キングコング対ゴジラ
2022年05月07日 土曜日本多猪四郎監督、円谷英二特撮監督、高島忠夫主演の1962年の日本映画「キングコング対ゴジラ」
ゴジラシリーズ三作目。
視聴率の落ちたテレビ番組のテコ入れとしてソロモン諸島で目覚めたと言われる巨大なる魔神の取材に局員を送り込んだ。
その島ではキングコングが現れるが島民が用意した汁を飲んでキングコングは眠りに落ちた。
局員達はその島からキングコングを縛り付けて日本へと運び出した。
一方北極では光る氷山が発見され、その中からゴジラが現れた。
ゴジラは日本へと移動し上陸。
眠りから覚めたキングコングも日本へと上陸した。
Amazon プライムビデオでゴジラ映画が終わりそうで、まだ見ていない映画を見ようと思い二作目の「ゴジラの逆襲」を見たので続けてこの三作目も見てみた。
三作目で行き成りキングコングと戦うゴジラという一大対決を持って来たので少しは楽しみに見たけれど、人間の話はつまらないし、二大怪獣の対決としても物足りなかった。
一作目の「ゴジラ」が神や戦争や水爆や自然災害の象徴としてのゴジラとそれに立ち向かう人間を描いた良く出来た映画だったのが、二作目の「ゴジラの逆襲」もそこを少し受け継ぎつつも二大怪獣対決モノにして、それを更に進めたのがこの三作目なんだけれど、「ゴジラの逆襲」と同じく人間部分がどうでもいい話をダラダラとやって、まあ退屈。
所々でゴジラやキングコングも出て来るけれど本の少々なので、この人間話を引っ張るだけの力は無くて、本格的な対決までの一時間位は集中力が続かなかった。
ゴジラ対キングコングの対決が始まっても「ゴジラの逆襲」よりもしょっぱくて、完全に子供向け娯楽映画に振ったのだろうなぁ…でゴジラとキングコングが戦うという部分以外では見所はそんなに無い。
ゴジラの着ぐるみは顔がカエルみたいであんまりカッコ良くはないけれど造形は良く出来ているのに一方のキングコングが非常に安っぽい見た目。
キングコングの動きは完全に中に人が入っている動きになってしまっていて、ゴジラの怪獣感と比べるとキングコングの動きが浮いていた。
この映画で気になった所と言えば、この映画が続編なのか違うのかの曖昧な所。
「ゴジラの逆襲」の続編っぽいけれど「ゴジラの逆襲」でゴジラが氷に埋められたのは北海道の島だったのがこの映画では北極になっていて、だけれど氷漬けから復活という部分では繋がっていたり、一作目の「ゴジラ」で科学者芹沢大助を演じていた平田昭彦がこの映画ではゴジラに詳しい重沢博士を演じていて変な繋がりを感じるけれど、パラレルワールド的なリブートをして新規の映画になっている様な感じでもあったりするのがモヤモヤした。
この時代だからかシリーズだけれど続編は色んな事情で前作とは関係無くしてしまった、しないといけなかったのだろうか？
あと、ゴジラが日本にやって来るのが帰巣本能って言っていたけれどゴジラって日本生まれだったっけ？と思ったり、キングコングがどっかに帰ったので一安心は分かるけれど、ゴジラが熱海の近海に沈んで見当たらないだけで一安心は不用心過ぎとか気になったけれど、一番気になったのは主人公の高島忠夫がテレビマンなのに全然カメラを回さない事。
南の島では全くカメラを回しておらず、何の為に取材に行ったのか分からないし、日本でもゴジラやキングコングが行動した後にカメラを回しだしていて、今までよくやって来れたなと思う無能さを発揮。
当時テレビが普及して来た事に合わせての主人公がテレビマンなんだろうけれど本当に時代の話題性だけだし、他の製薬会社とか妹と恋人との要素とかも放り込んだだけでそれら全てが何か上手い事活かされていないというお座なりさが中々しょっぱい。
この映画、当時はゴジラが久々に復活してアメリカのキングコングと戦うという話題性は抜群ではあったろうし、それでの大ヒットにはなったのだけれど、今真正面から見ると流石に色々ときつく、ゴジラとキングコングが戦ったという歴史を確認するという部分で見るしかなかったかな。
☆★★★★
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