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WrestleMania 33

2017年04月24日 月曜日

WWE自体、完全に惰性でしか見てなく、WWE一の大会「レッスルマニア」もそれ程真剣に見ちゃあいない近年での今年の「レッスルマニア 33」。
近年の特徴でもある「前半の方がおもしろく、後半に行く程つまらなくなって行く」のが今回も。
それに加え、「外様に頼る」「過去の栄光に頼る」試合が多くて、これだけ人はいるのにスターが作り出せていない最近のWWEが何とか凌いでいる感じばかりを感じてしまった。
 
 
1.AJスタイルズ vs シェイン・マクマホン
 
初っ端からTNA育ちのTNAスターのAJスタイルズとプロレスラーではないオーナー一族の元お坊ちゃんおじさんシェイン・マクマホンの試合から。
初っ端から外様と素人との対戦ってどうなの?って思ってしまった。

流石はAJスタイルズだけあって、ギミック的にも展開上でもヒールなのにAJスタイルズには大声援。
ファンからだけでなくWWEからの信頼も相当厚いAJスタイルズだからのシェイン・マクマホンとの組み合わせなんだろうけれど、幾ら無茶するシェイン・マクマホンでも流石に歳も取ったし、試合的にもこれまでのシェイン・マクマホンの名場面再放送的展開だとスポーツ・エンターテイメントとしてはおもしろくてもプロレスだといまいち。
AJスタイルズ出すならAJスタイルズの上手いプロレスが見たいのだけれど…。

望むのはAJスタイルズvsケビン・オーエンズ。
二人共王座ベルト取っていたのだから、何だか分からない王座戦をするよりはこの二人での王座戦だと相当盛り上がるのに。
ただ、この二人だと最早WWEなのか、TNAなのか、ROHなのか分からんか。
 
 
2.ケビン・オーエンズ vs クリス・ジェリコ
 
これまた元ROHのケビン・オーエンズと、もういい加減WWEの顔の一人ではあるけれど、元WCWのクリス・ジェリコ。
あと数年で50歳のクリス・ジェリコではやっぱり試合展開はもっちゃりとし、憧れのクリス・ジェリコと「レッスルマニア」で試合出来るケビン・オーエンズは嬉しくてしょうがないんだろうけれど、試合としてはいまいち。
 
 
3.ベイリー vs シャーロット・フレアー vs サーシャ・バンクス vs ナイア・ジャックス
 
最近の所謂「ディーバ革命」以降は男性よりも女性部門の方が試合はおもしろく、この試合も四人だからか展開も速く、各人に見せ場もありで、後のしょうもない試合よりも全然おもしろかった。

ただ去年のベッキー・リンチvsサーシャ・バンクスvsシャーロット・フレアー戦が抜群に素晴らしかっただけに、それを超える程でもなかったのは確か。
 
 
4.ハーディ・ボーイズ vs ルーク・ギャローズ&カール・アンダーソン vs セザーロ&シェイマス vs エンツォ・アモーレ&ビッグ・キャス
 
流石に在庫処理感の漂う元々の三組タッグ戦ではヤバいと思ったのか、ここで驚きのハーディ・ボーイズ登場。
これには「おっー!」と唸ったけれど、またもやTNAからの出戻り組で、「TNAって、単にギャランティの高い選手達を切ってしまっただけなんだろうけれど、AJスタイルズもそうだし、オースチン・エイリースサモア・ジョーボビー・ルード、今年殿堂入りしたカート・アングルとかのTNAの顔だった良い選手達がこぞってWWE入りしているって相当ヤバいと言うか、TNAガタガタなんじゃないの?何でここまでTNAの求心力無いの?」と何故かTNAの心配ばかり思ってしまった。

試合自体は体格も違う選手達なのでまとまりは無い感じはしたし、そもそもハーディ・ボーイズが出て来た時点で他の三組がかすみまくってしまい、ただ「ハーディ・ボーイズの技が見たい!」になってしまって、結局はハーディ・ボーイズがベルト取ってしまうしで、他の三組の噛ませ犬感ばかりが残った。
 
 
5.ジョン・シナ&ニッキー・ベラ vs ザ・ミズ&マリース
 
今年の「レッスルマニア」で一番興奮して笑ったのがこの試合。
試合自体はジョン・シナが一方的にやられ、最後はジョン・シナとニッキー・ベラの二人で勝負を付けると言う、まあ酷いクソ試合ではあり、その後のジョン・シナとニッキー・ベラのプロポーズなんてクソ展開ではあったものの、何よりザ・ミズの素晴らしさばかりが光った。

