スター・トレック BEYOND

2021年12月20日 月曜日

ジャスティン・リン監督、クリス・パイン主演の2016年のアメリカ映画「スター・トレック BEYOND(Star Trek Beyond)」
テレビシリーズ等とは違う歴史を歩むケルヴィン・タイムラインでのシリーズ三作目。

エンタープライズ号が五年の深宇宙探査に就いてから三年が過ぎていた。
エンタープライズ号は宇宙基地ヨークタウンに立ち寄ると、ヨークタウンに一隻の身元不明船が助けを求めて来た。
船に乗っていた異星人は乗っていた船がアルタミット星に墜落したので仲間を助けて欲しいと言って来たのでエンタープライズ号はアルタミット星へ向けて発進。
アルタミット星に着く前に無数の小型船が攻撃を仕掛けて来て謎の敵がエンタープライズ号に乗り込んで来た。
敵の目的はエンタープライズ号に保管されていた古い兵器でジェームズ・T・カークが兵器を取り戻しはしたが、敵の攻撃によりエンタープライズは大破。
脱出したクルーも敵に捕まり、敵から逃れたジェームズ・T・カークを含む一部のクルー達がアルタミット星で捕虜となったクルーを助け出そうとする。

わたしはテレビドラマの「宇宙大作戦」は何話だけかを見た位で、その後の「新スタートレック」や「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」「スタートレック:ヴォイジャー」はほぼ全話見て育ったので、題名に「スター・トレック」と付けば、どうしてもスタートレックらしいSFのアイデアストーリーとか、異星人との交流や外交とか、人間ドラマを期待して見るのに、この映画シリーズはそれらが抜け落ちてスタートレックの用語や設定を使っているだけの別物感が強くって、全然刺さって来ない。
この映画を見るにあたって一作目と二作目を見直してから見てみたけれど、やっぱり一作目も二作目も刺さらなかったし、この三作目も全然おもしろくないと言うか、つまらなかった。

そもそもスタートレックが好きでもなく全てをぶち壊してスターウォーズに行ってしまったJ・J・エイブラムスが監督ではないので期待はあり、初めの時点では展開的に結構期待が持てた。
交渉失敗。
巨大な宇宙ステーションが登場。
未知の領域への救出任務と、やっとシリーズ三作目にしてスターをトレックするのかとワクワク感があったのに、それ以降がまあつまらない。

行き成りエンタープライズ号が大破してしまって、えっ?
意外性を狙ったのだろうけれど、まだ三作目で一番大事なエンタープライズをぶっ壊すって何なのだろう?
そのためこの映画ではエンタープライズの活躍がほぼないままで終わってしまい、まあ物足りない。
しかも、あっさり大破し、最後にはあっさり再建されるというお手軽さ。
テレビドラマで慣れてしまうとハリウッド映画での重要な機械や装備をあっさり壊したり、重要人物を死なすという手軽な展開には辟易してしまう。
それに、円盤部分だけ切り離して惑星に不時着するというのも、既に旧映画シリーズの七作目で「新スタートレック」の映画一作目の「スタートレック ジェネレーションズ」でやってるので使い回し感が凄いし。
「スタートレック ジェネレーションズ」は「新スタートレック」で170話以上で見て来たエンタープライズ Dが大破するので衝撃的ではあるのに、この映画ではもう壊すの?になってしまった。

その後は惑星上で中々前に進まない話をグダグダやって飽きてしまい、やっと宇宙に出たと思ったら、敵の無数の船に地球の古い音楽を流したら全部爆発とか意味不明な解決方法で敵を全滅させて、まあ白けた。

特に一番引っかかったのは、敵のボスは実は昔の惑星連邦の士官でした…って、二作目の「スター・トレック イントゥ・ダークネス」とほぼ同じじゃん。
「イントゥ・ダークネス」でも偉い提督が黒幕で、今回も過去の英雄が敵だったとか、何故同じ事を何度もやるの?
しかも、「イントゥ・ダークネス」でも敵だったカーンは過去から復活して惑星連邦に復讐だったのに、今回も過去に死んだと思われた士官が生きていて惑星連邦に復讐って、これも同じじゃん。
一作目も未来から来て何十年も待って惑星連邦に復讐って、このシリーズは何故似た様な事ばかり見せたがるのだろう…。

それに、今回の映画ではやたら「仲間」を何度も言っていたけれど、これが結局何かに帰着する様な話でもなく、エンタープライズのクルーが危機を乗り越えてより仲良くなりましたというだけだし。
この「仲間」にしたってエンタープライズが大破してトンデモない数のクルーが死んでいるはずなのに、そのクルーに対する同情や仲間感は一切無く、何が「艦長誕生日おめでとう!」なのか。
仲間であるはずの大勢のクルーの追悼はどうした?という部分には一切触れない。
テレビドラマ以上にその他クルーへの扱いが酷過ぎる。
そう言えば、「イントゥ・ダークネス」で仲間になったはずのキャロル・マーカスは名前さえ出て来ず仕舞いで、このシリーズでの「仲間」や「家族」って物凄く薄っぺらい感じがしてしまう。

このシリーズは今までとは違う新たなシリーズというは分かるけれど馴染みの宇宙種族が出て来ないものいまいち。
ロミュラン人は一作目での並行世界の労働者だけだし、クリンゴンは二作目にほんの少しだけの登場で、この時代は敵なのでそもそも会わないにしろ、それにしても地球人やヴァルカン人と共に惑星連邦を設立したアンドリア人やテラライト人を全然見かけず、見た事もない種族ばかりなのでスタートレック感が無い。

あと、クリス・パインも歳を取ったからか、それとも髪型なのか、ウィリアム・シャトナーのジェームズ・T・カークとは全く似てなくて、むしろ「スタートレック:エンタープライズ」のジョナサン・アーチャーに似ている気がしてしまった。
今回のジェームズ・T・カークが青い服だったからもあるのかしらん。

この映画、シリーズ三作目としても、単作の映画としてもつまらなかった。
何故このシリーズは直ぐにエンタープライズをぶっ壊したがるのか?とか、何故シリーズ全部で同じ様な事を何度も繰り返しやっているのか?とも思うし、結局ジェームズ・T・カークが暴れればめでたしめでたしな、ただのアクション映画になっていて、わざわざスタートレックでやる必要あった?と疑問ばかり。
この映画で良い部分としては、J・J・エイブラムスが監督ではなくなったので、あのレンズフレアが無くなって非常に見やすくなっている所かな?

★★★★★
 
 
関連:スター・トレック(2009年)
   スター・トレック イントゥ・ダークネス

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