ザ・ロック

2025年05月20日 火曜日

マイケル・ベイ監督、ショーン・コネリー製作総指揮・出演、ニコラス・ケイジ主演の1996年のアメリカ映画「ザ・ロックThe Rock)」

アメリカ海兵隊のハメル准将は秘密任務で死亡した部下達が遺族にも知らされる事無く補償も何も無い事に憤りを感じ、化学兵器を強奪し、アルカトラズ島のかつての刑務所に観光客を人質に取り、金を支払わなければ化学兵器をサンフランシスコに打ち込むと政府に対して脅した。
政府は化学兵器の専門家であるFBI特別捜査官のスタンリー・グッドスピードを呼び出し、更に相手に知られずにアルカトラズ島に潜入する為、数十年前にアルカトラズ刑務所から唯一脱走したジョン・パトリック・メイソンを服役していた刑務所から呼び出し、特赦との引き換えでアルカトラズ島潜入の道案内をさせる事にした。
特殊部隊と共にアルカトラズ島に辿り着いたスタンリー・グッドスピードとジョン・パトリック・メイソンだったが特殊部隊が全員殺されてしまい、残った二人だけで戦い、化学兵器を搭載したロケット弾を解除しなくてならなくなってしまった。

この映画もAmazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので見てみた映画で、昔から何度もテレビの地上波で放送していたのは覚えていて、その時見たはずで、でもそんなにおもしろかったとは思ってはいなかったはずなんだけれど、改めて見たらとてもおもしろかった。

始まりから敵側の事情と事前準備を一気に見せ、その敵となる将校も単なる悪い奴ではなく、分からなくもない理由での行動だと見せて、行き成り敵に惹き付けられてしまう掴み。
そこから主人公のニコラス・ケイジを行き成りの爆弾処理で見せるという映画の最初の見せ場としての掴みもバッチリな所に、本来なら事務職、研究職的で、普段の生活では結構ビビり勝ちな主人公が体を張って頑張る理由となる彼女との関係を見せたりと主人公の人物描写もしっかりしている。
そして、待ってましたのショーン・コネリーの登場で、これまで何かがあったと思わせる、謎だけれどトンデモない知略と行動力の人だと分からせる一連の騒動で、人物紹介としても、アクション映画としても非常に良い見せ方でつかまれまくって、導入が上手い。
そこからいよいよのアルカトラズでの戦いになり、しかし、あれだけ役が立っていたマイケル・ビーン率いる部隊が全滅して二人だけの戦いになり、その二人が逃げたがるショーン・コネリーと戦闘ではあんまり役に立たないと分かっているけれど頑張ろうとするニコラス・ケイジという対比もあって二人の主役の使い方が抜群に上手くて、ずっと楽しく見れてしまう。

この設定の上手さや各登場人物の設定も役が立ちまくりで良い脚本だと思うし、何より登場して来る役者陣が皆濃い。
ショーン・コネリーはこれまでの役者歴から来る役の分厚さで、当然ジェームス・ボンドから来る説得力が凄く、何をするにしても、何を言うにしてもこの役はショーン・コネリーでないと成り立たない役で、一挙手一投足が画になってしまう。
エド・ハリスも顔面力が凄くて、黙っている場面が多かったけれど黙っているだけのエド・ハリスから目が離せずに痺れていた。
デヴィッド・モースはより台詞が少ないけれど、出て来る度に部下としてどう思っているの?とこっちが勝手にそう見てしまうし、他の敵の部下達も上官をあんまり信用していないヒリヒリ感が出ていて良かった。
マイケル・ビーンは速攻で退場だったけれど役が立ちまくりでカッコ良かったし。
FBI長官の嫌な奴感も上手かったし、FBI支局長のウィリアム・フォーサイスも初めはイマイチ駄目な奴と言われた所からの冷静な司令官振りが良い役だったし、何よりウィリアム・フォーサイスの見た目が濃過ぎ。
この各人物達は出て来る時は出て来るけれど暫く出て来なかったりと配分が結構疎らな感じがあって、もっと掘れそうな感じもしたし、この脇役陣の見せ場をもっと見たかったけれど、それだと更に時間が長くなり、この次々と進んで行く小気味良さが無くなってしまうのかな?とも思ったりもした。

この映画、上映時間が135分もあるのでテレビ放送の二時間枠だと結構削られてしまっていたから、だからそれ程でもないと思っていたのだと思うけれど、改めてみたらとてもおもしろかった。
設定や展開が良いし、各役が立ちまくりだし、何より役者の濃さったらないし、ずっとワクワクが続いて見た後の満足感がある非常に良い映画でした。
ただ、ショーン・コネリーはこれまでの過去からこの時のこの役だけれど、一方のニコラス・ケイジは今見ると、ここの過去から今なので、最後にニコラス・ケイジが言っていた「子供は悪夢を見て、親は破産だ」ってちょっと予言になってしまっている感じが怖かったりもした。

☆☆☆☆★

« |

Trackback URL

Leave a Reply