何でか知らないけれど、通常の放送だとそれなりにジョン・シナへの声援が大きいのにPPVとかになるとやたらとジョン・シナへのブーイングが大きくなるのが今回は顕著に現れ、ジョン・シナへは徹底的なブーイング。それへの上乗せなのか、ミズには大声援という構図になってしまっていた。
しかし、ミズはそれをすぐさま理解してお客を煽りまくる。
すると大歓声で、多分今年の「レッスルマニア」の中でも最高の盛り上げを見せ、まあ盛り上がりまくる。
これ。わたしがミズを好きなのは。
以前、ミズの日本公演でのわざわざ日本語でお客を馬鹿にするマイクパフォーマンスを動画で見て以来、ミズのちゃんと自分のヒールの立場を理解し、それでどれだけ盛り上げられるかを突き詰めようとする姿勢が大好き。今回なんか、それが大爆発した。
結局何時ものジョン・シナでしかないジョン・シナと比べれば、何とミズが輝いていた事か。
最終的にプロポーズという「目出度い席だから…」で有耶無耶に、強引に締めたはいいけれど、ミズじゃないと後世まで悪い意味で語り継がれてしまう本当にクズみたいな試合になっていたはず。
以前の2011年の「レッスルマニア27」のWWE王座戦がジョン・シナvsザ・ミズだった時は、明らかにミズじゃあない感しかなかったのが、今回のこれでミズがジョン・シナ越えたよなぁ。
WWEは、もうパートタイマーで「Total Divas」の宣伝みたいなどうでもいい試合しかさせてもらえないジョン・シナよりもミズを押せ!ミズを押せ!
 
 
6.セス・ロリンズ vs トリプルH
 
セス・ロリンズはWWEも押しまくりだし、確かにシールド時代からバンプが上手くて頭一つ抜けていたのに、怪我での欠場が多くて非常に勿体無いし、悲運な人でもある。
で、今回の対戦はもう直ぐ50歳のトリプルHでは流石に試合展開はもっちゃりだし、本当の所はどうなのか分からないけれどセス・ロリンズの膝が良くないからなのか飛んだり跳ねたり投げ技や関節技の応酬も無くダラッと進んでしまい、いまいち過ぎる。

トリプルHとの確執の展開もずっと描いていて来たとは言え、トリプルHも管理職側でレスラーとしてはパートタイマーだし、トリプルHの過去に頼る部分は大きく、展開と同じくの鬼気迫る試合を見せる気も無いのかしらん。

後気になったのは、トリプルHは相当体を作って来たとは言え、「あれ、こんなに焼き焼きの黒い体だったっけ?」と思ったし、「体をねじった時等の皮膚の弛みは流石に歳か…」とも思ってしまった。
それにトリプルHのあの最早自動車みたいなバイクでの登場場面は何?バッド・アス時代のアンダーテイカーの「♪Rollin’Rollin’Rollin’」を思い出してしまったし、あれだけのの白バイに先導させると「わたしは悪いカッコして、権力振りかざす悪い奴ですが、権力に守られまくって、きちんとバイクを乗っているちゃんとした社会人のおじさんです」感が物凄くあって格好悪かったし。
 
 
7.ランディ・オートン vs ブレイ・ワイアット
 
次の試合もそうだけれど、この試合も何で王座戦なのかがいまいちピンと来ない。しかも、最終盤での王座戦でもないし。
近年のWWEでの一番価値あるはずの王座ベルトの価値が物凄く低くなっている気がしてならない。

試合的にはおもしろくなかったので結構早送り。
 
 
8.ブロック・レスナー vs ゴールドバーグ
 
これまた、この組み合わせなら別に王座戦でもなくてもいいのに何故か王座戦。

この二人はこれまでの因縁の展開はあったものの、プロレス出来ないのでもあり、普通のプロレスしないギミックの二人なので試合的には何も期待していなかった通り、お約束のゴールドバーグのスピアー。ブロック・レスナーのただスープレックスを繰り返すだけのつまらない毎度の展開も「スープレックス・シティ」という良い名前を与えた事によって、必殺技の応酬みたいになり、会場は盛り上がっていたけれどわたしは「すーん…」。
数試合だけの契約で今後絡んで来ないであろう事が分かっているゴールドバーグや、これまでのゴールドバーグにやられるだけのブロック・レスナーという展開と、まだまだPPVで使えるブロック・レスナーを手放さないWWEの思惑を見れば、物凄く着地するべき場所に着地しただけの試合で、「すーん…」。
 
 
9.ナオミ vs アレクサ・ブリス vs ベッキー・リンチ vs ナタリヤ vs カーメラ vs ミッキー・ジェームズ
 
この試合はディーバ部門の在庫処理的大人数試合で、別におもしろくはなかった。
ディーバ部門も明らかに「RAW」側の方がおもしろくて、「アレクサ・ブリス可愛いなぁ…」位の見所しかなかった。

