新スタートレック シーズン1

2023年12月02日 土曜日

元々は「スタートレック:ピカード」を見ようと思い、それなら「新スタートレック」も一から見ようと思い、それなら数話しか見た事がなかった「宇宙大作戦」を見ようと思い、「宇宙大作戦」を全話見て、そこからこのクルーの映画も見ようと思ったけれど「スタートレックIV 故郷への長い道」しか配信がなかったのでその四作目を見たので「新スタートレックStar Trek: The Next Generation)」を見始めた。

わたしは確か昔にテレビの深夜放送で「新スタートレック」を見た事が切っ掛けでスタートレックにはまって見るようになったんだけれど、「新スタートレック」は最終話やその後の映画も見たのに何処から見始めたのかは全く覚えておらず、このシーズン1も多分初見の回ばかりだったので新鮮に見れたし、まだ色々と固まっていないお試し部分もあるだろう初期を見るという部分でも非常に楽しめた。

わたしにとってはお馴染みだけれど「宇宙大作戦」から新たなクルーになってより群像劇として人間ドラマとして強く押し出していてドラマとしておもしろくなっているし、やっぱりヘンテコな形の新型艦エンタープライズDに、SF感があるコンピューターのインターフェイスのLCARSとかホロデッキとかSFガジェットのワクワクするモノが沢山だし、低予算の関係で宇宙での宇宙船の場面が少なかった「宇宙大作戦」から比べると予算が多くなった「新スタートレック」では格段に色んな宇宙船が登場して映像的にも見ていて楽しかった。

「宇宙大作戦」からの「新スタートレック」なので「宇宙大作戦」との違いを出す為なのか、「宇宙大作戦」と似た様な設定の話もあるけれど「宇宙大作戦」だとカークの独断で暴走しがちな部分はジャン=リュック・ピカードは冷静に対処しようとするし、クルー同士で情報を出し合う会議をして対策を練るという場面が多いし、他種族や多文化に干渉しない前提がある中で干渉せざるを得ないのでどうしよう?という話が出てきたりと、それこそQに対して人類は進歩しているんだと言う様な理性的な行動原理に基づいた人々の話になっていて、今見ても理想を行く、理想を目指すという部分では古臭く感じなかった。

ただ、まだ1シーズン目なので後期とは結構違う事もあり、保安部長がお馴染みのウォーフではなかったり、機関部長だと思っていたジョーディ・ラ=フォージが操舵?についていたりで何の部署の人なのかよく分からなかったり、保安部長のナターシャ・ヤーって後にゲスト出演した時に見たはず位で全然知らないし、そう言えばビバリー・クラッシャーの息子ウェスリーがいたなぁと思い出したけれど、この時点ではウェスリーってレギュラーだったのかとか、ウィリアム・ライカーは若いし髭ないしで、全体的な印象が結構違った。
そのレギュラーのナターシャ・ヤーはこのシーズン1で退場してしまうので良く知らなかったのかと分かったり、レギュラーのはずでオープニング・クレジットにも名前が出ていたウェスリーは全く出て来ない回があったりと、何か色々模索していた感じも見れた。

以下各話の感想。

1話「未知への飛翔」のオープニングクレジットが出て来た時点で鳥肌が立って、何だか分からない感動で泣きそうになってしまった。
1話目だから色々と盛り込み過ぎな位盛り込んでいるけれど、ちゃんと初めの話として説明にもなっていて楽しい一話目。
エンタープライズが最新鋭艦として既にピカード艦長下で少し航行している所にウィリアム・ライカーを始めるとする新たなクルー達が赴任して来て、ちゃんと入りやすい1話目になっている。
ただ、始まりでジャン=リュック・ピカードが影の中から登場する場面は何のどうですか!演出だとか、意味も無くピカードが機関室を歩き回ったりして、一話目なので説明的に船内を見せていたのには笑ってしまったけれど。
その一話目の話は、「宇宙大作戦」から続けて見ると「宇宙大作戦」で多用されて来た「人智を超えた存在がクルー達を翻弄して来る」というお馴染みのネタなんだけれど、仕切に「人間はもう野蛮じゃない」と言わせているのって「宇宙大作戦」のカークがとにかくぶっ壊して終わりとか、攻撃的な相手にはまずぶん殴ったり、フェイザーぶっ放していたのから変わったんですよ。もう違うスタートレックなんですよと示す為だったのだろうか?
初期の「宇宙大作戦」だと訳の分からない存在をぶっ壊して終わりそうな所を、この1話目では助け出して何だか愛っぽい感じで終わらせていたし。
それに「宇宙大作戦」だと直ぐに上陸したがるカークはやたらとブリッジを空けていたけれど、この1話目ではピカードは全く船から降りずに上陸班はライカーというのも明確に差をつけているんだろうなぁ。
でも、Qは「宇宙大作戦」に度々出て来た全知全能の存在の発展版で、本当にスタートレックはこれが好きだよなぁ。
これってジーン・ロッデンベリーの趣味なんだろうか?
この優れた存在が遅れた人類を糾弾したり導いたりって今見ても古臭い題材。
Qはこの後にも何度も登場して段々とコメディリリーフと言うか、変に可愛らしい存在になって行ってくから、そこは「新スタートレック」「The Next Generation」ではあるんだろうな。
1話目は確か以前に見た様な記憶があるんだけれど、全然覚えていなかったと言うよりもほとんど見た覚えがない事ばかりだったから、もしかすると最終話とごっちゃになっているだけなんだろうか。
1話目では各登場人物達の背景や性格を説明的に見せて行くだけでも結構濃いのに、ピカードとビバリー・クラッシャーのクラッシャーの夫の死から来る微妙な関係や、ライカーとディアナ・トロイの過去に何かあったらしい関係とかも挟み込み、人物達だけでもこれ以降が楽しみに作られている。
船内の色々な仕組みとか、ホロデッキとかのSFガジェットも楽しく、初っ端からエンタープライズの船体分離までするもんだから映像的な見せ場も作ってる。
しかし、この1話目で一番の興奮場面は何と言ってもマイルズ・オブライエンの登場場面。
まだエキストラ扱いなのか設定が決まっていないみたいで赤服の制服で操舵師?で登場だったけれど、既に1話目から登場しているマイルズ・オブライエンに興奮。
この後徐々に登場して活躍し始め、「新スタートレック」の次の「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」ではメインレギュラーにまで成長する普通のおっさんマイルズ・オブライエンがわたしはスタートレックシリーズの中で一番大好きな人物なので、ここからマイルズ・オブライエンの物語が始まるという意味でも興奮。

