南太平洋の若大将
2014年12月27日 土曜日古沢憲吾監督、加山雄三主演の1967年の映画「南太平洋の若大将」。
若大将シリーズ10作目。
今回の若大将は水産大学の大学生に変更。将来は鯨取りを目指す田沼雄一は柔道部。青大将は若大将とは別のレスリング部。澄子さんはスチュワーデス。若大将は勘当された訳ではなく、ハワイで知り合った日本料理店の主人にすき焼きの作り方を教えに行く為にハワイへ。そこで日本料理店の娘と仲良くして、澄子さんがヤキモキするという何時もの展開。
今回は何故か展開が物凄く早い。始まって15分位でハワイで絡まれている澄子さんを喧嘩して助け、日本に帰って来て偶然澄子さんと出会う。しかも、すでに加山雄三のPVの様な歌を三曲歌ってしまう。
一方でハワイに行くのは中盤以降で、ハワイやタヒチの観光案内的映像は終盤になってからという変な構成。若大将と澄子さんの恋愛物語が盛り上がり始めた所で海をボートで渡ったり、スキューバダイビング始めるので、物凄い散漫に思えてしまう。
今回もやっぱり若大将と澄子さんの恋愛話が主軸なんだけれど、今回は何時もよりもそれが薄い。若大将の方はハワイの日本料理店の娘とばっかりで、全然澄子さんとの関係が出て来ず、ほぼ澄子さんが追いかけ回している。この恋愛劇は単にシリーズの恒例だからになってしまっていて、どちらの好きも嫌いも理由が弱いまま。
毎回毎回澄子さんは若大将の当て付けの為だけに青大将を引っ張り回すけれど、今回は珍しくはっきりと手紙で青大将を振っている。前までの酷い女からは抜け出している。だからか、毎度必ずあった澄子さんへの強姦未遂が無くなって、非常に普通な女性になってしまっていてあんまり面白味がなくなってしまった。でも、今回の星由里子の髪型は物凄く可愛い。
今回左卜全がハワイで日本料理店を開く日系人役で出ているのだけれど、同じくシリーズでハワイが舞台になった「ハワイの若大将」でも同じ様にハワイでレストラン開く日系人役で出ていて、微妙な繋がりがあったりする。その繋がりがあるので、並行世界的な続編だけれど続編でもないシリーズに頭がクラクラして来る。
前田美波里も前作「レッツゴー!若大将」から登場しているけれど、今回は若大将が試し聴きでレコードプレイヤーをかけたら突然踊り出す役で笑ってしまった。やっぱり、前田美波里は踊り要員なんだ…と思ったら、終盤で何故か一人で踊って歌っている。しかも短い場面だけで、何で歌って踊る場面作ったのだろうか?
毎回無理矢理の様に若大将の部活の勝負試合が最後に入るけれど、その試合会場は人が全然入ってなくてスカスカしている事が多かったのに、今回の最後日本武道館での撮影では観客席に人一杯で、物凄く人手とお金をかけている。でも、今までのシリーズ見ていると「今回だけ、何で?」と、急な製作費の増大が不思議だし、しているのは柔道でも派手な投げ技が一切無く、最後は寝技でゴロゴロしているだけなので、画面は非常に地味。
もうシリーズ十作目で、毎回ほぼ同じ様な展開で飽きてしまい、今回は「ハワイの若大将」ですでにしたハワイでの撮影、今まで以上に跳ねない恋愛話、コメディが弱い青大将等々、何時も以上に薄い感じ。
☆☆★★★
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