そう言えば、ミッキー・ジェームズもTNA行ってからの出戻り組か。
 
 
10.ロマン・レインズ vs アンダーテイカー

この組み合わせの時点から、老体に鞭打っているアンダーテイカーと、何時まで経ってもおもしろい展開を作り出せないワンパターンなローマン・レインズじゃあ、どう転んでもおもしろい試合にはならないだろ…と思っていたのがそのまま出た試合。

結構早い段階からアンダーテイカーはスタミナが無くなって疲れた感じでヨロヨロだったし、ローマン・レインズもダラダラした感じで、「おっ!」と思わせる展開や技を出さず、何時もの弾けない展開ばかりで非常に退屈。
しかも、ローマン・レインズはアンダーテイカーのトゥームストーン・パイルドライバーを切り返してローマン・レインズがトゥームストーンを仕掛けるという展開だった思われる所でローマン・レインズがアンダーテイカーを持ち上げらず、モタモタモタモタして何度も持ち上げられないという様が出てしまう。
わたしはローマン・レインズは試合内容がおもしろくないけれど、ちゃんと見た目も売れ線で決して嫌いではなかったけれど、「この失態は流石に無いだろ…」と萎え萎え。
これだけ押され、アンダーテイカーの引退相手にまで選んでもらっているのに、アンダーテイカーがデカいとは言え、歳でアンダーテイカーの筋力が落ちて抱え上げられるまで持って行けないのかもしれないけれど、それでもまだ31歳の現役トップのローマン・レインズのこの失態は誰もが頭抱えたはず。
これはローマン・レインズのレスラー人生賭けて持ち上げんとあかんでしょ。これでベビーのトップになろうって無理じゃん。
てっきり、これだけ押されてもブーイングしか起こらず、何時まで経ってもベビーのトップとして受け入れられないローマン・レインズを、アンダーテイカーに止めを刺すという大役でもあり、絶好の機会でもあるので、ここでローマン・レインズのヒール・ターンに移るのかと期待していたのに、終始良い人のローマン・レインズを押し通すのも余りに波風立たない展開で退屈してしまった。

アンダーテイカーも、ここ数回の「レッスルマニア」は最早「アンダーテイカーが登場する!」「アンダーテイカーが見れますよ!」という興行の盛り上げ位の意味しかなく、何で戦っているのかもよく分からない状態だった上に、アンダーテイカーの全盛期の見る影も無い様なグダグダした試合を見ても逆に哀しさばかりで、本当はもっと早くジョン・シナ辺りと良い試合して引退した方が良かった気ばかりした。
 
 
今回の「レッスルマニア」はWWEが現世代の新たなスターを作ろうとしても、セス・ロリンズは怪我で上手い事行かず、ローマン・レインズは押し時期と押し方を間違えたせいでドンドンとヘンテコな方向に進んでしまい、ちゃんと試合出来て人気がるのはAJスタイルズやケビン・オーエンズ等の外様ばかり。
目玉にしたいのは、ジョン・シナ、トリプルH、ブロック・レスナー、ゴールドバーグ、アンダーテイカーといった流石に年齢的にきつく、しかもパートタイマーばかりという結構酷い状況で、何とかやりくりして凌げた感ばかりを感じてしまった。
WWEは往年のスターで客寄せして、試合は他団体から取って来た自前で一から育てる必要の無い有名選手でやってって、これって一気に転げ落ちたWCWみたくなってない?
今のWWEの独占的一強じゃあ、これ以上にはならないんだろうから、もう、ビンス亡き後、ステファニーやシェインやトリプルHの身内で揉めに揉めてWWE分裂位にならないと、あのかつての興奮は味わえない様な気がしてしまっている。

サドルが折れた

2017年04月15日 土曜日

夜、クロスバイクでの戻り道。
排水溝の段差の上を通ったら、「チャリン」と言う音と共に何かが落ちた音がした。
自転車本体に巻きつけてあるチェーンロックが外れて落ちた音かと思って後ろを振り返ると、道に何か黒い物が落ちている。そのまま自転車に目を落とすとサドルが無い!
「うわっ!」と慌てて、落ちたと分かったサドルを拾いに行き、サドルを確かめてみると特にサドル自体が壊れた様子が無い。
シートポストを見ると、シートポストも別に異常無し。
自転車用の電灯で照らして道を良く見てみると、何か部品が落ちている。拾うと、サドルの下の二本の鉄棒をシートポストと固定する為の二枚の固定金具だった。
その固定金具を見てみると、留める為のネジが二本、ポッキリ折れた状態だった。どうやら経年劣化で留めていたネジが折れたのでサドルが落っこちたらしい。
家で替わりになるネジ探して、ボルトで留めはしたけれど、これ用のネジとか、固定金属って自転車屋さんで売ってるんだろうか?