2話「未知からの誘惑」は行き成りコメディ回で結構ずっこけた。
これも「宇宙大作戦」でよくあった、宇宙からの何らかの影響でクルー達が何時もとは違う変な行動を起こす展開なんだけれど、しかしこれってある程度登場人物達がこういう人ですよというのをしっかりと見せた後でないと何時もとは違う姿がおもしろくないのに、行き成り二話目でこれする?と大分疑問。

5話「謎の宇宙生命体」では1話から話には出て来ていたフェレンギが初登場。
フェレンギと言えば「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」のレギュラーだったクワークでお馴染みなんだけれど、「DS9」でフェレンギを掘り下げたのを見て慣れていたからこの最初期のフェレンギ人が物凄い違和感。
フェレンギ人と言えば何よりも金儲けが一番の拝金主義者の種族で、取引に関しては姑息でも卑怯でも自分が儲ける為なら何でもする銀河一の交渉人でもあるというのが刷り込まれているけれど、この時点でも商人という設定はあるものの粗暴で馬鹿で姑息という、まあフェレンギらしくない宇宙人。
どうやらジーン・ロッデンベリーは「宇宙大作戦」での惑星連邦の敵だったクリンゴンやロミュランを「新スタートレック」では再使用しないと製作前の早い段階から考えていた様で、その新たな敵種族としてフェレンギを作り出したらしい。
だからの一話目から伏線として名前を出していたりもしたけれど、このただ粗暴で馬鹿さ加減が出過ぎでヘンテコな動きをするフェレンギ人の評判が良くなかったらしくて、速攻でライバル的な位置から脱落してしまったらしい。
確かにこの回でのフェレンギ人じゃあ人気にはならないよなぁ。
だけれど「DS9」の掘り下げでフェレンギ人も魅力ある一種族にはなるから、この時点では序盤の手探り感で失敗したという事かな。
内容は「宇宙大作戦」ならカークがフェレンギ人をぶん殴ってめでたしめでたしにしそうな所を、粗暴なフェレンギ人と共同で上陸調査をするという対話と理解を進めようとする「新スタートレック」の姿勢がちゃんと入っている。
ただ、この話も「人智を超えた存在がクルー達を翻弄する」毎度の展開。
見ていて気になったのが、フェレンギ人の中の一人がクワークと似ているなぁと思って調べてみたら、正に演じていたのは後にクワークを演じる事になるアーミン・シマーマン
アーミン・シマーマンがこのフェレンギ人初登場の中の一人を演じていて、後にフェレンギ人と言えばになるクワークを演じる事になると思うと、そこで何かワクワクしてしまった。

6話「宇宙の果てから来た男」ではこれまた「宇宙大作戦」で白けてしまった「簡単に現在の技術を遥かに超えてしまう」話で、一瞬で銀河も超えて何億光年先に行ってしまうとか流石にこのワープエンジンでそこまで出ないだろうとか無理があり過ぎ。
しかも科学技術で超ワープをする訳ではなく謎の宇宙人の精神力によって超ワープしてしまうという、これまた「宇宙大作戦」で白けてしまった「考えるだけで何でも出来てしまう人智を超えた存在がクルー達を翻弄する」の発展形。
序盤で似た様な事を使い回すって何?と結構ガッカリなんだけれど、でもこの序盤で似た様な話を使い回すのも「宇宙大作戦」からの伝統か。
それに、最終的に無事に元に戻って来てウェスリー・クラッシャーが活躍して少尉代理になれたのでめでたしめでたしで終わったけれど、結局旅人の目的もはぐらかされた感じで何だかよく分からないし、結局旅人も何で消えて何処行っちゃったの?だし、あれだけ嫌な奴としてバリバリに前に出ていたコジンスキーが最終的に何を思ってどうしたのかも描かずに完全に尻すぼみで存在感が消えてしまったりと、話が適当なままで強引にめでたしめでたしにして醒めてしまったけれど、この強引にめでたしめでたしで終わらせる感じも「宇宙大作戦」っぽい。

7話「姿なき宇宙人」は敵対する種族を和平の交渉の為に移送すると言う話と、未知の生命体と遭遇しててんやわんやになると言う話を同時に見せて行き、各話自体は「宇宙大作戦」でもお馴染みだけれどそれを同時にするのは新たな試み。
ただ、どっちも最終的に何だかいまいち分からないままで終わってしまう。
それよりも見所は、一話目に次いでマイルズ・オブライエンが登場する所。
一場面だけなんだけれど黄色の制服になっていて、どうやら保安部員らしい。

8話「神からの警告」は「宇宙大作戦」の遺産みたいな回。
初めて訪れた惑星は楽園の様な穏やかさで人々も平和的なんだけれど、やたらと犯罪に厳しく、柵を越えただけでも一律死刑という世界でウェスリーが裁かれる事になる話。
全く初の星なのに何故か異星人はほぼ地球人と同じだったり、やたらと露出度の高い服だったりとかの設定も「宇宙大作戦」的だけれど、このどうしようもない状況でピカードは自分達の艦隊の誓いを守りつつも相手の法律も守りつつもウェスリーを助けようとしていて、これが「宇宙大作戦」のカークだったら「こんな世界間違ってる!」でこの社会を崩壊させてまでもクルーを助けただろうかつての結構強引で無茶苦茶だったカークに対する新世代の尻拭いみたな話になっていた。
ただ、最終的に何だか分かった様な分からない様な感じで終わって、結局艦隊の誓い的には合っているのか良くなかったのかもはっきりさせず、上の種族も納得したっぽいけれどどう思ったのかもはっきりせず、地上の人達は結局こちらの法律無視して力強くで自分達の望む様にして去って行ったじゃん!なんだけれどそれは描かずで凄いモヤモヤした感じで終わってしまった。
ピカードももっと学びたかったじゃあなくて自分達の調査不足を反省しないのかいだし。

