プレデター
2026年04月08日 水曜日ジョン・マクティアナン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1987年のアメリカ映画「プレデター(Predator)」
プレデターシリーズの一作目。
ダッチ率いる特殊部隊は中央アメリカでゲリラに拉致された政府の要人救出の為に呼び出されジャングルへと出動した。
部隊はゲリラの拠点を見付けて襲撃するが、そこには捕虜の要人の姿は無く、実はゲリラの殲滅と彼らが持つ資料が目的の為に騙されて使われた事が分かった。
騙された事を怒りながらもまだゲリラに囲まれたジャングルから脱出する為に移動するが、部隊員達が次々と謎の相手に殺されて行く。
色々と検索していたらプレデターシリーズの多くが配信終了になる前だったので、では見てみようと思い一作目を見てみた。
この映画は確かまだテレビの地上波で金・土・日と夜に映画の枠があって毎週放送されていた子供の時に初めて見たはずで、その時は何も知らない状態で、知っているアーノルド・シュワルツェネッガーが出ている映画として見ていたら、ジャングルでの銃撃戦モノだったのが急に謎のモンスターに襲われるというぶっ飛んだ展開に驚いて見たはず。
今だと、もうプレデターが有名になり過ぎてしまったのでプレデター登場までの振りが長い構成の映画と思えてしまうのだろうけれど、前情報を何にも入れない状態で見ると展開がおもしろいはず。
改めて見てみるとこの展開や、きっちりとしたアクション映画としても上手く出来ていて非常におもしろかった。
始まりは要人の救出という話でジャングルに行き、その道中のヘリコプターの中の部隊員のやり取りでその人物がどういった人なのかをサラッと紹介し、そこから徐々にゲリラに近付きつつも何かの怪しさを見せ、ゲリラを圧倒的に殲滅して実はこの作戦が嘘だったというどんでん返しも見せて、ちゃんとまとめてジャングルでの銃撃物を飽きさせず見せている。
ここら辺はアーノルド・シュワルツェネッガーが1985年に映画「コマンドー」で体に迷彩柄を塗って銃をぶっ放していて、それの本格的な部隊戦の様な繋がりっぽさがあったり、この部隊はあくまで救出専門部隊で、アーノルド・シュワルツェネッガーは正義のヒーローなんだよと入れてみたりと、細かく作っている感じもある。
そこからプレデターに追われて行く話になるんだけれど、やっぱりこれがおもしろい。
それまでがあるので出来るはずの隊員達が次々と無残に殺されて行くのでどんどんと緊張感は増し、しかしただやられるだけではなく、知恵を出してプレデターを罠にかけようとしたりと、こういう圧倒的な敵が相手だと主人公側が一方的に逃げ回るだけになり勝ちなのがちゃんと攻防戦を描いているのも良い。
特に最後のアーノルド・シュワルツェネッガーとプレデターとの一騎打ちはアーノルド・シュワルツェネッガー側の準備も見せて盛り上げ、そこからお互いに仕掛けたり気付いたりのやり合いに興奮してしまう。
こういう展開やプレデターって、映画「エイリアン」やそれこそそれまでのスラッシャーホラーの亜種なんだろうけれど、舞台がジャングルで、しかも相手が結構科学技術が進んでいるけれど原始的な動物的狩りをする異星人という特殊過ぎる設定がおもしろ過ぎるし、この設定の強さったらない。
それにジャングルという広大で開けた場所なのに見ていると閉鎖的に感じ、しかも同じ場所をグルグルしている様な既視感もあったりと舞台設定でも強い。
登場人物達もそれ程説明はないのにちゃんと個性が強いのも上手い。
アーノルド・シュワルツェネッガーの体にばかり目が行くけれど、全員そもそもの見た目からして強く、更に何か喋ると個性が引き立つし。
アル・ディロン役のカール・ウェザースって映画「ロッキー」のアポロ・クリード役だった人か。
初めにミニガンを持っていたブレイン役は、WWFのカラー・コメンテーターでもお馴染みのプロレスラーだったジェシー・ベンチュラ。
