪獣達の映像はほぼ過去の映画の使い回し。
なので多くの怪獣が登場して「オール怪獣大進撃」にはなっているので、怪獣を見るなら過去の映画見ずにこれだけでも総集編的に見れてしまう。
ガバラと戦うゴジラやミニラ部分だけが新撮かで、ここは結構おもしろい。
小学生の妄想・夢の中なので主人公と同じ位の大きさのミニラが日本語で喋ったり、ミニラは主人公から離れると巨大化したり、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」よりも子育てしているゴジラとかほのぼのした感じが結構良い。
この小学生の妄想・夢の中で頑張るミニラを思って現実の主人公も頑張るという展開は分かるけれど、今まで内気だった主人公が最後に急に切れて暴力的になり、他人に迷惑をかけるいたずらをし始めるって、これって良いの?って感じてしまったのは、これは時代なのか、わたしの年齢や性格からなのか?
この映画、終盤の主人公と強盗との追いかけっこは少々ダレたけれど、当時の風景や普段の暮らしの感覚を見る子供向け映画として結構おもしろく、怪獣部分はこれまでのゴジラシリーズでの怪獣部分がそれ程とも感じなかったので、この総集編だけでも十分な気がしたし、きっちり子供向けの振り切ったという部分でも良いんじゃない?と思った。
☆☆☆★★
関連:ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版
ゴジラの逆襲
キングコング対ゴジラ
モスラ対ゴジラ
三大怪獣 地球最大の決戦
怪獣大戦争
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
怪獣島の決戦 ゴジラの息子
怪獣総進撃
ゴジラ対ヘドラ
地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
ゴジラ対メガロ
ゴジラ対メカゴジラ
メカゴジラの逆襲
ゴジラ(1984年)
ゴジラvsキングギドラ
ゴジラvsメカゴジラ
ゴジラvsデストロイア
GODZILLA
ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
ゴジラ×メカゴジラ
ゴジラ FINAL WARS
GODZILLA ゴジラ
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