9話「復讐のフェレンギ星人」では早くもフェレンギが再登場。
「宇宙大作戦」ではクリンゴンやロミュランが1シーズンに一回位しか出て来なかった事を考えるとフェレンギを育てようとはしてたのか。
話はピカードの過去の出来事を描きつつ題名通りの一人のフェレンギ人の復讐を描いていて、ピカードやフェレンギの深掘り話としてもおもしろかったし、エンタープライズとフェレンギマローダーとスターゲイザーの並びの宇宙船の映像的ワクワク感もあり、ここまでの中では中々おもしろかった回。
しかし、まだ儲けよりも復讐が先行してしまうフェレンギって設定が甘いよなぁ。

10話「死のゲーム」でもこちらも早くもQが再登場。
ちょっとQの置かれた事情を出して何故エンタープライズの面々にちょっかいを出して来るのかを見せてたけれど、一話目の段階からQを拡げて行こうという構想はあったんだろうか?
そう言えば、この時もまだQの指パッチンって無いんだな。

11話「夢の人」でディアナ・トロイの母親ラクサナ・トロイが初登場。
「宇宙大作戦」で気になった看護師のクリスティンを調べてみて、演じていたメイジェル・バレットがジーン・ロッデンベリーの奥さんで、「新スタートレック」でこのラクサナ・トロイも演じていたと知っていたけれど、それにしても一番出番の多かったクリスティンよりもそれ以外の役の方が強烈な印象を残すのも不思議。
このラクサナ・トロイもだし、「宇宙大作戦」のパイロット版「歪んだ楽園」での副長のナンバーワンは冷静な補佐役として役が立っていて、このクルーでのドラマが見たくなる位だったし(実際このナンバーワンとパイク船長とスポックのドラマ「Star Trek: Strange New Worlds」が2022年から始まっている位)
あと、ディアナの花婿役だった役者がどっかで見た事ある様な気がしたので調べてみたらロバート・ネッパーで、ロバート・ネッパーと言えば「プリズン・ブレイク」のティーバッグ役でお馴染みの人じゃない。
ティーバッグのあの悪役と比べても仕方無いけれど若いからか好青年過ぎ。
それから始めに出て来た喋る人の顔が付いた謎の銀色の箱のあの顔の人って後のクワーク役のアーミン・シマーマンだったのか。

13話「アンドロイドの裏切り」でデータの兄弟ロアが登場。
ロアって早い段階から出てたんだな。
序盤での各クルーの背景の掘り下げをちゃんとしているのでもあるし。
普段は吹き替え版しか見ていないのでデータが人間の言葉を話すのが不得意と言うのがいまいち分かり難かったけれど、原語の英語を見て台詞を聞いてみると、ロアは「Can’t」「isn’t」と言えるけれどデータは「cannot」「is not」と省略出来ていないとか、ロアは「Tomato」を「トメイト」と発音し「Potato」を「ポテイト」と発音出来るけれど、データは「トマト」「ポタト」と表記通りにしか発音出来ないとか分かって成程ねと思ったけれど、こういう所って吹き替え版の欠点弱点だよなぁ。
英語の表記と発音にずれがあるのでデータが表記に従って「トマト」「ポタト」と言うのは分かるのだけれど短縮形を使えないのはよく分からない所。
データって「know」とか「knight」とかも「ク」の音から発音しているのだろうか?
あと、ウォーフが毎回あんまり見せ場が無くて、今回もクリンゴンなのに弱い。
一方、最後のロアと対決するデータはウェスリーを助けようと戦っていて中々熱かった。

12話「奪われた女神達の惑星」は「宇宙大作戦」でありそうな感じ。
女性と直ぐ寝ちゃうライカーはカークっぽいし、あからさまではないけれど相手の法律や社会は間違ってると言う惑星連邦の価値観を推す感じもカークっぽいし。
カークだと相手の社会は知った事じゃないで滅茶苦茶にしそうだけれど、これでは相手も聞く耳を持っていて考える人達だった。
それよりなによりライカーとピカードのフサフサの胸毛にばかり目が行ってしまった。
よりにもよってこの回で一気に二人の胸毛を披露した意図って何?
この回で初めて「新スタートレック」でロミュランが言及されて、いよいよロミュランが出て来るのかなあと思ったし、中立地帯でロミュランの戦艦となるとロミュランウォーバードが出て来るの?と思ったらこの回ではどうなったのかは無いし、以降の回でも一切触れられないままで、どうなったのかが物凄く気になったままで結構消化不良。
これが最終話に繋がっているのかな?
でもそれだと大分間が開いているなぁ。

14話「盗まれたエンタープライズ」は話は「宇宙大作戦」でよくあった、まず先に全部話せよで問題無くなる話なんだけれど、見所は修理の為に宇宙ステーションに入って行くエンタープライズ。
特撮が良く出来ているし、ワクワク感のある映像。
エアロックに通路を付けての人の出入りの場面もあり、そういう細かい現実感のあるSFを映像で見せるのが好き。

19話「さまよえるクリンゴン戦士」でウォーフ以外のクリンゴン人が登場。
今までクルーの中で唯一のクリンゴン人で一番気になるのにほとんど掘り下げられる事もなかったし、ウォーフがクリンゴン人である事自体も触れられる事がほとんどなかった中で、やっとウォーフの背景が見えておもしろかった回でもあるし、クリンゴン人が揃うと画面が濃いので見栄えも良い。
更に吹き替え版だとウォーフの銀河万丈に、クリンゴン人二人が玄田哲章と若本規夫で声まで濃い。
話も中立地帯でロミュラン?フェレンギ?と色んな種族の名前を出しつつの推測からクリンゴンという意外性で楽しい展開だし、クリンゴンがどういった種族なのかの話になりで中々おもしろかった回。
しかし、最強の戦闘民族のはずのクリンゴン人があんまり強く見えないし、それ以上に艦隊の保安部員なのに強そうには見えないし、あっさりと死んでしまうなぁ。

22話「悲しみの星に消えたターシャ」では行き成り序盤でナターシャ・ヤーが死亡。
これがこの話に何か関わって来るのかと思いきや特に何も無く、演じていたデニーズ・クロスビーの降板しか感じさせない退場で大分白けてしまった。
こういう主要人物が話の序盤で死ぬ時って大体その後何だかんだで生き返るのがよくあるけれど、このまま特に何もないまま本当に死亡って珍しいという部分では関心したけど。
この回の話自体も流動体生命体の話は特に盛り上がりも無くつまらなかったし、こういうどうでもいい感じの回でレギュラーだったナターシャ・ヤーを終わらせるって製作陣とデニーズ・クロスビーの関係が上手く行ってなかったのかなぁ?と思ったり。
一応最後にホログラムでナターシャ・ヤーがクルー個人個人に挨拶する場面があるけれど、これは演出としては臭いししつこいしで萎え萎えだったし。