何より、こういう経年劣化で自転車が破壊する事もあるのかと思うと、ぞっとした。
流石にネジが折れるかどうかの判断って、どう見分けたら良いのか分かんない。

アンタッチャブル

2017年04月09日 日曜日

ブライアン・デ・パルマ監督、ケヴィン・コスナー主演の1987年のアメリカ映画「アンタッチャブル(The Untouchables)」。

1930年代のアメリカでは禁酒法が施行されていたが、密造酒や密輸酒によってギャング達が儲け、酒を買わない相手には暴力を使い買わせるという無法状態だった。
シカゴではアル・カポネが権力と金を握っていたが、そのシカゴへ新たに財務省のエリオット・ネスが派遣された。
エリオット・ネスはアル・カポネを捕まえようと仲間を集め強引に捜査を始めるが、アル・カポネ側も黙ってはいなかった。

わたしは昔にこの映画見た事あるはずだけれど、あの駅の階段の場面位しか覚えていなかったのは改めて見直すとその理由が分かった。この映画が酷くつまんないから。
まるで連続テレビドラマの良い所だけを集めて二時間に収めた様な人物や話の背景が見えて来ない、上辺をなぞっただけの様な薄っぺらさやご都合的な展開や演出で、この映画はよく名作と言われているけれど、駄作に行くか行かないかの凡作の部類だろう…と思えた。

始まりから、まあ在り来たりな展開で、新たに警察にやって来た財務省という別部門のエリオット・ネスが初めは失敗。だけれど、殺された女の子の母親の一言でやる気を出すとか、余りに捻りも何も無い展開で、その時点で一気に冷めた。
エリオット・ネスにも家族がいての共感は分かるものの、実際に自分の家族は少しだけ脅されて大して被害が無いので、話が進む程何でエリオット・ネスがそこまでアル・カポネに執着するのかがいまいち分からない。
犯罪が蔓延する新たに土地にやって来て、有名ギャングを捕まえて出世したい!という出世欲は全く見られないし、ただただエリオット・ネスが良い人というだけなの?だとしたら、相当薄っぺらい人物だけど。
それに、そもそも何で財務省の人間が現場で銃をバンバン撃って人を殺しているのかもよく分からず、この主人公であるエリオット・ネスの背景がさっぱり分からないので、見ていても全然主人公としておもしろくない。

その他の人物の背景も全く見えず、エリオット・ネスのチームの統制を取り指揮もするジム・マローンも、そもそもエリオット・ネスは何が引っ掛かってジム・マローンを優秀だと思い、どの部分でアル・カポネに対抗出来る人物だと思って自分のチームに入れようとしたのかもよく分からないし、ジム・マローンは何十年も巡査だと言っていたのに何故あれだけ対ギャングの戦い方を知っているのか?とか、何で自分の家に人がやって来ただけでショットガンを持って玄関に出るのか?とか、警察署長と過去からの付き合いがあるようで、エリオット・ネスには偉そうに正義について語るのに署長の悪事も知っていたのに何故暴露しないのか?とか、このジム・マローンという人物の背景が全然描かれず、見ていてもジム・マローンの行動には何時もハテナばかり。
このジム・マローンを演じているのがこれまで幾多の英雄を演じて来たショーン・コネリーだからという何か凄そうと思うだけで、人物としてはよく分からないまま。

アル・カポネにしてもそう。
彼が求めているのは権力欲なのか?金なのか?とか彼の行動原理は一切分からず、ただ悪役という記号だけでしか存在していない。
このアル・カポネの悪役の説得力ってショーン・コネリーと同じで、ロバート・デ・ニーロだからの迫力と演技力だけ。
ただ、このロバート・デ・ニーロを見ていると、元どーよのケンキさんじゃない方の元どーよのテルのロバート・デ・ニーロのモノマネを思い出してしまい笑ってしまった。

アンディ・ガルシア演じるジョージ・ストーンも、あれだけ仲間探しで人物紹介の場面があったにも関わらず、ほとんど活躍せず、階段落ちの場面が無ければほぼ活躍無しだった位存在感が薄い。
ジョージ・ストーンの人物設定も後でギャングとの関係性が出てきそうな感じだったのに何も無しだし、結構血気盛んで喧嘩っ早い登場だったのに、それ以降はそんな事も無く非常に冷静で静かな人物になっていたし、この人物設定もチグハグ感が一杯。

他の展開も、カナダとの国境で馬に乗っての銃撃戦とかは「シカゴのギャングモノで、何で西部劇してんの?」と思うし、この場面では簡単に人を殺してしまうマフィアが撃った銃の弾は全然当たらず、銃を持ったギャングがいる直ぐ側でギャングに背を向けて暫くボーっとしているのに撃たれない財務省の帳簿調査員が銃を撃てば常に当たるとか、ほとんどコメディの域。
四人が馬に乗って走る場面もモッチャリしていて迫力が無いし、銃撃戦もいまいちだし、非常に盛り上がらない。

