Amazon プライムビデオで「24 -TWENTY FOUR-」の配信がまた始まっていたのでシーズン2から見直していて、ただシーズン2を見ていたのが年末位だったので年末年始で何かと忙しいのは分かっていたから、そのまま続けてシーズン3を見るのは控えていて、他のモノを見ていたらすっかり見るのを忘れていたので数か月振りに見始めたシーズン3。
昔に一回見てはいるので、ジャック・バウアーの弟子的相棒チェイス・エドモンズとか、ラモン・サラザールとかは強い登場人物だったのではっきりと覚えていたし、シーズン2でさえ製作側が存在を完全に持て余していて、いらない子だったキンバリー・バウアーをCTUに入れて何とか存在意義を出していたとかも覚えていたけれど展開はほとんど忘れていたので楽しめた。
シーズン3にもなると今までとは違う展開にはしていて、今シーズンは初めから敵と目的と手段をはっきりと出していた。
生物兵器によるテロで脅迫してラモン・サラザールの釈放が目的と、今までは徐々に明かされていた部分を最初から前面に出して一気に見せる方向性にしていた。
しかし、これもちゃぶ台を引っくり返す為の振りで、実はこの導入は売りに出された生物兵器を確保する為にジャック・バウワーがサラザールの下に潜入する為の極秘作戦だったと結構な序盤で話が一気にガラッと変わってしまうのには興奮したしおもしろかった。
そして、シリーズお馴染みになっている大体半分位の所で今までの話が終わって、また別の敵を追い掛ける事になる後半戦が始まり、ようやくここら辺から何時もの「24」らしい展開にはなって行った。
ただ、以前見た時はこのシーズン3はこれまでの中で一番おもしろかったと思ったシーズンで、そのおもしろかった印象で残っていたけれど、改めて見るとそうでもないと言うか、ここまでで一番おもしろくはないシーズンだった。
前半のサラザール編は今まで雰囲気や展開が違っておもしろくはあるものの話を結構引っ張り過ぎで早く次に進んで欲しいと段々と思って行ったし、あれだけ引っ張って色んな人間関係描いたのに全員死んで終わらせてしまう、ジャック・バウアーの心情も特に描かずにそのまま次の犯人探しに行くし、ニーナ・マイヤーズとの決着も引っ張った割にあっさり過ぎて直ぐに次に行くしで常に尻すぼみ感ばかり。
ここら辺りの話は終盤を過ぎて見終わるとさっぱり忘れてしまっていたし。
一方のデイビッド・パーマーの方は中盤以降もパーマー兄弟の女性問題の対処や揉み消し話なので物凄くこぢんまりしていて、これまでのシーズンに比べると非常にしょうもない話だし、いよいよテロリストと対峙し始めても相手に翻弄されるだけで面白味が無かったし。
しかし、「24」全体でも名場面のシェリー・パーマーの罵り殺しがあるという部分ではおもしろ過ぎる。
チェイス・エドモンズも初めはジャック・バウアーとの一方的な信頼関係やギクシャクする関係から、チェイス・エドモンズがジャック・バウアーを追い掛けてメキシコに行ってしまう健気さとかは良かったもものの、中盤辺りになるとチェイス・エドモンズの影が極端に薄くなり、たまに見かけると、そう言えばチェイスいたな…位まで脇役になってしまっていて、チェイス・エドモンズは初めの設定や勢いは良かったのに中盤以降製作側が上手く使い切れていなかったのが残念。
1話目から全力疾走だし色々と盛り込みまくり。
行き成りシーズン2から三年後になっていて、その間に色々あった様。
シーズン途中かの様なサラザールとジャック・バウワーの関係性。
ジャック・バウワーは既にお馴染みの潜入捜査でサラザールの下で何かしらしていて、しかも分かり易く薬物中毒が抜けないという危機。
トニー・アルメイダとミシェル・デスラーは結婚しているし、シーズン2での持て余し感の半端なさや話のどうでもよさから独立させた話にするとどうしようもないと思ったのかキンバリー・バウアーはCTUの職員になっているけれど端々に見えるうざさは変わらず。
新しい人物も増え、ジャックの相棒でジャックを非常に慕うチェイスは非常に良い奴。
癖のある分析官アダム・カウフマンは何処かで見た事あるなと思ったら、この後の「HEROES」のサイラー役で有名になり、ケルヴィン・タイムラインの別のスポック役でお馴染みになったザカリー・クイントだったのか。
シーズン3は一度見たのにザカリー・クイントが出ていたのは全く覚えていなかった。
それに、今後あれだけ役が成長するとは思ってもみなかったクロエ・オブライエンが初登場。
デイビッド・パーマーの方はシーズン2の最後にあれだけ大風呂敷広げたクリフハンガーで終わらせたのに、ちょっと後遺症はあるけれど健康的には問題無いし、あの犯人は捕まえましたと一行台詞で終わらせてしまったりと、もうシーズン2は終わってシーズン3ですからと言う様なぶった切り感で済ませてしまっていて拍子抜け。
