ゴジラ対メカゴジラ

2022年05月17日 火曜日

福田純監督・脚本、大門正明主演の1974年の日本映画「ゴジラ対メカゴジラ
ゴジラシリーズ十四作目。

沖縄の工事現場で発見された洞窟から古代の遺跡を見付けた技師の清水敬介は首里大学の考古学者金城冴子と共に発見されたシーサーの置物の調査を行なうと謎の人物が現れてシーサーの置物を奪われかけた。
調査を進めると沖縄の伝説では「大いなる怪獣が現れた時に二匹の怪獣が現れて人々を救う」と言われている事が分かった。
そこにゴジラが現れれて町を破壊し始めたが、もう一匹のゴジラが現れた。

Amazon プライムビデオでゴジラ映画の配信が終わりそうだったので、まだ見ていない映画を見てみようと思い、前作に続けてこの映画も見てみた。

ゴジラ映画ではキングギドラと並ぶ代表的な敵怪獣のメカゴジラの初登場なのに、無理に色んな要素入れ込んで訳の分からない酷い話になってしまっている。
沖縄の古代人の伝説の話から始まったので「今回はこういう伝奇路線なのか…」と思って見ていたけれど、「あれ?確か『ゴジラ対メカゴジラ』だよね?」と思った所からごった煮のヘンテコな映画だと気付いた。
初めに現れたゴジラが実はメカゴジラだったのだけれど、何故メカゴジラをゴジラに偽装する必要があったのかはよく分からず。
そのメカゴジラは偽装ゴジラの時はやたらと人間の様な滑らかな動きをしているのに、皮が剥がれてメカゴジラの正体になるとロボの硬い動きになる。
本当のゴジラは突然町中の冷凍倉庫の建物から現れる。
メカゴジラを使っているのは大宇宙ブラックホール第三惑星人という馬鹿な名前の宇宙人。
この大宇宙ブラックホール第三惑星人は見た目は日本人だし、流ちょうに日本語を喋っているけれど、主人公は一見で「宇宙人だな!」と分かってしまう。
大宇宙ブラックホール第三惑星人の司令官は宇宙人だけれど葉巻を吸って、ブランデーグラスの謎の液体を飲んでいる。
大宇宙ブラックホール第三惑星人の本当の姿はまるで「猿の惑星」
大宇宙ブラックホール第三惑星人は外に出て地球人に紛れ込む訳でもないのに日本人に偽装している。
大宇宙ブラックホール第三惑星人は見た目も日本人だし、基地の設備もほぼ地球人が使っている様なボタンやスイッチの機械ばかりだから、この大宇宙ブラックホール第三惑星人って宇宙人と言っているけれど実は地球人の日本人で、何かの為に宇宙人に偽装しているのかと思ったけれど本当に宇宙人らしい。
大宇宙ブラックホール第三惑星人は結局何故地球を侵略しようとしていのかは不明だし、何故沖縄に基地を作ったのかとかも分からないし、地球人の誰も知らなかったキングシーサーやシーサーの置物の事を何故全て知っていたのかも説明は無いし、メカゴジラは何でわざわざゴジラに似せる必要があったのかも謎とどこもかしかも謎だらけ。
大宇宙ブラックホール第三惑星人はメカゴジラ一体と少人数の大宇宙ブラックホール第三惑星人だけで地球を征服出来ると思っていたし、メカゴジラが壊れたら部下に修理させずに大宇宙ブラックホール第三惑星人の技術を全く知らないけれど天才というだけで地球人の科学者に直させたり、捕らえた地球人を蒸気や熱で蒸し殺そうとしたりと、大宇宙ブラックホール第三惑星人は馬鹿なのか何なのか分からない。

キングシーサーも、シーサーの置物は太陽と蜃気楼の太陽の光を吸収して目の部分から山を崩す程の強力なビームを出す超科学兵器だったり、全編に渡ってあれだけキングシーサーの事を振りに振っていたにも関わらず、キングシーサーが復活してメカゴジラと戦ったら善戦するのは初めだけで結構あっさりやられてしまい、そこからゴジラが登場するのでゴジラばかりが活躍してキングシーサーの見せ場は無くなってキングシーサーがいる必要も無くなってしまう台無しさ。
ゴジラは雷を受けて背中から発火出来る様になり、更に金属を引き付ける能力まで身に着けて、しかもゴジラはその能力を始めて使うのに完全に理解していて、もう滅茶苦茶。

人間達の方は、「話的に必要ある?」と思う特に活躍の無いのに存在している人が多いし、主人公は単なる建築技師なのに拳銃を持っているし、急にインターポール捜査官が出て来て何が原因で大宇宙ブラックホール第三惑星人を追っていたのか分からないままで大宇宙ブラックホール第三惑星人ではなくシーサーの置物を持った建築技師と考古学者に付きまとっているし、大宇宙ブラックホール第三惑星人の基地から皆を助け出して逃げ出したらインターポールの応援も呼ばず三人だけでまた基地に戻って壊滅させようとするし、キングシーサーの眠りを覚ます為に浜辺で歌い出した安豆味王朝の末裔の娘は沖縄民謡っぽい歌ではなくムード歌謡を歌うし、何じゃこりゃ?な事ばかり。

この映画、メカゴジラと宇宙人なのにSF感が無いのはキングシーサーの伝奇感があるからで、そのSF感と伝奇感が見事にぶつかり合ってどちらもの良い所を消し合い、脚本は色んな要素を入れ過ぎて突っ込み所ばかりのヘンテコなモノになってしまって、メカゴジラを見るだけの映画かも。

☆★★★★
 
 
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