完全にコメディだったのはジム・マローンの死亡場面。
あれだけマシンガンで撃たれまくっていたのに這いつくばって中々死なず、暫くしてエリオット・ネスが現れると再び息を吹き返してジタバタし始めて、でもやっぱり死んでしまうって、刀で切られても中々死なないドリフのコントみたい。
この展開って、執念で死なないジム・マローンが何とか情報を伝えて死んでしまって哀しいという本気の演出なんだよね。見た人のほとんどが「あれだけ撃たれたのに死なないんかい!」って突っ込むと思うけれど。

終盤のエリオット・ネスが仇を銃で撃とうとして思い留まったのに結局突き落としてしまうのも、あれだけ正義や法がどうのこうの言っていたのに、その振り無視かよと思ったし、その法を越えてしまった私刑に関して何も一切咎められる事も無く、その一方でアル・カポネは法で裁かれるとか、余りにチグハグ過ぎるだろ。

主軸となる展開もアル・カポネに対する攻撃が帳簿係を探すだけという展開で、しかもジム・マローンが何処からか情報を持って来るという都合の良い時間短縮展開で非常につまらないし、最後の一番盛り上がらなくてはならない法廷劇もこれまでが帳簿係を探すだけだったのでアル・カポネに対する追い詰める事の出来る証拠集めも何も無いので、非常に雑多に「はい、有罪!」で非常にしょうもない。
帳簿係達もあれだけアル・カポネに深く関わっていて、アル・カポネは家族だろうが子供だろうが関係無しに殺しまくる異常者だという事も知っているはずなのに、帳簿係が警察に捕まったら「はい、何でも喋ります」と素直に警察の言う事を聞くなんて、まあ都合しかない展開。

この登場人物達の行動や背景の薄さやご都合主義でしかない展開って、もう初めに大筋が決まっていて、そこに人物を配置して展開の駒として動かしている感じしかないし、細かい説明を省いて気持ち良いだけの展開にしただけにしか思えないのだけれど。

ブライアン・デ・パルマって結構評価が高い様だけれど、この映画を見ても演出は結構微妙。
盛り上がるはずのカナダでの騎馬戦も馬が走っている時の速さの無さったらないし、最後のエリオット・ネスが仇を追い駆けてビルから落ちた…と思ったら大丈夫でした…って、当たり前過ぎる展開で、この緊迫させないといけない場面でわざわざこんな一件入れて緊張感を削ぐ理由も分からないし、一番有名な乳母車の階段落ちにしても銃撃戦に行くまでにやたらと泣く子供のカットを入れてしつこ過ぎる位だし、乳母車が落ちて行かないといけない展開だからという理由にしても、銃撃戦が始まるとエリオット・ネスは銃撃戦に夢中で、「あ、乳母車忘れてた…」位の行動で間抜けに見えてカッコ良いのはジョージ・ストーンという演出何?だし、普通に階段下りている時は誰も乳母車にも見向きもしないのに、銃撃戦が始まると乳母車を止めようとしているのか何なのか意味も無く立ち上がって結局撃たれてしまう周囲の人の間抜けさで緊迫感が削がれるし、この場面はやたらとスローモーションを使って見ていると結構間延びするし、うっとおしい感じもあるしで、一々演出がわたしにははまらなかった。

それに役者は脇のロバート・デ・ニーロが圧倒的存在感で、「もっと、ロバート・デ・ニーロを見せろ!」だったし、ショーン・コネリーもアンディ・ガルシアもチャールズ・マーティン・スミスも濃い存在感があるので、逆にケヴィン・コスナーの存在感が薄くなってしまっていた様に思えた。
見ていると「ケヴィン・コスナーって、こんな演技下手だったっけ?」とも思えて来たし。

あと、ずっとこの映画の題名からして「アンタッチャブル」なのは誰も手出し出来ないアル・カポネの事だと思っていたけれど、原題は「The Untouchables」と複数形でエリオット・ネス達の方の事なんだな。そりゃ、こっちが主人公だもんな。
だとしたら邦題はやっぱり駄目じゃん。

この映画、連続テレビドラマの総集編なら「こんなもんか…。」と思えたのだろうけれど、一本の映画として見ると煮詰まらない話ばかりで、取って付けたご都合的に舞い込んで来る展開とか、描き切れていない登場人物の背景や行動理念や考えとかで見ていてずっとモヤモヤしたままで弾け切らず、見終わってもつまらなさばかりが残った。
ブライアン・デ・パルマとケヴィン・コスナーの映画は何作か見たけれど、どれも当たりが全然無い。

