ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝

2025年04月28日 月曜日

ロブ・コーエン監督、スティーヴン・ソマーズ制作、ブレンダン・フレイザー主演の2008年のアメリカ映画「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝(The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor)」
シリーズ三作目。

1946年。
勝手に大学を中退したアレックス・オコーネルは中国で2000年前の皇帝陵の発掘を行い、皇帝を埋葬した棺桶と数多くの兵馬俑を見つけ出した。
遺跡の発掘調査から引退したリック・オコーネルとエヴリンはイギリスで暮らしていたが、イギリス政府から上海へ秘宝シャングリラの眼を返還する依頼を受け上海へと向かった。
二人は息子アレックスと合流し発掘品を見に行くと中国の将兵が襲って来てシャングリラの眼を使って皇帝を復活させた。
皇帝の復活はまだ完全ではなく、シャングリラの眼が指し示すシャングリラへと行く事で完全に復活し、数多くの兵馬俑を操って世界を征服させようと企んでおり、その皇帝をオコーネル一家が阻止しようとする。

Amazon プライムビデオでハムナプトラシリーズが終わりそうで、この「3」にジェット・リーが出ているので見てみようと思い一作目から見始め、一作目は結構おもしろかったのに二作目は何かが酷い訳ではないけれどおもしろくはなく、スピンオフ映画の「スコーピオン・キング」も同じく何かが酷い訳ではないけれどおもしろくはなかったので、この三作目もそんなに期待せずに見たら、やっぱり何かが酷い訳ではないけれどおもしろくはなかった。

話はこれまでの「1」「2」でやって来た事をまたやっているかの様な、良く言えばこれまでのシリーズ作としての引用でシリーズを見て来た人におもしろがってもらえる様な展開ではあるのだけれど、それが別におもしろくはなってなく、しかもその今までの事を息子に分散させてやる事で二代目感を出してはいるのだけれど、この息子は二代目主人公としては非常に存在感が薄く、父親のリックもいて活躍するので非常にどっちつかずな感じしかしなかった。
一作目だと肉体担当のリックと説明担当かつ動けるエヴリンの組み合わせがおもしろかったのに、この映画では肉体担当の父と息子にエヴリンと謎の娘リンも活躍するので誰にも絞れておらず散漫。
エヴリンは最早考古学者としては役に立っておらず、リンが説明役なのでエヴリンの存在感も薄い。
兄のジョナサンは変わらずコメディリリーフだけれど出番が少ないので道化師としても弱い。

わたしがジェット・リーが好きなだけなのもあるけれど、ずっと早く出て来いジェット・リーだったので、そのジェット・リーはこのシリーズの敵のお馴染み最初の古代の説明部分で少しだけ登場し、最後残り三十分辺りでようやく完全体になったと思ったら行き成りキングギドラみたいな三つ首の龍になってしまって、「2」のザ・ロックの登場を期待したら結局CGアニメーションでしか登場しなかった最悪手再びかと一気に萎えてしまった。
今回はちゃんとその後ジェット・リー本人が登場したけれど、それでも始めにあれだけ五行の力を身に付けたと出て来たのに、その力は兵馬俑状態の時がほとんどで人型の時は余り使わず、折角五行能力使いながらのジェット・リーのアクションが見られるかと思ったのに、その楽しみは無し。
人型になっても時々謎の怪獣に変身するのでジェット・リー本人のアクションは楽しめず。
ただ、ジェット・リーとミシェル・ヨーの戦いはちょっとおもしろかった。
この場面が短かったので十分二十分は見たかった。
ジェット・リーは出ているのは知っていたけれどミシェル・ヨーが出ているのは知らなかったので、ミシェル・ヨーが出て来たら笑ってしまった。
ジェット・リーはハリウッド映画の主演だと良い役だけれど助演だと悪役という法則が今回もだけれど、役は秦の始皇帝が基っぽく、しかも向こうから大量の矢が飛んで来たりと映画「HERO」っぽく、ミシェル・ヨーの刀剣アクションなので二人だけ「HERO」と「グリーン・デスティニー」やっているみたいで、そこが何かおもしろかった。

あと、役者と言えばエヴリン役で、これまでの二作目までエヴリン役だったレイチェル・ワイズが降板してしまい、今回はマリア・ベロに交代。
この人何処かで見た事あるようなぁ…と思ったら、「ER緊急救命室」のアンナ・デル・アミコか。
アンナ・デル・アミコと髪色も違うので全然違っていて暫く分からなかったけれど、それにしてもエヴリンが朗読していて顔を出したら完全に別人だったので、お前誰だよロックンロール
レイチェル・ワイズのエヴリンと違い過ぎだし、エヴリン自体も性格が違う感じだったのでずっと同姓同名の別人にしか思えなかった。
アレックス役のルーク・フォードもブレンダン・フレイザーにも、マリア・ベロにも、レイチェル・ワイズにも似ていないし、配役は本当にどうかしてる。

しかも、これまで二作続けてエジプト関係の話だったのが三作目で何を思ったのか突然中国話にしてしまったので最早訳が分からない続編。
原題の「The Mummy」とほとんど関係無いし、邦題は何時もの如く日本の映画会社が勝手に付けて二作目からほとんど関係は無かったけれど、三作目でハムナプトラとは関係ないからと今更変えられないにしろ、もうハムナプトラは全く関係無くなっちゃった。
続けて出ているのはブレンダン・フレイザーとジョン・ハナー位だし、この映画のグチャッとした感じ言ったらない。

この映画、二作目が全然大した内容でもないのに儲かっちゃったので更に続編となった時、レイチェル・ワイズは出ない。スティーヴン・ソマーズは監督しない。エジプトが舞台でもないと、もうこれで続編作る意味も無い様な要素がたっぷりな映画。
内容はやっぱりおもしろくはなく、ジェット・リーとミシェル・ヨーが戦う場面を見れたので、そこだけでも良い様な気がしないでもない映画でした。

☆☆★★★
 
 
関連:ハムナプトラ/失われた砂漠の都
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