バイオハザードIII

2022年02月28日 月曜日

ラッセル・マルケイ監督、ポール・W・S・アンダーソン製作・脚本、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の2007年のアメリカ・イギリス・ドイツ映画「バイオハザードIII(Resident Evil: Extinction)」
シリーズ三作目。
ゲームの「バイオハザード」が原作。

アンブレラが作り出したT-ウィルスの感染拡大は止められず、世界は崩壊し、自然までを破壊して砂漠化が進んでいた。
一人で行動していたアリスだったが無線を聞いてクレア・レッドフィールドが率いる一団と合流。
アリスが見つけたアラスカが安全な場所という情報を頼って皆でアラスカに向かおうとするが、T-ウィルスの制御の為にアリスの遺伝子を必要としているアンブレラのアイザックス博士によってアリスは監視されており、アイザックス博士は強化改造した感染者を送り込んだ。

このシリーズを「1」「2」と続けてこの三作目も見てみたけれど、今まではゲームの「バイオハザード」の要素が大きかったのに今回はゲームとはほぼ関係無い上に話は特に無く、アクションもそれ程でおもしろくはなかった。

始まりで「1」と同じ謎の洋館でアリスが目が覚ます所を見せたので期待が高まったけれど、それ以降は話はおもしろくなく、この始まりがワクワクの頂点だったかもしれない。
これまで、「1」でアンブレラの研究所。
「2」でラクーンシティをやって、ゲームの映画化感はあったけれど、今回は広大な砂漠を移動するという「マッドマックス」要素の強い映画になって最早ゲームの「バイオハザード」感はなくなってしまった。
確かにこれまでと似た感じだとシリーズ的に飽きが来るから一気に砂漠にしたのだろうけれど、砂漠とバイオハザードモノの相性って良いとは思えず、砂漠で感染者に襲われるって見ていても余りおもしろくなく、砂漠にする必要性ってあったのかしらん?
一気に世界が砂漠化する都合の良さったらないけれど、これってセットが安くつくという理由で砂漠だったのだろうか?

話は特に何も描かれない人々がバタバタと感染者に殺され、個性があって役が立ちそうな人物が役が立つ前にあっさりと殺されて行くだけなので話に乗って行けず、結局ミラ・ジョヴォヴィッチが暴れているだけの印象になってしまっている。
クレア・レッドフィールドとか、Kマートとか、もっと見せ場や活躍しそうな感じだったのに描きが少ないので役が立たないままで終わってしまったし。
「2」から続投のカルロス・オリヴェイラやL.Jは「2」で生き残った人だと気付くまで結構時間がかかったのは、それだけ「2」での印象が薄かったという事なのかなぁ?

「2」からの続きだけれど、何故かジル・バレンタインや博士の娘のアンジェラ・アシュフォードがおらず、彼女達がどうなったのかは一切触れられずで、各映画の最後に思わせ振りに続編に繋がるだろう振りを入れているのにその続編ではほったらかしと言うのは最早このシリーズの伝統になってしまっている。

この映画で一番萎えるのがアリスがテレキネシスなのか超能力を使えてしまう事。
超能力まで出して来ると物凄く白けてしまった。
バイオハザードモノに加えて無敵の格闘家アリスでも満足出来なかったのか。
しかも「2」の最後にアリスの超能力らしき力の振りを入れておきながらこの映画一本ではその超能力の話は何も進まないと言うやり口にも萎えたし。

それと、アンブレラの人々って、こんな状況でもまだ余裕をかまして常に上から目線ってやっぱり馬鹿。

この映画、三作目で方向転換を図らざるを得なかったのは分かるけれど、砂漠での感染者との戦いは大しておもしろくなってないし、「バイオハザード」としてのおもしろさは無くなったしで、今までの良さを捨ててしまって結果何だか分からない映画になってしまった気ばかり。
このシリーズって、つまらない訳ではないけれどおもしろくもないのに続編がまだまだ作られて行ったのが不思議。

☆☆★★★
 
 
関連:バイオハザード
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