24話「恐るべき陰謀」は惑星連邦内の上層部で何やら陰謀が巡って次々と士官達が殺されているという陰謀論から始まって、結構早い段階で惑星連邦って実は危ないのでは?という話をしているのもあって結構ワクワクして見始めた。
しかし、それが謎の小さい虫の様な異星生物が寄生して頭脳を乗っ取っていたという結構しょうもない落ちになってしまい、しかも人間の頭が吹っ飛んで溶けた体から異星生物が出て来るとか妙にグロさを出して来て、まるで1980年代の安っぽいホラー映画みたいな感じで、これってスタートレックでする事?と思ってしまって尻すぼみ感が凄かった。
ただ、TNGの初期ってこんなB級ホラーもしていて、方向性がブレブレではあるけれど何か違った事をとやっていたのかとちょっと関心した。

シーズン最終話の25話「突然の訪問者」は中立地帯でロミュランが活動しているらしいというワクワクする話。
そこに20世紀に冷凍保存された地球人を発見して蘇らせ、20世紀人が24世紀に戸惑うという話も入れ込んでいるんだけれど、この20世紀人の話はほとんどロミュランとの話に関係なくて、入れ込んだ事によってどちらの話も散漫になって深く突っ込めずで、せっかく新たなスタートレックでいよいよロミュランが登場する回なのに20世紀人の話が本当に余計だった。
ロミュランとの対立もお互いの前哨基地の消滅の謎は原因がほったらかしのままで結局何だかよく分からない話で終わっているし、20世紀人の話ももっと深堀りすればおもしろくなる話だと思うのになぁ。

シーズンを続けて見てみると初めは新たなスタートレックとして一気に飛び出しておもしろく見れていたけれど、徐々に各話の掘り下げ具合の弱さ、物足りなさが目立って来て、設定や人物やSFで持ってはいるけれど話自体は結構微妙な回も出て来たり、新たなスタートレックでの主な敵として軸にするつもりだったフェレンギが当時評判が悪かったみたいで初めは物凄く前に出していたのに何時の間にか出て来なくなり、本来は新たなスタートレックなので新たな異星人を出す目的もあっての「宇宙大作戦」からのクリンゴンやロミュランを出さない予定が何時の間にか登場したりと色々暗中模索な感じはあったんだろうなぁと思ったりで、後のシリーズを見たからこれはこれで初期として興味深く見れたけれど、これが初めてでドラマとしてだと結構微妙っちゃ微妙な感じもありで、シーズン1としては爆発的ではなくてこんなモノなのかなぁ…という感じだった。
まあ、これからクリンゴンやロミュランはもっと出て来るし、ボーグやカーデシアといった新種族の広がりもあるので楽しみではあるし、何よりマイルズ・オブライエンがドンドンと立って行くのが楽しみなので、これからが本番なのかな?
 
 
関連:宇宙大作戦 シーズン123
   新スタートレック シーズン2

キングオブコント2023

2023年10月22日 日曜日

「キングオブコント」のここ何年かはネタはそれぞれで面白かったり、そうでもなかったりもするけれど、わたしが確実に全体的に笑えなくなってしまっているのが非常に良く教育調教された笑い屋の存在。
見た目的に審査員の後ろにズラッと若い女性だけが並んでいるという不気味さもあるんだけれど、何よりも何処がどうなるのか分からない各コントでここが面白い所ですよという所で揃ってキッチリと手を叩きながら笑うって、ひな壇芸人よりもその場の空気を読んで、ネタの展開を知っているかの様な行き届いた番組演出が仕込まれていて、見ていて面白そうかもと思った時にこれが入るので一気にさめてしまって笑いに乗って行けず、結構スンとなって笑えず終いという事があった。
この笑い屋の笑いが大きくて結構続くので笑い待ちしていた様な感じの人もいた気がするし、何言っているのか分かり辛い時もあったり、ここまでしてバラエティ番組として演出入れないといけないのかしらん?
この番組の作り手側って決勝に出た芸人を信用してないのかなぁ?

プライミーバル・ニューワールド(ジュラシック・ニューワールド)

2023年10月14日 土曜日

「ジュラシック・ニューワールド」という酷い邦題のせいで題名からだと一切分からないけれど原題では「Primeval New World」で、イギリスのテレビドラマ「プライミーバル」が終わった後の2012~2013年に放送されたスピンオフドラマ「プライミーバル・ニューワールド」

発明家であり、クロス・フォトニクスの社長でもあるエヴァン・クロスは六年前に偶然時空の扉(アノマリー)を見付け、そこから現れた恐竜に妻を殺されてしまった。
それからエヴァン・クロスは秘密裏に会社を使って少人数で時空の扉を探しながら研究を続けており、そこに捕食動物対策班の自然保護官ディラン・ウェアーが時空の扉の存在を知った為エヴァン・クロスのチームに加わる事になった。

元々の「プライミーバル」をAmazon プライムビデオでの配信が終わりそうだからという理由で最終シリーズ5まで見終わり、「プライミーバル」がまだおもしろく見れたのがシリーズ2位までで、製作放送していたITVの経営難で一旦はシリーズ3で打ち切りだったのがシリーズ5まで続き、そのシリーズ4・5は蛇足感一杯でわたしの中では大分尻すぼみのまま終わってしまったので、更にそのスピンオフドラマがあるのを知っても見る気が全然起こらなかったけれど、この機を逃すと二度と見る事は無いんだろうなぁと思ってしまったので続けて見てみた。

「プライミーバル」は舞台がイギリスで、「プライミーバル・ニューワールド」はカナダのバンクーバーと舞台が違うので景色や雰囲気も違い、登場人物も別人なので初めは新鮮に見れて結構楽しかった。
ただ楽しかったのは数話位までで、段々と一話一話の話が大しておもしろく感じなくなり、古代生物の対処も工場とか倉庫とか狭い場所でまごまごしている感じが多くなって楽しくなく、映像的にも地味で引きが無い感じで興味が急激に薄れてしまった。
登場人物達の関係性を「プライミーバル」よりは詳しく描いているけれど全体を通しての謎は一話目に出しておきながらもそれ以降はさっぱり出して来ず、謎で引っ張りまくっていた「プライミーバル」と比べると全体を全然引っ張りもしないので一話を見進める楽しさも無くて最後まで見切る気力が湧いて来ず、「プライミーバル」を全話見たので、そのスピンオフを見始めてしまったからの義務感ばかりで見てしまっていた。