後から調べて驚いたのが、眼鏡をかけていて一番初めにプレデターに殺されたリック・ホーキンス役のシェーン・ブラックって、元々脚本を書いていた人で、この映画の前に映画「リーサル・ウェポン」の脚本が採用され、「リーサル・ウェポン」のプロデューサーだったジョエル・シルバーに呼ばれて、ジョエル・シルバーがプロデューサーだったこの映画での脇役での出演となり、更にクレジット無しで脚本にも関わっていて、後のシリーズ四作目の2018年の映画「ザ・プレデター」で監督・脚本をしていた事。
三十年近く経ってから出演者が続編を作るっておもしろ凄い。
それに、この映画の監督がジョン・マクティアナンだとは全然知らなかった。
ジョン・マクティアナンは監督二作目がこの映画で、その次が「ダイ・ハード」で、その次が「レッド・オクトーバーを追え!」って凄いなぁ。
ただ、その後「ダイ・ハード3」は当たったけれどそれ以降は余りパッとせずの感じで、わたしが勝手に思っている二十世紀後半の三大モンスター「エイリアン」「ターミネーター」「プレデター」の監督では一人大御所になれなかった感じ。
三大モンスターだと、アーノルド・シュワルツェネッガーってターミネーターだし、プレデターと戦っているしで、もちろん役者として凄いのは分かっているけれど、映画史に残るSFクリーチャーやモンスターとの関わり合いでも凄い。
その三大モンスターのプレデターはやっぱり造詣が良いし、設定も抜群なのでよくある謎のモンスターが襲って来る映画から頭一つ抜けている。
あの仮面を付けている時は冷たい感じなのが、素顔になると凶悪な感じだし、遮蔽装置や肩の銃や温度で物を見るとか、SFガジェット的にもおもしろい物が沢山。
プレデターを作り出したスタン・ウィンストンってターミネーターも作り出しているし、映画「ジュラシック・パーク」でのアニマトロニクスも担当していたりと凄い人。
彼の死後に名前の付いた学校「Stan Winston School of Character Arts」が作られ、そのサイトでこの映画の舞台裏の記事があり(Celebrate The Predator: Revisiting the original PREDATOR Behind the Scenes at Stan Winston Studio)、最初のオリジナルのプレデターのデザインやスーツが載っているけれど結構在り来たりでこれだと印象は弱くて、これだと今に残る様なモンスターにはなっていなかった気がしてしまう。
この記事では聞いた事があった、プレデターの中にジャン=クロード・ヴァン・ダムが入っていたという写真も載っている。
ちなみに最初のプレデターはジャン=クロード・ヴァン・ダム用に作られたけれど動かし難くてジャングルの中では操作が難しい上に、中のジャン=クロード・ヴァン・ダムも動き辛くてジャン=クロード・ヴァン・ダムは降板して、プレデターもデザインから作り直しで結局のプレデターになっている。
そう言えば、序盤のアーノルド・シュワルツェネッガーとカール・ウェザースのやり取りで「使い捨て要員だ」と言う台詞が出て来たけれど、この使い捨ての「エクスペンダブルズ(Expendables)」と言う台詞を今聞くとニヤニヤしてしまった。
あと、ついでにと思って普段見ない吹き替え版もちょっと見てみたけれど良い。
声優の声の特徴から来る存在感が凄いし、人物にはまっているし、やっぱり皆上手い。
最近はそもそもテレビの地上波での映画放送自体が極端に少なくなってしまって日本語吹き替え版の選択肢しかない事がなくなり、結構原語から勝手に変えてしまっている事を知ってから日本語吹き替えを信用しなくなってしまったので映画は日本語字幕で台詞を少々確認しながらになってしまったけれど昔の映画の吹き替え版は懐かしさもありつつで意外と良いかもと思ってしまった。
この映画、多分この時でも有り勝ちではあったであろうモンスターモノ、スラッシャーホラーをジャングルを舞台に、当時凄い勢いと人気だったアーノルド・シュワルツェネッガーを主人公に、更に強烈なプレデターとの対決を周りの人物達もちゃんと描きながら徐々に恐怖と興奮を盛り上げて行き、まあ良く出来た映画でした。