☆☆★★★

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年)

2017年04月08日 土曜日

テイ・ガーネット監督、ラナ・ターナージョン・ガーフィールド出演の1946年のアメリカ映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす(The Postman Always Rings Twice)」。
ジェームズ・M・ケインの小説「郵便配達は二度ベルを鳴らす」が原作。

風来坊のフランクは辿り着いた町外れのレストランで職にありつけた。
店の主人ニックと歳の離れた若い妻コーラの二人でレストランを営んでいたが、フランクは妻のコーラにちょっかいを出し始め、やがてコーラもフランクになびき始めた。
コーラとフランクは邪魔に思い始めたニックの殺害を計画し始める。

この映画、1946年だからか結構付いて行けない部分は多いし、映画としても結構退屈。

そもそもの部分として、何故コーラがここにいるのか?とか、何故フランクに惚れたのか?とかの描写が少ないのでサスペンスになる以前から結構付いて行けない。
コーラ役のラナ・ターナーは、2010年代の日本人のわたしから見ると綺麗なのか?そうでもないのか?がいまいち分からず、「彼女が映る場面では紗がかかる」「それ程高級ではないレストランなのに何時も綺麗な違った服を着ている」とかの記号でコーラが美人なんだなぁ…とは認識しているけれど、だったらこれまで相当モテたとコーラ自身が言っているにも関わらずレストランにはコーラ目当てのお客が一切いないし、大して金を持っていないニックと金目当てと言って結婚している意味が分からない。
フランクも演じるジョン・ガーフィールドは見た目がショーン・ペンっぽくて、ショーン・ペンって男前と言うよりも演技派・個性派俳優だと思っているけれど、そのショーン・ペンっぽいフランクが何でコーラにモテたのかがいまいち分からない。ジョン・ガーフィールドって、この当時は相当男前俳優だったの?だからコーラが惚れるのも当然なのか、ニックに飽きていたり、どうしようもないレストラン生活に飽きていたので異質なフランクに行ってしまったのかと思うけれど、そういう描写も無いし。
主人のニックも若い奥さんがいるのに、どこぞの馬の骨とも分からないフランクを何の質問も無いままあっさり雇ってしまうのも分からない。てっきり、若い奥さんとフランクが何かするのをこっそり見たいという性癖だからだと思ったらそう言う事も無いし、本当にただ人が良いだけ。奥さんの事愛しているなら、そんな不用心な事しないだろ…。

事件に発展するまでの設定や展開がそこに持って行きたいが為の都合の良さがあるけれど、その後のコーラとフランクの引っ付いたり離れたりの繰り返しも何がそこまで気を引き、逆に気持ちが引いたのかの描写が少ないので付いて行けず、これも展開の為の都合を感じてしまった。

夫殺しの展開となり、そこらへんから少し話が盛り上がるけれど、てっきり「郵便配達は二度ベルを鳴らす」という題名なので、「夫殺しは完全犯罪だったと思ったら、実は誰かが知っていて郵便物で二人を脅し始める…」みたいな展開になるのかと思いきや、急に法廷モノになって意外。
ただ、意外にこの法廷モノが結構おもしろい。
何とかコーラを有罪にしたい検事と、上手い事やって二人を救おうとする弁護士という対決になる。
この対決はおもしろけれど、良く考えるとコーラとフランクは脇役に落ちるし、急に出て来た弁護士が立ち過ぎてこの弁護士が主役になってしまうし、「何の映画だったっけ?」と思ってしまった。
この弁護士の動機も、見ているだけだと検事にぎゃふんと言わせたいだけで犯罪者を無罪放免にしているし、この弁護士が脅しに来るのかと思いきやそれも無く、ただただ検事をやり任したいだけという妙に薄っぺらい人物になっているし。弁護士出して検事との関係性を詳しく描いていないので何か分からない奴で終わってしまっているし。

それに終盤で行き成りの事故からの取って付けた様なフランクだけが勝手に納得する全部台詞だけによる「郵便配達は二度ベルを鳴らす」は白けたし、強引な展開でもキリスト教的救いなら問題無しというアメリカ映画には辟易するし、おもしろかったのは法的劇だけだったかもしれない。

この映画、1946年の映画とは言え、前半のコーラとフランクの不倫話は緩慢なのに描写が足りず、一番盛り上がった法的劇は弁護士が主役だし、最後の強引なまとめに至るのはやっぱり付いて行けず、おもしろくはなかった。
原作の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」は読んだ事ないけれど、原作の筋を所々省いてそのままなぞっただけの様に思え、原作を読んだ方がもっと納得出来る様な気がした。
それにこの映画含め、全部で四回映画化されている様なので、他の映画見た方がおもしろいと思う様な気がする。