古代生物は一話目ではアルバートサウルスやラプトルやプテラノドンが登場して見た目にも派手なアクション志向のドラマになっていたのに、二話目では巨大な蛇。
三話目は小さい虫の大群。
四話目は巨大な鳥ティタニスと急激に地味になってしまい、その後も「プライミーバル」にはあった古代生物への対処のワクワクアクションが鳴りを潜めてしまっていて、こちらが地味になったのはやっぱり「プライミーバル」よりも予算が少なかったからなのかなぁ?と思えてしまった。

全体的には結構まったりと話が進んで行くのだけれど、一話目では時空の扉の詳しい説明もないまま時空の扉から古代生物が現れたり、何かの技術でその時空の扉を探知出来ていたり、既に社長周辺では人を集めて時空の扉対策班が出来ていたりと話が早過ぎる展開。
これは「プライミーバル」を見ていれば時空の扉の設定とかを知っているのですんなり入って来るけれど、「ジュラシック・ニューワールド」という邦題に騙されて何の前知識も無く見始めた人って置いてけ堀にならないのだろうか?と思ってしまう位。
特に何の説明も無いままいて一話目以降急に出て来ない謎の男も「プライミーバル」を見ていれば「プライミーバル」で一話目から登場し、中盤以降はほぼ主人公だったコナー・テンプルなので行動も何となくは分かるけれど、このドラマでは一話目以降ずっと説明は無し。
最終話になって再びコナー・テンプルは出て来るけれど次のシーズンを見据えてコナー・テンプルの行動や説明は極端に少ないまま。
なのでコナー・テンプルに関しては行動がよく分からず、「プライミーバル」では散々時空の扉から出て来た古代生物に何とか対処し、時空の扉を一時的に通行不可能にする方法も見付けたのにそれを教えようともせずにエヴァン・クロスに対して時空の扉は危険だから放っておけと言うのに最終話では「プライミーバル」と同じく時空の扉を通行不能にする装置を使っていて、コナー・テンプルはどうしたいのか?エヴァン・クロスにどうさせたいのかはよく分からないまま。
それにこのコナー・テンプルの時空の扉は放っておけと言う行動が「プライミーバル」のシリーズ5の後の話ならまだ分かるのだけれど、それだと「プライミーバル」のシリーズ5では世界中に時空の扉が現れて古代生物があふれ出したからカナダ人達が時空の扉を知らないというのも矛盾しているし、結局この「プライミーバル・ニューワールド」が「プライミーバル」のどの時点の話なのかも分からず、コナー・テンプルもどの時点のコナー・テンプルなのかも分からないまま。
これは本来続きでやるのかもしれなかったのだろうけれど、このドラマの評判と視聴者数が悪くて打ち切られたので結局何も解決もしない。

もう一つ一話目では時空の扉から謎の人物が現れて社長を助けたという話が出て来たけれど、この謎を毎回小出しにして全体を引っ張って行くのかと思いきや、この謎を出し始めたのが結構終盤からと展開も遅く、出して来た頃にはそう言えばそういう話もあったなぁ…と思い出す位の薄さ。
この謎もコナー・テンプルの「今を生きるんだ」という台詞で丸め込んで結局何にも分からないままで終わり。

新たな要素としておもしかったのがケン・リーズ。
カナダ軍の中尉で、数十年前にカナダ軍が研究していて表向きは中止になったらしい磁気プロジェクトを引き継いで何やらしている人で、人が寄り付かない荷物だらけの部署で一人だけで宇宙人やら何やらを調査しているって、もろに「X-ファイル」のフォックス・モルダー。
このケン・リーズにかかれば政府関係や報道は抑えられるという便利屋なんだけれど、軍関係で暗躍しているというもう一つの謎の軸を出して来て、こっちも興味を持たせる様になっている。
ただ、このケン・リーズも全く出て来ない回があったり、数話進んでもこの話は全然進まなかったりと余りに間延びし過ぎでこっちも急激に興味が薄れてしまった。
この話も終盤で急に進むんだけれど、それが軍人の指導者が現在の気候変動の問題を解決する為に時空の扉を使って古代から変化させようとしているという意味不明な話で、時空の扉が出現場所も消滅する時間も特定出来ず、どの時代に繋がるのかも分からない時空の扉で過去に行って、そこの環境を変えて現在の環境を変えるとか無茶苦茶過ぎ。
エヴァン・クロスは当然反対するのだけれど、その理由が不確定要素しかない時空の扉を使う危なさではなく、過去に干渉すると現在が変わってしまうかもしれないからという理由で、これは「プライミーバル」を見ているとシリーズ1から2へのクリフハンガーで過去から戻ると何かによって現在が今までとは変わってしまい、急にアーク(ARK【Anomaly Research Centre】)という巨大な組織と施設があったり、今までの仲間の中で一人だけ存在が無くなり別人になっているとかの変化があったので過去への干渉は危険だと知っているけれど、このドラマではその過去への干渉で現在が変わったという描写が無いので何も確証が無く、エヴァン・クロスと対立する軍人がどちらもずっとかもしれない話ばかりしているのでどちらにもピンと来ないままという不味い展開に全く乗って行けなかった。
エヴァン・クロスは過去への干渉は良くないと言って常に古代生物を過去に返そうとするんだけれど、古代生物を銃で殺そうとしても必死に止めないし、恐竜が助からないからという理由で安楽死させたりもして結構いい加減。
そういう古代生物を現代で殺してしまったりしても現在が特に変わらないのでエヴァン・クロスの主張が空しく空回りしているだけにしか見えず、やっぱり脚本が中途半端と言うか足りてない。

