レッツゴー!若大将
2014年12月26日 金曜日岩内克己監督、加山雄三主演の1967年の映画「レッツゴー!若大将」。
若大将シリーズ九作目。
今回の若大将はサッカー部。田沼雄一は全日本選抜メンバーに選ばれ香港へ。そこで出会ったレストランオーナーのお嬢さんと良い感じになり、田沼雄一を追って来た仁科澄子の嫉妬の嵐。
シリーズも長くなり、ほぼ毎回同じ展開だったのが飽きられて来たのか、徐々に違う展開になって来ている。
毎回田沼雄一は青大将を庇って父親から勘当されていたけれど、今回はそれは無く、青大将が父親に勘当され田沼雄一の家に転がり込んで来る。ただ、その事は最終的にどうなったのかも分からず有耶無耶。
実家のすき焼き屋田能久は毎回古臭いと言う理由で流行らず、潰れかけていたのに、今回は新店舗を出し、そこの店長として田沼雄一を宛がう。ただし、新店舗の前の店でギター弾いたからという理由で開店日にすぐさま店長くび。
一番の違いは、澄子さんが積極的。序盤から田沼雄一がモテモテで女性が彼を巡って掴み合いの喧嘩している所に参戦。何時もなら澄子さんが出掛けた所に、偶然田沼雄一がやって来る展開だったのに、今回は田沼雄一が香港に行った後、嫌いな上司の誘いを受けても香港まで追いかけて行く。更に、香港で田沼雄一がいちゃつくのを見て嫌いな上司と「結婚する!」と言い出し、完全に当てつけ。その上司を田沼雄一が追い払った後でも青大将を誘うという当て付けばかり。恋愛の比重を重くしたのは分かるけれど、見ている限りは澄子さんは何か嫌な奴にしか思えない。毎回田沼雄一が優柔不断で澄子さんに攻めないのはあるけれど、今回は早い段階で「好きだ」と言っているのにも関わらず、その後グダグダやっているのはつまんない所ではある。
それにこの直前の若大将シリーズが、ほぼ「加山雄三ショー」だった「歌う若大将」だったからなのか、やたらと加山雄三が歌う場面が多いのも特徴。自動車に乗りながらビートルズ風の歌。香港の浜辺で、何故かハワイアン。日本の中華料理でバンド演奏と、見ていても何のこっちゃ?な加山雄三の歌をねじ込んだ感ばかり。しかも、今まで香港にいたと思ったら急にキラキラしたスタジオセットで歌い出したり、サッカーの練習終わりに、これまたサッカーグラウンドのセットでギター弾き語りと、もう映画の流れとは関係無く加山雄三ショーをねじ込むねじ込む。やっぱり、このシリーズは一作の映画として作っているよりは、加山雄三のカッコ良い所だけを見せればいいんだなと。
そして、香港とマカオを舞台にしているので、ほぼ観光案内のカットが多過ぎ。これって今見ると、思い浮かべる香港とマカオとは全然違い、少し開発された東南アジアの田舎町感が凄い。確かに東京でも全然都会には見えないけれど、50年の歳月って大きい。でも、この観光案内カットって安っぽい。
田沼雄一は毎回モテ、毎回澄子さんと結局はくっ付くのは同じなんだけれど、今回は珍しく澄子さんの当て付けに落ち込んでしまう。徐々に大人向けにしているんだろうけれど、この時点で加山雄三は30歳だからなぁ…。この大学生で分かりやすい恋模様なんてキツイよなぁ…。
青大将の田中邦衛は35歳で、見た目的にも全然大学生には見えないけれど、もうコメディアンがしっくり来過ぎで田中邦衛の弾けっぷりが楽しい。今でも演技が変な人だから、コメディの方が全然しっくり来る。
星由里子は変わらず可愛いけれど、シリーズ序盤から比べるとちょっとおばさん化している感じ。まだ24歳なのに。
それに、前田美波里が初登場。今でも前田美波里が出て来ると踊って歌うんじゃないか…?という偏見だけれど、この映画でもやっぱり踊っていた。
このシリーズ毎回張り切っている田沼雄一のおばあちゃん役飯田蝶子だけれど、今回はシリーズ一の衝撃場面を生み出した。チャイナ服での登場。それだけでも強烈なのに、更にその姿見て青大将が良い感じ風に反応しているのだから強烈過ぎる。
もうシリーズも九作目で、ほぼ同じ事の繰り返しなのでちょっと違う事をやり始めてはいるけれど、まあ何時もと同じ。結構ガラガラな最後のサッカーの試合会場を見ていると、もう限界?と思えるのに、これ以降も引き続き同じ事の繰り返しが行なわれるのだから、よく分からない…。
☆☆★★★
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