スタートレック ファーストコンタクト

2026年02月14日 土曜日

ジョナサン・フレイクス監督、ロナルド・D・ムーアブラノン・ブラーガ脚本、パトリック・スチュワート主演の1996年のアメリカ映画「スタートレック ファーストコンタクトStar Trek: First Contact)」
スタートレックシリーズの映画としては八作目ではあるけれど、六作目までの映画はテレビドラマ「宇宙大作戦(TOS)」のその後を描いていたのに対し、七作目からは「宇宙大作戦」から百年弱未来を舞台にしたテレビドラマ「新スタートレック(TNG)」のその後を描いている映画二作目。

惑星連邦の宇宙艦隊を壊滅寸前までに追い込んだボーグが再び地球を目指して侵攻して来た。
ジャン=リュック・ピカードが艦長を務めるU.S.S.エンタープライズEが指揮を執って宇宙艦隊はボーグ・キューブを破壊するが中からボーグ・スフィアが飛び出して地球を目指した。
ボーグ・スフィアが時間移動を行い、追い掛けたエンタープライズも時間を移動するとボーグ・スフィアは過去の地球の地表めがけて攻撃を行っており、エンタープライズはボーグ・スフィアを撃墜。
ボーグの目的が何だったのかを探ると、タイムスリップした時は地球人初のワープ飛行を行う前の日で、そのワープ飛行を行うゼフラム・コクレーンを狙って地球の歴史を変えてしまう為の攻撃だった事が分かった。
エンタープライズの面々はゼフラム・コクレーンにワープ航行を成功してもらう為に自分達が何者かを打ち明けて援助を行うが、ボーグ・スフィアが破壊される前にボーグがエンタープライズに乗り込んでおり乗組員達を同化し始めていた。

この映画もYoutubeで「宇宙大作戦」の映画が無料で公開しているという情報を見つけ、一作目から順番に見始めて六作を見終わり、「新スタートレック」の方の映画四作も公開されていたので「スタートレック ジェネレーションズ」に続けて見た。

この映画も公開時に見に行ったはずで大体の展開は覚えていて、ボーグとゼフラム・コクレーンの話だとは覚えていたけれど細かい所までは覚えていなかったので結構楽しめた。

始まりからピカードの夢でボーグを出して「これまでのピカードとボーグの関係は…」の説明場面があって今回はボーグだとしっかりと振って、そこから一気にウルフ359再びのボーグ・キューブ対宇宙艦隊の艦隊戦をやって来るので非常に盛り上がるし、映画的な見栄えを狙っていて掴んで来る。
その後もエンタープライズ内でのボーグの同化が進む話とか、エンタープライズの外側でのボーグとの攻防とかもありつつ、「新スタートレック」っぽい人間ドラマの部分もありつつで、如何にもな映画版な感じで楽しめた。

ただ、ずっと引っ掛かって見てしまったのがタイムトラベル。
元々特に「宇宙大作戦」は安易にタイムトラベルしがちだった事からスタートレックシリーズでのタイムトラベルモノが余り好きじゃないというのがあって、今回も進んだ謎のボーグ技術で行き成りタイムトラベルしてしまってとにかく一気に過去の話になるし、エンタープライズも最後は何だかよく分からないけれど簡単に元居た時代に帰れるしで、脚本の設定の為のお手軽タイムトラベルがどうにも好きにはなれず。
なんでもこの映画の企画の初めの頃からタイムトラベルモノは決まっていたそうで、そこに映画的に派手な敵としてボーグを持って来たのでこういう話になったそう。

そのボーグがよく分からず、「新スタートレック」ではQのせいで出会ってしまったボーグが同化の為に地球まで追い掛けて来たのは分かる理由だったのが今回はボーグの侵攻の理由は説明も無く、惑星連邦がボーグにとって脅威になったので再び地球までやって来て惑星連邦を同化・破壊しようとした?っぽいけれど、問題無く同化出来ると思っていたら再びボーグ・キューブが破壊されてしまったので緊急回避として過去に逃げ込んだ?っぽくもあるし、そうだったら何故ボーグ・クイーンが乗っていたのか?だし、それとも初めから過去に行く予定で攻めて来たのだったらデルタ宇宙域で過去に行ってから地球に行けば何の抵抗も無いのに?と思うしで、ボーグに初めの企画のタイムトラベルを合わせたからこうなりましたの様な脚本で結構しょっぱく感じてしまった。

エンタープライズで同化を始めたボーグとの攻防はおもしろかったけれど、エンタープライズEはこの映画が初登場なので中がどんな風なのかがまだよく分からないのに直ぐにボーグ化されてしまうので見慣れない艦がボーグの景色になっても同化の恐怖感がいまいち出て来なかった。
エンタープライズEは初めに登場した時には外観をじっくり見せる感じでもなく、直ぐに船が沢山出て来て見分け難い艦隊戦になってしまうのでエンタープライズEが見慣れる前に話が進んでしまうし、最後の方ではエンタープライズE初登場回で行き成り自爆すると言う話になって来て展開が早過ぎてエンタープライズEが全然馴染めず。
「新スタートレック」のテレビドラマの毎週の一話一話の速さの流れで見てしまうからというのもあるんだろうけれど、「スタートレック ジェネレーションズ」でのエンタープライズDの破壊が新シリーズ一話目とすると、その後にエンタープライズEが大々的に登場して何話かあってからのこのボーグとの戦いなら分かるのに、初登場回でこの展開は話を省き過ぎで、急にシーズン・ファイナルの二時間前後編を見てしまった感じがしてしまった。

展開の早さだと、この映画で登場したブリッジ士官のホーク中尉も少し役が立つ目立つ役で良くて、「新スタートレック」だと何話か登場して定着するか、何時の間にか出て来なくなるかの様な人物かと思ったら結局レッドシャツだったしなぁ。