☆☆★★★

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

2017年04月07日 金曜日

ブラッド・バード監督、J・J・エイブラムス製作、トム・クルーズ製作・主演の2011年のアメリカ映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(Mission: Impossible – Ghost Protocol)」。
映画ミッション:インポッシブルシリーズの三作目。

IMFのチームの手助けによってモスクワの刑務所から脱獄したイーサン・ハントは、チームを率いてコバルトと呼ばれている正体不明の敵を追ってクレムリンへと侵入する。
しかし、作戦の途中で謎の人物に無線通信に割り込まれて作戦は失敗し、核兵器の発射制御装置をコバルトに取られてしまう。
イーサン・ハントとチームはコバルトを追う事となる。

このシリーズって、一作目「ミッション:インポッシブル」から「スパイ大作戦」ではなかったし、二作目「ミッション:インポッシブル2」で既にトム・クルーズを見せるだけのアクション映画でしかなかったけれど、この四作目は「スパイ大作戦」の要素を少々入れたトム・クルーズ版「007」だな。
アクション映画としてはそこそこおもしろかったけれど、「スパイ大作戦」としてはやっぱり微妙だし、映画としても一杯突っ込み所がある。

一応チームとして敵を罠にはめるという「スパイ大作戦」要素はあるものの、これが全部始めは上手く行くけれど終盤で敵に気付かれたり、敵の方が先回りして先手を打たれて失敗し、結局は殴り合い、銃の撃ち合いの殺し合いで決着が付いたり、派手な爆発や砂嵐でグチャっと終わって、「スパイ大作戦」的爽快さは無い。
一番「スパイ大作戦」であり、「ミッション:インポッシブル」と銘打っているのにそこが無いので最早「ミッション:インポッシブル」である意味も無く、単に「ミッション:インポッシブル=トム・クルーズのアクション映画」でしかなくなってしまっている。

それに見ていると細かい部分で色々と気になる事ばかり。
敵となるカート・ヘンドリクスは元特殊部隊員で、元物理学教授で、核兵器を使って核戦争する事が人類の進化と平和になると考えている人物とか、設定を入れ込み過ぎて、もうグチャグチャとやり過ぎている上に、この訳の分からない狂人設定も安っぽい悪役で馬鹿みたい。こんな人物設定、2011年の映画でやってしまうか?

こんな頭のおかしいカート・ヘンドリクスは行動も頭がおかしく、常に自分で何事もしないと気が済まないらしく、クレムリンに一人で乗り込むわ、起爆コードを手に入れる時もわざわざ変装してまで自分でやって来るわで、実行部隊なのかボディガードなのかの人を雇っているのに何故か現場では自分で全部してしまい、何かあった時は簡単に計画が終了してしまうのに恐ろしいまでの凄い自信と言うよりも、そこまでは考えが至らないアホ。しかし、まあ見事にカート・ヘンドリクスの一人舞台が成功してしまう都合の良さで押し切るし。
ちなみに、カート・ヘンドリクスはクレムリンでのイーサン・ハント達の作戦をどうやって知っていたのか?とか、イーサン・ハント達があれだけ手間暇かけて潜入していたのにカート・ヘンドリクスはどうやって上手い事先回りしていて邪魔出来たのか?とか、起爆コードを手に入れる時にカート・ヘンドリクスが変装して自分で来た理由とかも一切描かれず、カート・ヘンドリクスの行動は謎と言うよりも都合の良い描かれず仕舞い。

ジェレミー・レナー演じる分析官のウィリアム・ブラントも、どう見たって筋肉付いていてガタイが良く、イーサン・ハントよりもぶ厚い体しているのに、イーサン・ハントやチームのメンバーは分析官のウィリアム・ブラントのその体を一切触れる事も無く、暫くしてウィリアム・ブラントの格闘能力が高いのを見て「お前、現場諜報員だったろう!」と突っ込む始末。
わたしでさえ、ジェレミー・レナーが出て来て分析官と言われた時に分析官が全然似合っていないのを突っ込んでしまったぞ。
しかも、このウィリアム・ブラントは登場し始めは人の顔見ただけでその人物を特定出来るという、世界中の主なテロリストや危険人物を全て暗記しているのかという超能力的な能力を見せて、あくまで記号的な凄い分析官能力を見せるのだけれど、ウィリアム・ブラントが元現場諜報員だったと分かった以降はその分析官能力を一切発揮せず、普通の現場諜報員になってしまい、分析官という設定もどっか行ってしまうぶん投げっぷり。