エヴァン・クロスは時空の扉をやたらと自分達だけで対処研究したがっていたけれど、既にケン・リーズが事情を知った時点で政府や軍が関わって来るのは明らかで、エヴァン・クロスがケン・リーズや軍を排除していれば向こうも強硬手段に出るのも分かった事で、エヴァン・クロスってアンジュ・フィンチみたいな外交や経営が出来る人がいないと駄目な人だし、仲間にも秘密を作って自分の為に行動していたりと大分曲がった人なのに、ずっと正義の主人公的な扱いだったのも乗って行けなかった。

このドラマは「プライミーバル」のスピンオフと思うとどうしても「プライミーバル」と比べてしまって、「プライミーバル」にはあった毎回の古代生物の対処や時空の扉を徐々に知って行く一話一話の面白味がこれには無く、シリーズを引っ張る謎も初めに出しておいてその後は触れないという全体の構成が不味くて見続ける興味が湧かなかったし、出すだけ出した謎とか、それって何だったの?という疑問は結局打ち切りなので一切答えが無いので気にするだけ無駄で、見終わると「プライミーバル」のスピンオフだからといって別に見なくてもいいドラマの様な気がしてしまった。
 
 
関連:プライミーバル シリーズ1
   プライミーバル シリーズ2
   プライミーバル シリーズ3
   プライミーバル シリーズ4
   プライミーバル シリーズ5

プライミーバル シリーズ5

2023年09月29日 金曜日

元々は以前地上波で放送していたのを確か何話か見た事があったはずだという記憶があり、Amazon プライムビデオで配信が終わりそうだと知り、多分これを逃すともう配信はしないかもしれないと思ったので見始めた「プライミーバル(Primeval)」。
日に数話見たりもして何とか一カ月程で最後まで見終わり、内容よりも全話見終えたという方の満足感だけが先行してしまった最終シーズン5。

これまで「プライミーバル」を製作放送していたイギリスの放送局ITVが世界金融危機で倒産しかけたので製作費のかかるこの「プライミーバル」もシリーズ3で打ち切りとしたはずだったのが、ITVとUKTVの共同制作プラスBBCからの資金提供もあって更に2シリーズ13話が作られる事となり、シリーズ3から約二年後の2011年に放送されたシリーズ4が終了してから約四か月後には開始されたシリーズ5。
放送の期間を考えてもシリーズ4と5を一緒に製作したのが分かるけれど、内容もシリーズ4がシリーズ5へ向けの前振りで、シリーズ5でシリーズ4もまとめての結末になっていた。

ただ、既にシリーズ3でこれまでやって来た主人公ニック・カッターと妻のヘレン・カッターの時空の扉(アノマリー)を巡る話がほぼ終わっているのに、そこから更にシリーズを続けているのでシリーズ4から蛇足感ばかりで、その蛇足の結末となっても何とかまとめて終わらせましたとしか思わず、しかもこのドラマ全体で続けて来た、登場人物達の背景や考えをあんまり描かないのはシリーズ5でも余り変わらないので全然乗って行けないし、同じくシリーズを引っ張る謎を出しておきながら詳しい説明も無いままめでたしめでたしにしてしまい細かい部分をぶん投げて次に行ってしまうのも最後までで、どうにも最後まで脚本の雑さと言うか、適当さと言うか、不味さばかりが目立って感動の最終回!…にはならず、見出したので何とか最後まで見切った感じばかりで終わってしまった。

シリーズ4でアーク(ARK【Anomaly Research Centre】)を運営する会社の社長フィリップ・バートンが何やら怪しいと出して来て、しかしそれが中々展開せずにいたけれど、シリーズ5でもその話が大きく動き出すのも終盤になってからで、この話が引っ張り過ぎて間延びしていて興味は引かないまま。
その終盤では、今までは時空の扉は危険なので対処して何とか検知して閉じようとしていたアークの面々が、時空の扉は自然現象でどうしようもないから放っておけ。時空の扉を制御しようとするフィリップ・バートンの機械は未来を壊すから起動させるな!になり、一方のフィリップ・バートンはその機械で世界中に現れた時空の扉を消すんだ!と急に正悪の構造が逆転してしまい、話が何だかグッチャリし出して見ているこちらは置いてけ堀。
マット・アンダーソンの主張だと世界中に時空の扉が現れて古代生物が次々に現在の人達を襲う大災害になっていても時空の扉を閉じたり制御したりする事によって未来が滅亡するので、もう時空の扉を受け入れるしかない…ってなって来て、突然今までの全てを否定する様な展開にする脚本って駄目じゃないの?

しかも、同じドラマとして前の出来事も入れないといけないと思ったのか、フィリップ・バートンとヘレン・カッターに繋がりがあると言い出すのだけれど、やっぱり結局二人はどういう関係だったのかを詳しく描かないので何だかよく分からない関係性でぶん投げ、フィリップ・バートンという人物がグッチャリしてしまっていた。
まだフィリップ・バートンは世界のエネルギー問題をあの機械で解決出来ると信じての行動だったらそういう人で分からなくもなかったけれど、そこにヘレン・カッターが絡んで来るとフィリップ・バートンがそそのかされて操られただけ?になってフィリップ・バートンという人物が急激に弱くなったし、やっぱりヘレン・カッターは悪い奴だ!にしておきながらもその後ヘレン・カッターに対する話は無いので取って付けた感ばかり。
ヘレン・カッターも他の生物にとって人間は害悪だから過去に戻って人間の祖先を絶滅させようとしていたのに、あの機械だと人間だけでなく全生物が絶滅しているんだから矛盾しまくりで、最後だからって強引にヘレン・カッターを絡ませてしまった悪手にしか思えなかった。

それに今までもずっと時空の扉は謎の存在として登場し続けたにも関わらず、ドラマの中ではこの時空の扉って一体何なんだ?どうして急に発生したんだ?みたいな時空の扉の原因を究明したり説明を求めようとする素振りを見せず、見ている方としては一番気になる時空の扉のそもそもを描かない事が物凄く気になっていたのだけれど、このシリーズ5の終盤ではマット・アンダーソンが「時空の扉は自然現象」と言っており、こんな短い台詞で自然現象で片付けたって事なの?
流石にぶん投げ過ぎじゃない?
シリーズ5で、これまでは危険なので何とか閉じようとして来た時空の扉を間近で見続けて来たコナー・テンプルが自ら時空の扉を作り出してしまったという展開を見せたから、これはコナー・テンプルが時空の扉を自由に作り出してしまったのが原因で、それに反応して各時代に時空の扉が現れ始め、だからやたらと現在のイギリスに繋がり始めたという時間を扱ったSFのタイムパラドックス的な時間が前後する原因になっていて、しかもこれまでの時空の扉を制御しようとしていたのが皮肉にも現れて来た時空の扉の原因になっていたという話にするんだとてっきり思っていたのにその予想は全然違っていて、時空の扉は何だかよく分からない自然現象で終わらせてしまって非常にしょうもないままだった。

