空飛ぶ翼蛇

2025年05月13日 火曜日

サム・ニューフィールド監督、ジョージ・ザッコ主演の1946年のアメリカ映画「空飛ぶ翼蛇(The Flying Serpent)」

考古学者アンドリュー・フォーブス博士はアステカの遺跡でモンテズマの宝物を見つけ出し、その宝物を三百年間守り続けていた神話の中に出て来る半鳥半獣のケツァルコアトルを捕まえていた。
ケツァルコアトルは自分の羽を取られると匂いで奪い返しに行き、羽の持ち主を殺してしまう特性があり、その特性を使って宝物を誰にも渡したくないアンドリュー・フォーブスはケツァルコアトルを放ち次々と近づく人々を殺していた。

Amazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので、古いホラー映画、特撮映画だったので見てみた映画。
話は何だかよく分からないまま博士がケツァルコアトルを使って殺人を繰り返し、そこにこれはネタになると思ったラジオ局が推理作家のリチャード・ソープを派遣して捜査させる展開になり、見事に次々に人が殺されてリチャード・ソープが見事に犯人を突き当てるという特に面白味の無いモノ。
結局博士は宝を独り占めしようと思っていたかららしいけれど何故そこまでの執着になったのか?とか、ケツァルコアトルと妻の死との関連は?とか、どうやってケツァルコアトルを捕まえて手懐けたの?とか、あの洞窟の檻とか上が開く仕掛けとかはどうしたのか?とか、博士周りに関しては何だかよく分からないまま。

一番の見せ場、見世物のはずのケツァルコアトルは大きさは鷹位なので怖さは無く、形もちょっと変わった鳥程度なので、これでよくモンスター映画として企画が通って作られたなぁ…と思ってしまった。

話も怪物もおもしろくはないんだけれど、おもしろかったのはリチャード・ソープ関連。
当時はまだラジオこそが一番の媒体だったので、ラジオが世間に話題を広める役割があり、ラジオ局の人間がこの事件は人気になると思って推理作家を派遣して取材して現地から本人が直接報告するという番組が放送されているのがラジオ時代を知らないだけにこの時代の風俗文化を見れて非常に興味深かった。
今だとテレビの人気キャスターが現地取材するとか、人気のSNSインフルエンサーが動画撮りに行くとかと同じ感じが当時からあったのか。

服装もダブルのスーツとか、肩が張った直角の様な角々の服とかが時代だし、この感じって1980年代とか近年でも流行っていたりしたけど、そう思うと大体四十年位で一回りして流行る、流行らそうとしているのかという部分でも興味深く見れてしまった。
ただ、この服装ってこの時代だと時代でそうなのか位にしか思わないけれど、1980年代や近年のこの服装って物凄くダサくてカッコ悪過ぎと思ってしまうのは何なのだろう?

この映画、多分当時の低予算で粗製乱造された映画の一つなんだろうで話も怪物もおもしろくはなく、そこでは楽しめないけれど当時のアメリカのラジオ放送文化を垣間見れるという部分では結構おもしろかった映画でした。

☆☆★★★

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