それに気になったのは最終盤の核兵器の扱い。
核ミサイルが打ち上がってそのまま何も無くアメリカ本土に到達してしまっているけれど、アメリカのミサイル防衛システムってこんな緩々なんだろうか?
それにカート・ヘンドリクスも目的は核戦争なのに何故かまず手始めに一発だけ核ミサイルを発射させようとしたけれど、逆に一発だけなら「何で一発?どっかのテロリストのしわざ?」とアメリカも疑う行動になるし、とにかくロシアの核ミサイルを搭載した潜水艦や施設に撃てるだけ撃てと命令出しまくれば核戦争も確実なのに何故かそれはしない。
それは核ミサイルが撃ち上がったけれどイーサン・ハントが止めるだけの為の都合だからという展開なだけ。

あと、ドバイのサーバールームが簡単に割れるガラス張りで侵入し放題だし、後半で別の施設のサーバールームの熱が凄いと言う話だったのにドバイのサーバールームは太陽光を浴びるガラス張りの部屋にあるとか、逆に後半のサーバールームの通風孔と換気扇が馬鹿でかくて、換気扇の先が何故か尖がっているとか、最後の駐車場に留めてある自動車は何故か鍵がかかっておらず簡単に乗り込んで発車させる事が出来るとか、展開を優先させた都合の良さが一杯で白けまくり。

この映画の監督ブラッド・バードって、「アイアン・ジャイアントhttp://wwws.warnerbros.co.jp/iron-giant/」とか「Mr.インクレディブル」とか「レミーのおいしいレストラン」の監督・脚本をしていて評価も高いはずなのに、初の実写映画というだけでこれだけグズグズになってしまうのは何?
製作のトム・クルーズや、わたしが現世代の壮大な張りぼて映画の大家だと思っているJ・J・エイブラムスの何だかんだの横やりでこうなったとしか思えないんだけれど、どうなんだろうか?

何より一番のこの映画の悪い部分はオープニング・クレジット。
映画本編の中からのカットをスパイ大作戦のテーマと共に見せるのは「スパイ大作戦」らしいけれど、そのスパイ大作戦のテーマが全然駄目。
余計な編曲で皆が期待している何時もの始まりの「♪テレレレレ~ジャン、ジャン、ジャンジャン、ジャン~」という気持ち良い部分が無く、ぬるっと始まってしまい肩透かし感が半端無い。その後も妙に間を伸ばしており、「これぞ『ミッション:インポッシブル』!!」という爽快さが無い。
主人公がトム・クルーズのイーサン・ハントの時点でこれじゃない感が強いけれど、今回のオープニング・クレジットのこれじゃない感も相当強い。

わたしの一番の見所だったのは、一番始めに登場した諜報員ハナウェイを演じていたジョシュ・ホロウェイ
ジョシュ・ホロウェイと言えばテレビドラマ「LOST」のソーヤー役でお馴染みで、その後が全然パッとしないでもお馴染みだけれど、そのジョシュ・ホロウェイが登場してカッコ良くアクションしたと思ったら、どう考えても若い女性が歩いていないはずの裏路地に現れた女性に気を取られて、その女性に速攻で殺されたという場面で笑ってしまった。
このカッコ付けていたのに間抜けな感じで殺されてしまった「何じゃ、そりゃ…」感と、このすぐさまの退場がテレビドラマ俳優と映画俳優の格差をまざまざと見せ付ける様な噛ませ犬的仕打ちに笑ってしまった。
「折角良い感じで登場したこのジョシュ・ホロウェイの諜報員の活躍もっと見たかったのに…」と思ったけれど、この諜報員がハイテク・コンタクトレンズで沢山の人の中から顔認識で標的を見付けるという事やっていて、「これ何処かで見た事あるな…?」と思ったら、これって正にジョシュ・ホロウェイが主演していたテレビドラマ「サイバー諜報員~インテリジェンス~」。
このドラマ「サイバー諜報員~インテリジェンス~」はおもしろくなかったけれど、この映画見てからドラマ見たら勝手にスピンオフに出来ておもしろかったかも。

そう言えば、何故かミッション:インポッシブルシリーズの全作に登場しているヴィング・レイムス演じるルーサー・スティッケルも最後に登場するのだけれど、この登場は別に要らない。
ルーサー・スティッケルが全作に登場しているという事実を作るだけの登場で、まあおまけ。

この映画、「ミッション:インポッシブル」と銘打ち、「スパイ大作戦」っぽさもあるけれど、見終われば何十年も延々と作られ続けているハリウッドのアクション映画という分類分けに納まる映画。
始めからトム・クルーズの「007」っぽいアクション映画と分かっちゃいるけれど、「ミッション:インポッシブル」ならもっと「スパイ大作戦」的爽快さを期待するのは間違いなのかなぁ?
「スパイ大作戦」的なモノを期待するなら、それこそテレビドラマ版の「スパイ大作戦」を見れば良いし、最近の「スパイ大作戦」に近い感じならテレビドラマの「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」を見れば良いか…。

☆☆★★★
 
 
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