マット・アンダーソン自体も未来から来たと言う台詞だけで未来での暮らしの回顧場面とか説明が無いし、そもそも何時どうやって現在に来て現在ではどの位過ごしているのか?とかの話も一切無いし、どうやってアークに潜り込めているのか?父親と一緒に来た理由は?とか背景を一切描かないし、未来に関してもあの機械が起動したらこうなるので未来がどうなったとかの説明も一切無く、人物として物凄い雑で色々勿体無い。

シリーズ4の引っ張りの謎だった19世紀から来た人々の話も、終盤でエミリー・マーチャントが現在にやって来てチームのメンバーになるんだれどマット・アンダーソンとの関係でもう一展開あるとかも無く、この最終盤で新加入メンバーを入れる意味がさっぱり分からなかったし、もう一人の19世紀人だと思われていたイーサンもこのシリーズでその後が何か描かれるのかと思ったら時空の扉の向こうに消えた後の話が一切無く、兄のダニー・クイン含めぶん投げてしまって結局よく分からない話で終わってしまっているし。

チームのリーダーがコロコロ変わってしまうので、もうほぼ主役だと思っていたシリーズ1からのコナー・テンプルとアビー・メイトランドはシリーズ4では関係性の描きが薄く、シリーズ5でやっと少しは描いていたけれどそれでも薄く、シリーズ1・2の事思うとシリーズ5が他の内容詰め込み過ぎて、ただでさえ薄かった人物描写が足りずに二人の話はこんな感じで終わりかと思うと残念。
もっとすれ違いがあっても良かったと思うし、これまで散々お互いに気はあるけれどそれを表には出さずに同居している話をやって来たのに、シリーズ4・5では二人の同居場面は無かったし、そこら辺りのいざこざも無く素っ気無い。
何より、これまで降板せずにずっと「プライミーバル」を引っ張って来たはずのコナー・テンプル役のアンドリュー・リー・ポッツはこのシリーズ5でもオープニング・クレジットやエンド・クレジットで名前が一番に出て来ないって何だかなぁ…。

このドラマでおもしろかったのがイギリス英語。
映画や海外ドラマはほとんどアメリカモノばかりなのでイギリスモノを見るのって「ドクター・フー」以来?だと思うけれど、イギリス英語が聞き慣れないのでおもしろかった。
イギリス英語の発音で有名な「can」だと、これは人によるのか、地方の方言的な発音によるのか分からないけれど、人によって「キャン」「カン」「コン」と色々と違う感じで発音していたり、コナー・テンプルとアビー・メイトランドの同居話の時には住んでいる所を「Flat」って言っていて、アメリカだと「Apartment」の日本で言うアパートが「フラット」って言うんだとか、「What?」がアメリカだと「ワッ?」に近い発音が「ウォ?」と言う発音だったり、この「ウォ?」も関係する最後の「t」が落ちるのが顕著で、アビー・メイトランドはマット・アンダーソンの事を呼ぶ時は「マ!」と一文字だけで、これって日本だと一言で人を呼ぶなんて笑かしにかかっている感じになるけれどイギリスだと全然普通なんだろうか?とか、イギリスモノは原語で字幕で見た方がおもしろいと改めて思った。

「プライミーバル」の最後になるシリーズ5ではこれまでとは少し違う事もしてみようと思ったのか、潜水艦の中とか、19世紀に行くとか、アーク内で虫が大量発生して追い詰められる等新たな事もして、毛色が違う分だけ結構おもしろいとは思ったのだけれど、如何せん謎を色々出しておいて詳しい説明も無くぶん投げて次に行くという何時もの悪癖が最後まで続くので、やっぱり役者の契約を厳しく締まってシリーズ3の最後までニック・カッターとヘレン・カッターの時空の扉を巡る争いで行って終わらせておけばなぁ…と強く思ってしまったし、ニック・カッターが途中で退場してもシリーズ3で上手い事終わらせる事も出来たんじゃないの?と思うとシリーズ4・5は蛇足な「続プライミーバル」だったように思えたし、もっと登場人物も掘れたと思ったので終始物足りなさと雑さを感じて乗れなかったドラマだったかなぁ。
 
 
関連:プライミーバル シリーズ1
   プライミーバル シリーズ2
   プライミーバル シリーズ3
   プライミーバル シリーズ4
   プライミーバル・ニューワールド(ジュラシック・ニューワールド)

プライミーバル シリーズ4

2023年09月25日 月曜日

シリーズ3は主要俳優の連続降板でこれまでの軸が無くなってしまい、その軸が無い中何とか最後まで行ったけれどここから更に話を続けるのも中々きついよなぁ…と言う内容の問題ではなく、製作放送していたイギリスの放送局ITVが世界金融危機で倒産しかけたので製作費のかかるこの「プライミーバル(Primeval)」もシリーズ3で打ち切りとしたはずだったのが、ITVとUKTVの共同制作プラスBBCからの資金提供もあって更に2シリーズ13話が作られる事となり、シリーズ3から約二年後の2011年に放送されたシリーズ4。

シリーズ3でほぼこれまでの話に片が付いた事もあり、間が空いてのシリーズ4なので、そのままこれまでの続きなはずなのに一旦終了したドラマが数年後に続編として開始されたスピンオフドラマ感が強くて、最早「プライミーバル2」みたいになっている。
これまでの流れとは違って心機一転…なら良かったけれど、これまで「プライミーバル」で大きな軸となっていた主人公ニック・カッターと妻のヘレン・カッターが関わる時空の扉(アノマリー)の話がニック・カッターもヘレン・カッターもおらず、一番の黒幕だったヘレン・カッターがいなくなってしまったので話の蛇足感が凄く、新たに出して来たシリーズを通しての軸となる謎が引きが弱い上に展開がゆっくり過ぎで、しかも毎回の古代生物の対処も勢いが無くて全体の失速感が凄い。