そして今回はこの一話目からアーロン・ピアースは登場。
意外だったのがシーズン2で思った以上に活躍したケイト・ワーナーが再び登場し、どうやらジャックと付き合っていたけれど別れたらしかったり。
本題はやっぱりテロなんだけれど、これまでと違うのはサラザールの釈放というはっきりとした要求があり、これまでよりも敵も目的もはっきりとしてどう展開させるのかと興味が湧き、見所一杯。
本当なら一話目だし、次が見たくなるので続けて二話目も見るんだけれど、この一話目はお腹一杯過ぎて一話でやめてしまった位だった。
9話目でニーナ・マイヤーズ登場。
ニーナが登場するのも覚えていたけれど、改めて見るとこのニーナの登場って都合が良くはある。
急に現れた競売相手の代理人がニーナって出来過ぎ。
まあ、演じていたサラ・クラークがシーズン3限りでという事になったのか、何処かでジャックとニーナの関係に決着は付けておかないといけないので、ここに何とかねじ込んだ感じはあった。
12話で、これまで散々引っ張って来たサラザール編が急に終わってしまう。
敵が死亡するのは結末としてはそうではあるけれど、「24」の特徴として息をつかせずに次の展開に行ってしまうので、これまで色々と描いて追って来た敵が急に無かった事の様に次に行ってしまうのは何だかなぁと思う所。
行ったり来たりするジャック・バウワーとラモン・サラザールの関係をここまでじっくりと描いて来て、それがどちらにも特に何もないままで終わってしまう呆気無さったら無い。
まあ、ここまでじっくりと描いていたのでサラザールは強烈に印象に残っていて覚えていたのかとは思う。
13話では「24」全体の中でも屈指の名場面「シェリー・パーマーが相手を罵り殺す」が登場。
デイビッド・パーマーを脅す後援者のアラン・ミリケンが意図せずシェリーの前に現れたけれどシェリーは一切動じず、そのままアラン・ミリケンがどんなにクズなのかを罵り始めてアラン・ミリケンは心臓発作で死んでしまう凄い場面。
罵り殺すって初めて見た時は相当衝撃的だったし、その演技の凄さとこの展開に笑ってしまったけれど、また見てもやっぱり凄い場面だし、やっぱり笑ってしまった。
こんな恐怖かつ凄みかつ笑いという場面って中々無い。
この場面でわたしの中で「24」で最強なのはジャック・バウワーではなくシェリー・パーマーになってしまっている。
シェリー・パーマー役のペニー・ジョンソン・ジェラルドの演技も凄いんだけれど、日本語吹き替えの小宮和枝のここの演技は本当に一世一代の演技だと思ってしまう。
ペニー・ジョンソン・ジェラルドはわたしが大好きなドラマの一つ「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」にも主人公のベンジャミン・シスコ司令官の恋人役キャシディ・イエイツで出演しているのだけれど、キャシディ・イエイツは非常に穏やかで優しい人物で、しかも「DS9」では小宮和枝が副司令官のキラ・ネリスの吹き替えしているので、「DS9」から「24」を見ると違和感が凄い。
14話で遂にジャック・バウワーがニーナ・マイヤーズを撃ち殺す。
なんだけれど、15話でその事について正当防衛だったか、個人的な恨みだったかで取り調べを受けてはいたけれど結局ジャックの本心は見えてこないまま。
それに、都合良くニーナ・マイヤーズがジャックと出会う事になり、ここまで二人の因縁を引っ張った割に呆気無いニーナ・マイヤーズの最後だし、ニーナ・マイヤーズの事を特に引っ張りもせずにアマドール探しになってしまうので、折角のニーナ・マイヤーズとの因縁も尻すぼみ感が強かった。
17話ではテロリストからの脅迫で何故かライアン・シャペルを殺さなくてはならなくなってしまう。
で、本当にジャック・バウワーがライアン・シャペルを殺してしまう。
初めて見た時も思ったし、今回も思うのは、この展開非常に何だかなぁ…。
脚本上の視聴者への驚き目的だけで、これが上手い展開でもおもしろい展開でも驚きのある展開でもないからなぁ。
ここまですんなりだと普段からジャック・バウワーが面倒臭いと思っていたライアン・シャペルを殺せて良かったと思っていた…と思ってしまう。
ただ、シーズン2のジョージ・メイソンにしろ、今回のライアン・シャペルにしろCTUの上官は退場時に見せ場があるって役者に対する製作側からの温情があるなぁとは思う。
このライアン・シャペル役のポール・シュルツはこのシーズン3での降板が決まっていたからの退場なのかなぁ?
