宇宙大作戦 シーズン2

2023年05月26日 金曜日

宇宙大作戦」のシーズン1に引き続きシーズン2も見たけれど、低予算から来る全体的な安っぽさはやっぱり気にはなるし、話は大分いまいちな回が多くて、どうにも乗って行けなかった。

シーズン1よりもエンタープライズのブリッジの操作盤のパネルとかスイッチがまだ良くなっている感じではあったけれど、やっぱり低予算なのか、地球から離れた未知の惑星でも住んでいるのはほぼ地球人と同じ見た目の異星人がやたら多かったり、多分衣装部から衣装をそのまま借りて来られるからか、未知の惑星に降り立つと地球そっくりの文化になっているという話が何度もあったりと製作的に都合が良い設定が多くて白けてはいた。

話もシーズン1から多用される地球人の力や科学技術を遥かに超えた力や科学技術を持つ存在に無理矢理その星に連れて来られたリ捕まったりしてそこから逃げ出す話に既視感と言うか使い回し感を感じてしまって、この手の話になると早い段階から飽きてしまっていた。

カークの活躍で解決するヒーロー感を褒め称える感じにはなっているのだけれど、そのカークの独善的で強引なやり方は英雄譚としてはいいかもしれないけれど物語としてはおもしろくはなく、乗組員がバンバン死んで行ってもカークが頑張って解決した風でめでたしめでたしって、いや解決じゃないだろ…という強引な最後が多いし、この船には乗りたくないなと思わせる最高司令官カーク。

シーズン1でもそうだったけれど、カーク、スポック、マッコイの三人は毎回登場しているのに他のレギュラーのはずのモンゴメリー・スコット、ウフーラ、ヒカル・スールー、パヴェル・チェコフが全く登場しない回があったりして、そのいない事についての劇中での説明も特に無いのが気になった。
カトーことヒカル・スールーが暫く連続して全く登場しないのは見ていて気になったし、チェコフがシーズン2からの登場なのに既にエンタープライズで勤務していた事になっていたのも気になった所。
チェコフは新たに赴任して来た新顔じゃあ駄目だったのだろうか?
それにチェコフが初登場してから数回はカツラを被っていたのは何だったのだろう?
初期は髪の毛が非常にもっさりと多くて違和感。

シーズン1で気になった士官の制服の色だけれど、シーズン2にもなると慣れはして来たけれど違う疑問が出て来て、そこに何時も引っ掛かってしまった。
新スタートレック」以降の24世紀以降の話ではブリッジの士官が赤色で技術系が黄色の制服で慣れていたので、23世紀が舞台の「宇宙大作戦」ではブリッジの士官が黄色で技術系が赤色の制服でどうにも慣れず、何で「新スタートレック」でこの色を丸っと取り替えたんだろう?という疑問はあるのだけれど、「宇宙大作戦」でのカークは何時もは黄色の制服なのに時々緑色の制服があるのが気になってしまった。
見ているとどうやら何かの式典とかの正装的な制服が緑色の制服っぽいのだけれど、そういう事も無い普通の時でも時々カークが緑色の制服を着ていて緑色の制服の意味がよく分からず。

その他各話で気になった所。

6話目「宇宙の巨大怪獣」は多分これまで見た事が無いはずなのに何故かこの回に登場した謎の巨大兵器は何処かで見た気がして仕方なく、凄く変な感じのまま。
あのチョココロネみたいな巨大兵器って他の何かで似た様なモノがあって、それで既視感を感じたんだろうか?

10話目「惑星オリオンの侵略」は色んな異星人が登場して揉めつつ議論したりと非常にスタートレックっぽくて好きで、そこにスポックの両親が登場してスポックの掘り下げもあってシーズン2ではおもしろかった回だったのだけれど、最後の犯人ばらしで今まで何も出て来なかった謎のオリオン人の話が突然出て来て「ん?」となり、結局このオリオン人はこれ以降のシーズン2では登場しないままで、この急に出しておいてそれ以降触れないって「宇宙大作戦」ってこんな事ばかりしてるなぁ。

15話目「新種クアドトリティケール」でトリブルが登場し、この回を使って合成して「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」の「伝説の時空で」をしたの知っていると楽しい回。
「伝説の時空で」を見てから見比べるのもおもしろいかもとも思った。