一話目でシリーズ3の最終話で古代に置き去りになったコナー・テンプルとアビー・メイトランドが戻って来るけれど、シリーズ3でチームのリーダーにしらっとなっていたダニー・クインは行方不明のまま。
これはダニー・クインを演じていたジェイソン・フレミングがシリーズ4に参加しなかったからだけなんだろうと思ってしまうと興が覚めたし、シリーズ3の一話目からレギュラーだったサラ・ペイジもシリーズ4では一話目に死んだっぽい話だけで済まされてそれ以降は全く触れられもしないという扱いの酷さで、「プライミーバル」って役者の投降板に振り回されてしまっていた感じ。

コナー・テンプルとアビー・メイトランドが一年間行方不明の間にアーク(ARK【Anomaly Research Centre】)は何故か民間運営になり、施設も別で、メンバーもずっと運営していたジェームズ・レスターはそのままで、シリーズ3からのレギュラーだったヒラリー・ベッカーだけが残り、後の人は新顔ばかりで顔触れでもやっぱり別ドラマ感一杯。
このドラマお馴染みの登場人物の背景や気持ち等を深堀しないので、チームのリーダーのマット・アンダーソンはずっとこの人は何で、何を思って行動しているのだろう?と分かりにくく、シリーズ3からレギュラーのヒラリー・ベッカーも特に詳しく描かれないまま。
コナー・テンプルとアビー・メイトランドも一年も恐竜のいる古代で生き抜いて来たのにアークにすんなりと復帰し、古代での辛さやトラウマ的なモノは全然無いし、これまでずっとやって来た二人が同居しているけれど微妙な距離感の関係性も一年二人っきりだったからくっついたのでもういいでしょ!な感じでほとんど詳しく描かず仕舞い。

政府としてはより情報統制したいはずなのにアークを民間に渡すとか、一番時空の扉(アノマリー)に詳しい戻って来たコナー・テンプルとアビー・メイトランドは今の規則では雇う資格がないからという理由でアークから追い出そうとしたりと、コナー・テンプルとアビー・メイトランドがいない時間が長くて元に戻るのは難しいという展開をしたのは分かるけれど情報を外に駄々洩れさせたいの?と思える馬鹿さ加減で序盤から興味の持てない脚本。

シリーズを通しての引っ張りの謎も、アークを運営している企業の社長フィリップ・バートンは良い人みたいだけれど怪しいというのを何度も見せるけれどそれ以上発展しないし、マット・アンダーソンも誰かに関わっていて謎の意図があるのでは?で引っ張るけれど最終話まで発展しなかったし、19世紀から来たエミリー・マーチャントも何かあるのでは?で散々引っ張っておきながら時空の扉関係で特に何かの発展も見せず19世紀に帰還するし、一番怪しい19世紀からエミリー・マーチャントと一緒に来たイーサンという人物が時空の扉の謎に関わっているのでは?で引っ張って来たにも関わらず、最終話で実はダニー・クインの弟で助けに来てくれなかったダニー・クインへの復讐をする為だったと言ういまいち訳の分からないで時空の扉へ消えるし、全部の謎は引っ張った割に全体的に間延びしていたしグッダグダに終わってしまって大分酷かった。

フィリップ・バートンの話は多分初めからシリーズ4・5の13話で続けての製作で初めから2シリーズに渡っての謎を出す計画だったから引っ張りまくってしまった結果展開が間延びしてシリーズ4では何も解決しなくなっているのかと思った。

エミリー・マーチャントはあれだけ重要人物っぽく出しておいて時空の扉の謎とは特に関係なく、特に何をする事もなく帰って行ったのはエミリー・マーチャントで何がしたかったのだろう?
マット・アンダーソンとの薄くしかなかった関係を描く為?

イーサンも最終話で何かよく分からない内にダニー・クインが戻って来て、そのダニー・クインと関係させる為の実は弟だった…にしたのかしらん?
ダニー・クインを演じたジェイソン・フレミングがシリーズ全部には出演出来なかったけれど都合をつけて一話だけ出られる様になったので、じゃあこことこことをくっつけますか的な唐突な展開に感じたんだけれど、この正体ならイーサンと19世紀をくっ付けた意図もいまいち分からず、逆にゴチャゴチャしただけに思ってしまった。
最後もイーサンは本当に兄への復讐でもそれで行動がすんなりとは府には落ちないし、何だか訳の分からない理由で古代に行くし、ダニー・クインも弟を追っかけてお終いというのも何だかなぁ…だし、このイーサン周りってグチャグチャしただけだった。

六話目でシリーズ1からのレギュラーでシリーズ3の途中の退場だった元クローディア・ブラウンのジェニファー・ルイスが再登場したけれど、本当に今は幸せに暮らしていますという顔見世だけで終わり、この登場が何にもならなかったのもしょっぱかった。
このドラマを毎週一話で二年越しのシリーズ4の終盤での再登場を見たなら懐かしさがあって良い回なんだろうけれど、配信終了間近で一日に二三話を連続して見ていると懐かしさなど無いので結構どうでもいい回になってしまった。

このシリーズ4で一番オッ!と思ったのが、このシリーズからオープニング・クレジットで各役の俳優の名前は出るけれど顔が出なくなっていたけれど一話目でアレクサンダー・シディグの名前が出て来た事で降板が続くドラマで新たなレギュラーでアレクサンダー・シディグが出るんだとちょっと喜んでしまった。
アレクサンダー・シディグと言えば「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」でのドクター・ジュリアン・ベシア役でお馴染みで、それから十数年経って見たら結構おじさんになっていたなぁ。
「DS9」のシーズン1の時が28歳で、このドラマでは46歳で白髪髭だと老けを感じた。

シリーズ3でこれまでの話は大方決着が付いているので話は蛇足ばかりに感じてしまったし、謎の引っ張りの展開もおもしろくなく遅いし、毎回の古代生物対処もいまいちで完全に惰性的に見てしまっている。
シリーズ3で大団円にしておけば良かったのに…と思うけれど、次シリーズで上手い事幕を引けるのかだけを気にして、この配信終了で次は何処でも配信しない可能性もあるので、そこの部分で最終シリーズを見てみようと思う。
 
 
関連:プライミーバル シリーズ1
   プライミーバル シリーズ2
   プライミーバル シリーズ3
   プライミーバル シリーズ5
   プライミーバル・ニューワールド(ジュラシック・ニューワールド)