ハムナプトラ2/黄金のピラミッド

2025年04月23日 水曜日

スティーヴン・ソマーズ監督・脚本、ブレンダン・フレイザー主演の2001年のアメリカ映画「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド(The Mummy)」
シリーズ二作目。

前作から九年後の1933年。
リック・オコーネルとエヴリンは結婚して息子アレックスが生まれていた。
一家はエジプトの遺跡でアヌビスの腕輪を発見しイギリスに持ち帰えるが、そのアヌビスの腕輪は五千年前にアヌビス神の下僕となったスコーピオン・キングと、スコーピオン・キングが率いた世界を支配出来る程の力を持ったアヌビスの軍隊が封印された遺跡へと導く鍵でもあり、アヌビスの軍隊の力を狙う一団がアレックスを誘拐し、彼らは前作の敵だった神官イムホテップを蘇らせてスコーピオン・キングと戦わせて自分達がアヌビスの軍隊を支配しようと企んでいた。

ハムナプトラシリーズがAmazon プライムビデオでの配信が終わりそうだったので、三作目にジェット・リーが出ているのでそれを見たかったので一作目から見てみようと思い一作目を見てみると意外とおもしろかったので、その期待もあって見た続編だったけれどこれがまあつまらない。

一作目はちゃんと各人物を立てながら発掘物で進み、イムホテップが復活してからはモンスターパニックモノへとなって余り退屈する事なく一気に見れたのに、この二作目はよくある導入の掴みアクション場面から始まるけれどそんなにおもしろくはないので「まあこんなモノかな…?」と思っていたら、息子が誘拐されたそれ以降の展開が全然おもしろくなく退屈してしまった。
今回も色々と人物は出て来るけれど一作目の様に各人物を立たせて話を進めるでもなく、息子が誘拐されていないのでオコーネル一家の家族感は薄く、リックとエヴリンは一緒にいるのに共闘して強いとかは大して無く、イチャイチャし過ぎとかの夫婦感は薄くてそこを出す感じでもなく、敵も結局大英博物館の館長は何者で、そもそもあの赤い衣装の一団は何者だったのかも分からないままだし、アナクスナムンそっくりの女性も何者で何が目的だったのかも分からないとか人物全員の扱いが非常に雑。
前作で強烈な印象を残したイムホテップが結構まさかの再登場で、こういう映画での続編では前の敵は倒しているので大抵出て来ないのに人気が出たからなのかの続投で復活したのは興味が湧いたのだけれど、前作の様なガンガン魔法を使って攻撃して来るあの無敵の強さを余り描かず一作目よりも遥かに存在感が薄まってしまい、更にはイムホテップが復活してあれだけスコーピオン・キングの話を振っておいたのだから最後はイムホテップとスコーピオン・キングの魔法合戦かバチボコの殴り合い、演じるアーノルド・ヴォスルーと当時はまだドウェイン・ジョンソンではなくザ・ロックなのでバチボコに殴り合うんだと期待していたら、イムホテップは何故か魔法を封じられ、スコーピオン・キングは全部CGアニメーションと肩透かしもいい所で、これだったらイムホテップはいらなかった。

スコーピオン・キングも始めにあれだけ見せていたから一作目のイムホテップの様に中盤に復活して主人公側や敵側を翻弄して大活躍するのかと思いきや、最後の十分二十分になってからやっと登場したと思ったら下半身サソリのCGアニメーションでザ・ロックが全く登場しないとか羊頭狗肉。

序盤からエヴリンは過去の幻影を見ていたけれど、それがどうやら前世の記憶らしく、エヴリンはイムホテップが殺した王の娘ネフェルティティの生まれ変わり?らしいとか、リックはその姫を守る戦士?とか、詳しい説明もないまま進んで、もう話が取って付けただけの安っぽい事になってしまい、結局何だかよく分からないままで投げっぱなしジャーマンスープレックスで終わってしまう。
エヴリンも終盤で行き成り殺されてしまうけれど、これも生き返るのは見え見えで、本当に直ぐにピンピンして生き返るしで、今回は脚本が酷い。

結局前作も今作もアーデス・ベイが美味しい役で、こんな雑な扱いのスコーピオン・キングでスピンオフ映画作るならアーデス・ベイで冒険アクションモノ作った方が良かったんじゃない?と思ってしまった。

息子を出して来た事でファミリー・ムービーに舵を切りまくっていて、大体こういう子供って小生意気な人物にするけれどこの人物設定って誰が喜ぶんだろう?と何時も思ってしまう。
子供が見たら面白いんだろうか?

この映画、一作目が結構おもしろかった分だけ期待があったけれど、まあ酷くつまらない続編だった。
人物は立たないし、描きも薄い。
序盤が終わるとずっと間延びして退屈。
一番の目玉の敵であるはずのスコーピオン・キングが全然出て来ないし、出て来たら安っぽいCGアニメーション。
一方のイムホテップも微妙。
家族になったはずのオコーネルの家族感も全然薄いと駄目な部分ばかり目に付いて一作目のおもしろさが全然無かった。
スティーヴン・ソマーズって今作も前作も監督と脚本をしているのにこの違いって何だろうか?
この映画見ていたらスティーヴン・ソマーズってあのおもしろかった「ザ・グリード」や一作目が本来の力ではなくまぐれ当たりで、この二作目や「G.I.ジョー」こそが本来の力なのかと思ってしまった。

☆★★★★
 
 
関連:ハムナプトラ/失われた砂漠の都

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