ボーグ・クイーンって「スタートレック:ヴォイジャー」の印象が強かったけれど、後から調べて初登場ってこの映画だと知った。
そのボーグ・クイーンの登場を改めて見て思ったのは、ボーグは個人が存在せず皆が同列で存在しているからの強さや恐怖があって良かったのに、ボーグ・クイーンのという支配者、指示役が存在するとなると普通の組織と変わらなくなって折角のボーグの特徴を殺してしまうんじゃないの?と疑問に思ってしまった。
実際最後にボーグ・クイーンが破壊されかけると他のボーグも勝手に破壊されてしまっていたし、分かりやすい敵のボスとして登場させたのは分かるけれどボーグ・クイーンの登場でボーグが強さも存在も急に弱くなってしまった気がした。

「ヴォイジャー」で言えば、緊急用医療ホログラムのドクターが登場して声優も同じ中博史だったので「おー!!」となったけれど、確かこの映画公開時ってテレビの地上波ではまだ「ヴォイジャー」が放送されていなかったと思うので、このドクターを見ても何とも思わなかったはず。

他にもレジナルド・バークレーが登場したりしていたけれど、ウォーフはこの映画公開時には「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」が放送中で「DS9」のレギュラーだったので、この映画ではゲスト扱いになるんだろうか?
ウォーフはDS9にいるのでエンタープライズには乗っていないけれど、そこにボーグが攻めて来たのでU.S.S.ディファイアントでやって来ていた所をエンタープライズEに助けてもらってそのまま乗り込むという展開で何とか元レギュラーとして目立つ活躍になっていたのは上手かった。

一方、それ以外のレギュラー陣の存在が薄く、ウィリアム・ライカーはジョナサン・フレイクスが監督をしていたからか出番は少ないのは分かるけれど、ジョーディ・ラ=フォージは特に説明も無くバイザーから機械義眼になっていて、それもサーマル映像を見た位の活躍で終わってエンジニアとしての活躍も無いし、ビバリー・クラッシャーディアナ・トロイは本当に存在感が薄かった。
ディアナ・トロイは出番や見せ場が少ないからなのか、ゼフラム・コクレーンと酒を飲んで酔っ払っているというコメディ場面があったけれど、ここの場面だけ結構浮いていて、滑り気味。
ここの場面っているの?と思ってしまった。

「スタートレック ジェネレーションズ」からピカードとデータの話に軸を決めたのか、今回もピカードとデータ中心回。
データはより人間性を追求していたり、前回は自分でエモーショナルチップを切れなかったけれど今回は自由に自分で切れていたり。
ピカードは前回の映画でカークに出会ったからなのか、カークっぽさが出てしまっていて、艦はライカーに任せてまず自分が地球に行ったり、先陣切ってボーグと戦ったり、映画でのクリンゴンに対する憎しみを隠さないカーク並にボーグに対する復讐心で怒鳴り散らすし、謎にピカードの筋肉を見せつけるアクション場面ありで、「新スタートレック」のピカードとは違い映画的な派手な演出を取った感じが余り好きではなかった。

ゼフラム・コクレーンも、これまでのスタートレックシリーズで描かれて来た偉人のゼフラム・コクレーンではなくて、未来の人間が持ち上げ過ぎているけれどそんなんじゃないよのゼフラム・コクレーンが良かったけれど、じゃあ逃げ出したり、もう褒め称えるのはやめてくれだったのが腹を括って宇宙船を飛ばすと決めた心境の変化が分からずだった脚本の甘さがどうなの?とも思ったし。

それにまたもやの、これまでのドラマで登場した役とは別役で同じ役者に重要な役をやらせる「新スタートレック」あるあるなのがジェームズ・クロムウェルも。
「新スタートレック」のシーズン3の11話「恐怖の人間兵器」でジェームズ・クロムウェルはその星の総理大臣役で出演していて、先にこの映画を見ていてからこの回を見たのでジェームズ・クロムウェルが登場したら「あ、ゼフラム・コクレーンじゃん」と思ってしまった。
多分ジェームズ・クロムウェルは1990年代初め位まではテレビドラマに色々と出ている脇役の役者だったのでの「新スタートレック」の中の一話のゲスト出演だったのが、1995年の映画「ベイブ」で一気に評価されてアカデミー助演男優賞まで取ってからのこの映画だからの重要な役になったのかなぁと思う。
更に、このゼフラム・コクレーンって結構な歳だけれど「宇宙大作戦」のシーズン2の9話「華麗なる変身」に登場していて、多分そっちの設定から生まれたのが2030年代らしく、そうなるとこの映画の過去が2063年なので、このゼフラム・コクレーンって三十代!?もしくは二十代かもしれないの!?って、あり得なさ過ぎる。
映画の話題性の配役としてジェームズ・クロムウェルが決まったのかもしれないけれど色々と設定無視し過ぎかなと思うし、こっちのゼフラム・コクレーンの設定は特に活かしてないのか。

そう言えば、この映画にしてやっとテレビドラマのメインタイトルを使っていて、この音楽が流れた事で見終わった感があったし嬉しくもなった。

この映画、映画だから各一作勝負ではあるのでボーグとの艦隊戦や艦内戦にタイムトラベルと分かりやすい見せ場を入れておもしろくはなっているけれど、エンタープライズEの初登場回にしては行き成り感が多かったりする説明を省き過ぎな脚本だったりで、話の方は後から思い返すとそんなにでも無い様な…とちょっと思ってしまいました。

☆☆☆★★
 
 
関連:宇宙大作戦 シーズン123
   映画スタートレックIIIIIIIVVVI
   新スタートレック シーズン12345
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   スタートレック 叛乱
   スター・トレック ネメシス

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