怪獣総進撃
2022年05月12日 木曜日本多猪四郎監督・脚本、久保明主演の1968年の日本映画「怪獣総進撃https://godzilla.store/shop/e/e109/」
ゴジラシリーズ九作目。
二十世紀末。
人類は月に月面基地を作っており、国連科学委員会は小笠原諸島にゴジラを始めとする怪獣達を集めた怪獣ランドを作って研究していた。
ある時怪獣ランドの施設にガスが充満して怪獣達は怪獣ランドから逃げ出し世界各地を襲い始めた。
調査を始めた国連科学委員会は月面基地からムーンライトSY-3を呼び戻し、その隊員達は怪獣ランドに赴くと研究員達に導かれてキラアク星人と出会う。
キラアク星人達は地球への定住の為に怪獣達を操って破壊活動を行ったと言い、更なる怪獣による攻撃の脅迫を行って来た。
Amazon プライムビデオでゴジラ映画の配信が終わりそうだったので、まだ見ていない映画を見てみようと思い、前作に続けてこの映画も見てみた。
題名の「怪獣総進撃」はそう言えばそうなんだけれど、内容はほぼキラアク星人による地球侵略に対抗する国連科学委員会の人々の地球侵略モノで、地球侵略モノとしてはまあまあおもしろかったけれど怪獣映画の「怪獣総進撃」としては大分微妙だった。
地球侵略モノとしては、ほとんどムーンライトSY-3の人だけが活動している状態で、世界的組織の国連が余りに小規模で、その他の国連の人々や部隊の対応力の無さとか、キラアク星人のまず見た目のしょっぱさとか、毎回他の映画では怪獣達は出会っただけで直ぐに喧嘩を始めているのに小笠原諸島では狭い島内で喧嘩する事無く管理出来ていたり、怪獣を島に連れて来れているのだからその技術を使えば怪獣達を制御出来るんじゃないの?と思ってしまったりとか、最終的に自由になった怪獣達は本能で悪い敵を感じて攻撃し出すとかの都合の良さとか、まあ緩々ばかりではあるけれど当時のSF映画としてそれなりに見てはいられた。
ただ本来見せるべきの怪獣達に関しては序盤で世界中を破壊しまくるのを見せたのは少しだけ。
最後にいよいよ地球怪獣軍団対宇宙怪獣のキングギドラの見せ場とはなるけれど、残り二十分になってから始まって十分程で終わってしまう。
流石にこれでは物足りない。
怪獣の中では主人公のはずのゴジラはキングギドラに対して放射熱線はほとんど吐かずに首を何度も何度も踏みつけて口から血を吐かせる結構酷い事して、それでも出番は少なく、むしろアンギラスの方が活躍して目立っていた。
ラドン、モスラ、バラゴン、マンダ、クモンガも登場するけれど戦いにはほぼ参加せず、ゴジラ、アンギラス、ゴロザウルスばかりが戦っていた。
流石にこれで「怪獣総進撃」と言われるとちょっと詐欺っぽい。
そう言えば、前作の「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」で初登場したミニラが出てはいたけれど既に空気っぽいのがちょっと笑ってしまった。
あと、おもしろく見れたのはこの映画の当時1968年の二十世紀末感。
今見てしまうとコンピューターや機械や服装や髪型等々全く1990年代後半には見えず、1960年代そのもの。
月に行けてしまうのに1960年代的な機器ばかりでローテク感が凄い。
町並みとかも当時の人からするとこれはこれで近未来感ってあったのかもしれないけれど、今だとさっぱり分からない。
ただ、ムーンライトSY-3は今見てもSF感があって結構カッコいい。
垂直離着陸は当時のSF感ではそうなんだろうし、今見ると超技術ではあってムーンライトSY-3の存在感があるのに、その外見から内部に移って乗組員達の宇宙服を見てしまうと「う、うん…」とはなってしまった。
役者陣はお馴染みのゴジラシリーズに出演している俳優が多かったけれど、久保明は「怪獣大戦争」の脇役から「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」の準主役になってのこの映画での主役か。
あと、土屋嘉男はやっぱり癖のある役だった。
この映画、地球侵略モノならまあまあおもしろかったけれど「怪獣総進撃」としては物足りず。
地球侵略モノだけだと物足りないので怪獣を大集合させてぶち込んどけ感を感じてしまった。
☆☆★★★
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