調べてみてもそういう話は出て来なかった。
以前見た時はライアン・シャペルって嫌な奴位の役だったと思っていたと思うのだけれど、改めて見ているとライアン・シャペルって確かに自己保身はあるものの組織を率いる管理者として、特に無茶苦茶しまくるジャック・バウワーがいる組織をちゃんと管理する上司としては非常に真っ当な事を言っていてちゃんとしている人だったのかと思った。
それとこのライアン・シャペルが殺される場面は以前見た時からのわたしの記憶の中ではジャック・バウワーが嫌がるライアン・シャペルを無理矢理何処かの建物の屋上に連れ出して撃ち殺したというモノだったのだけれど全然違った。
この記憶は他のシーズンの何かの場面と混同していたのだろうか?
それに最終話でのチェイス・エドモンズも、ジャック・バウワーがチェイス・エドモンズの手首を斧で切るのはそうだったけれど、その後ジャック・バウワーがチェイス・エドモンズに肩を貸して歩いて行って部屋を出て行く所で終わったという記憶で残っていたのだけれど、それも違っていてチェイス・エドモンズの手術まで描いていたのか。
これも何と記憶が変わっていたのだろうか?
24話の最後にジャック・バウワーが一人で泣き出す場面は凄く良かった。
確かにこの一日だときつ過ぎるよな。
それを台詞ではなくては自動車内で一人で泣くという演出は非常に良かった。
その途中で無線で呼び出されて仕事に赴くというのも良かったし、これが最終回でも良かったと思う最後だった。
ただ、全体的には変に引き延ばしている割に行き当たりばったりの様な展開の脚本に感じてしまったし、各人の行動が脚本の展開上での都合で動いている感じがあっていまいち乗って行けない事も多かった。
ジャック・バウワーはこれまで通り何を思っているのかを見せずに黙々と犯人を捕まえようとする狂気は恐ろしかったけれど、やっぱり何を思っているのか分からないのでジャック・バウワーに乗って行けない所もあったし、キンバリー・バウアーは序盤は何時も通り何かをしたり言ったりすると問題を起こすウザい奴をしていたのに、それも中盤以降から鳴りを潜めてしまったし、序盤はあれだけジャック・バウワーを慕い、ジャック・バウワーの対等ではない相棒という新しい役回りで非常に良かったチェイス・エドモンズも中盤以降鳴りを潜めてしまったし、トニー・アルメイダも脚本上の行動感が強かったし、ミシェル・デスラーはあれだけウイルスとの関わりを見せておいて感染していませんでしたも都合が良いし、何かいまいち。
デイビッド・パーマーもシーズン2の最終話であれだけ派手にクリフハンガーしておいてその事はほぼ関係無く話が進んであのクリフハンガーは何だったのかと思ってしまったし、それにシーズン2で一番の問題になった政権内にいる裏切り者の話もどうなったかのも一切出て来ず、シーズン3でも同じ副大統領が出て来たのであの副大統領は上手い事担がれただけだったの?とかよく分からないままで放り投げだしていたし。
一方、今シーズンではシェリー・パーマーが大活躍で、完全にシェリー・パーマーがデイビッド・パーマーを喰ってしまっていた。
もっとシェリー・パーマーの凄みを見たかったけれどこのシーズンで退場だったのは残念。
他の人でもこれまでのレギュラー級、準レギュラーだった人達が何人も退場したのはシーズン3の視聴者数がシーズン2よりも落ち込んだ事もあって、次のシーズンでは登場人物達を相当入れ替えようとしていたからみたい。
それが成功してシーズン4から視聴者数は増えたから、ここでのテコ入れは必要だったのか。
このシーズン3は改めて見るとわたしの記憶にあったおもしろさとは結構違い、何だかなぁ…な部分も結構多かったし、後半になって何時もの「24」にはなっていたけれど、出したはいいけれど段々と持て余していた人物達が勿体無い気ばかりしたし、話を広げている割に非常にこじんまりと身内で回している様な感じだったし、見直すとこんなに印象が変わってしまうモノかと思ったシーズンでした。