23話目「細菌戦争の果て」は大事な部分を投げっぱなしジャーマンでほったらかしで酷かった。
始まりはクルーがいなくなった宇宙船を発見しカーク達が乗船。
その宇宙船のクルー達は上陸した惑星で謎の奇病に感染して全員死亡するが惑星に降りれば助かると知ってカーク達は惑星に上陸。
そこには宇宙船の船長が生き残って惑星の住民コム族を率いてヤン族と戦っており、その船長は謎の病気がコム族を長寿にしていると信じてカーク達を無理矢理協力させようとするという強引ではあるけれどSFだしスタートレックっぽい話になっているのだけれど、そこからの展開が意味不明。
ヤン族は何故か数百年前のアメリカの合衆国憲法を神の言葉として崇めており、ヤン族の名前はヤンキーから来ており、コム族はコミュニストから来ていて、アメリカの自由と共産主義者の戦いだったんだ!という何のこっちゃ?な展開に突然なってしまって、ぽかーん…。
何故地球から遠い惑星で惑星連邦以前の数百年前のアメリカ関係の物があるのか?とか、この惑星の人達って地球人の移民なの?とか、細菌兵器で戦争する位の科学技術があったのにその痕跡や遺物が全然無いの?とかの疑問に対して一切の説明は無いまま、ヤン族とコム族は協力しましょう…で終わりって何じゃこりゃ?
この終盤での急展開の脚本酷過ぎ。

25話目「もう一つの地球」も地球から離れた惑星は何故か地球とほぼ同じで、住んでいるのも地球人とほぼ同じで、文化はローマ時代がそのまま1960年代まで発展した様な世界と言う、またの地球そっくり話。
今回もこのほぼ地球の何故?に対しての説明は一切無く、やっぱり衣装やセットを使い回せるからという理由しか見えて来ない無茶苦茶な話で、もう辟易して来た。

シーズン最終話の26話目「宇宙からの使者 Mr.セブン」はもうやりたい放題。
初っ端からエンタープライズは既に1969年の地球にタイムトラベルしているという、遂に面倒臭い事を省いてやりたい事を簡単にしてしまっている状態から始まり、そこに当時の地球人だけれど何処か謎の異星人によって指令を与えられたミスター・ゲリー・セブンが現れ、話はこのゲリー・セブンがアメリカの水爆宇宙ミサイルを阻止しようとする展開がほとんどでカーク達が全然活躍もしないし、カーク達の出番さえ少なく、最早「宇宙大作戦」でもない回で何じゃこりゃ。
見ているとこれって他のドラマやスピンオフドラマのパイロット版じゃないの?と思える様な内容で、調べてみたらそうだったのだけれど、この「宇宙からの使者 Mr.セブン(原題「Assignment: Earth」)」はジーン・ロッデンベリーが考えていた他のドラマの企画(「Assignment: Earth」)をこの回用に書き直したらしく、それを何故か「宇宙大作戦」でやってしまっている。
しかし、ゲリー・セブンは渋めのおっさんでSFスパイで役が立ちまくりだし、彼の使う何でも万年筆ってドクター・フーのソニック・スクリュードライバーみたいだったり、融通の利かない対話式コンピューターとか、ゲリー・セブンは常に黒猫と行動し、その黒猫は本当は人型の異星人?みたいだし、何も分かっていない馬鹿役の秘書の女性とか、このゲリー・セブン周りがやたらときっちり作られていて見事に立ちまくりで、よっぽどこっちの方がおもしろそうに思えてしまった。
この異星から来た、ソニック・スクリュードライバーみたいな超科学技術を駆使して何でも分かって行動する謎の人物と相棒の猫、もしくは女性秘書のコンパニオンってほとんど「ドクター・フー」だけれど、「ドクター・フー」は1963年から始まっているので大分影響を受けている?
結局このゲリー・セブンのドラマは実現しなかった様で、そうなるとこの回は主人公はゲリー・セブンで「宇宙大作戦」じゃないし、この誰からか指令を受けて行動しているゲリー・セブンという人物の謎は一切謎のままで終わりなので、まあ「宇宙大作戦」毎度のほったらかし、散らかして終わりと言う酷い回ではあった。
しかも何故シーズン2の最終話でこの内容なのかも謎。
どうやら「宇宙大作戦」は当時人気が無くて、このシーズン2で打ち切られる可能性もあったらしい事を考えると、最後に「宇宙大作戦」の予算使って新ドラマのパイロット版を作ってしまってそっちに移行だ!という思惑があったのかしらん?
もしシーズン2で打ち切りだったら最終話の内容がほぼ別のドラマのパイロット版になっていたのか…。

真面に「宇宙大作戦」を連続して見た事がなかったのでシーズン1から見ていたけれど、このシーズン2でも続けて人智を超えた存在に捕まるとか、降りた惑星が地球とほぼ同じという話が更に多過ぎで大分つまらなかった。
ネタ切れ感が凄いし、今見てしまうとSFとしても微妙だし、話自体も有耶無耶で解決とかが多くて見続けるのが結構きつかった。
 
 
関連:シーズン1
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   スタートレックIV 故郷への長い道
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