続・少林寺三十六房
2026年08月25日 火曜日ラウ・カーリョン監督、リュー・チャーフィー主演の1980年の香港映画「続・少林寺三十六房(少林搭棚大師【少林寺三十六房續集】Return to the 36th Chamber)」。
僧侶に化けて怪しい薬を売ったり、お布施を集めて回る様な生活をしていたチェンチェ。
彼の兄が働いている染物工場では工場主が満州人を雇って従業員達を厳しく監視し、賃金を下げた。
それに反発した兄や従業員達を鎮める為に暴力を使って暴行した事にチェンチェは腹を立て、少林寺のサンダ和尚に化けて染物工場に乗り込み、従業員達の賃金を元に戻す様に説得しに行った。
初めは染物工場の人々に拳法の達人サンダ和尚だと信じさせていたが、クンフーが出来ない事がばれてしまい返り討ちにあってしまう。
兄や従業員達を救いたいと思ったチェンチェは拳法を習う為に少林寺に忍び込もうとする。
何度目かの昔の香港映画に興味が湧いた時期が来たので幾つか古い香港映画を見ていて、リュー・チャーフィーの映画を見たので、以前一作目の「少林寺三十六房」は見たけれど改めて見直してから見た続編。
一作目ではリューからサンダとなった主人公が終盤に急に町の人々を集めて仲間にして戦い、最後はサンダが作った新たな少林寺三十六房でその仲間達が修行を始めた所で終わったので、その続編となれば修行を終えた仲間達を引き連れたサンダが活躍したり、もしくは仲間を主役にした話になるのかと思って期待して見たら全然違った。
確かに少林寺三十六房の話だし、構成も初めは少林寺に行って修行する理由から、中盤は修行。最後に習った拳法を使った復讐と一作目と同じ様な流れなんだけれども、勝手な邦題「続・少林寺三十六房」や原題にも「少林寺三十六房續集」と付いてはいるのに一作目からの完全な続編でもなく、あくまで少林寺三十六房を扱った別の話。
一作目とは全く関係無い町の人が工場主から酷い目に合っているので、それを解決する為に主人公が少林寺に行くという話で、一作目とは無関係。
一作目が清による支配が厳しくなった中で清の役人に対する抵抗で少林寺に行った事を思うと、この続編は導入が非常にこじんまりしてしまっていて、見ていても余り盛り上がらないので乗りが悪かった。
修行も一作目は大分弾けた無茶苦茶な修行ばかりで笑ってしまったけれど、それに比べるとこちらも修行はこじんまりしていて、修行での盛り上がりも大分落ちてしまっていた。
一作目は真正面から修行しているのを見せていたけれど、この続編では主人公は少林寺に何とか紛れ込んだ立場なので正式な修行がさせてもらえず、ずっと足場組みをさせられて、それが修行になっていたという、ちょっと捻った展開なので、やり過ぎな修行を各種取り揃えて見せていた一作目に比べるとどうしても弱かった。
ただ、逆に終盤の復讐の戦いはこちらの方がおもしろく、一作目はあれだけ色んな修行をしたのにその技を余り見せなかったけれど、この続編では敵の棒を上手く操って敵の手足を竹の紐で結び付けて身動き出来ないようにしたり、足場の悪い所でも主人公は自由に動けたりとずっと足場組みをしていた修行の成果が役だった事をはっきりと出していて、こちらの方が見せ方としては良かった。
竹紐で次々と縛って行くのはおもしろい発明の功夫。
でも、主人公はほとんど拳法の修行はしておらず、人との実戦的な訓練もしていなかったのに、敵の拳を受けたり、自ら拳法を上手く繰り出せたのはどうなの?とは思ったけれど。
おもしろかったのはリュー・チャーフィーの主人公の役柄で、これまで見たリュー・チャーフィーの映画ではリュー・チャーフィーは真面目な役ばかりだったので、この映画の道化的な感じの役が新鮮だった。
こういう悪ふざける役も中々良い。
リュー・チャーフィーは一作目とは別人を演じているので当然サンダ和尚は別の人が演じていたけれど、わたしはてっきりサンダ和尚もリュー・チャーフィーが演じ、だからちゃんと続編になっていたり、サンダ和尚と主人公がそっくりなので目をかけて気にしたという事になるのかのと思っていた。
結局サンダ和尚は上手い事紛れ込んだ主人公にちょっと興味を引かれて目をかけたという理由だった様で、その主人公のズルした立場に周りの修行者が何も言わないは色々と省いた感じはした。
一作目を見ていなくても分かる内容ではあるけれどサンダ和尚や少林寺三十六房についての説明がほとんど無いので、一作目を見ていないとここら辺が分からないのは結構不親切かと思った。
この映画、続編なのに一作目の話とはほぼ関係が無く、リュー・チャーフィーが少林寺に行って房で修行する所と、全体の構成が大体同じ事位しか似ておらず、しかも一作目の方が話も修行も派手でおもしろかった分、二作目になって全体的に萎んでしまった感が強くなり、リュー・チャーフィーの人間的な役柄と最後の竹紐拳が見所位だったかなぁと思った映画でした。
☆☆★★★
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