ブレイド3
2022年03月04日 金曜日デヴィッド・S・ゴイヤー製作・監督・脚本、ウェズリー・スナイプス製作・主演の2004年のアメリカ映画「ブレイド3(Blade: Trinity)」
マーベル・コミックスのキャラクターのブレイドの映画化。
シリーズ三作目。
吸血鬼達はヴァンパイアの始祖であるドレイクを復活させて陽の中でも歩けるドレイクの遺伝子で吸血鬼一族を更に強化しようとしていた。
ブレイドは吸血鬼達と戦い続けていたが、吸血鬼の奴隷である人間を殺す所を目撃されて警察から追われる身となった。
警察内部にも吸血鬼の奴隷である人間がいたが、捕まったブレイドは男女二人に助けられた。
一人の男はハンニバル・キングと言い元吸血鬼の奴隷で、もう一人の女性アビゲイル・ウィスラーはブレイドの相棒ウィスラーの娘でナイトストーカーズという集団で吸血鬼達と戦っていた。
ブレイドはナイトストーカーズと共に復活して暴れ始めたドレイクと戦い始めた。
一作目、二作目と続けて見たので三作目も見てみたけれど、一番製作費がかかっているシリーズ最終作はこれまでのおもしろかった部分をより捨て去ってしまってつまらなくなっていた。
これまで一作目、二作目の脚本家だったデヴィッド・S・ゴイヤーが脚本だけでなく製作や監督もやってしまったからなのか、このシリーズの一番の見せ所であるブレイドのアクションが減り、何がしたいのか、何を見せたいのか分からない話をウダウダと続けて話は間延びしまくり、特に長く見せる必要もないMVの様なイメージ・カットみたいな場面を何度も入れ込んでいて映像でも間延びしてしまっている。
この映画シリーズって、ブレイドが吸血鬼を次々と倒して行くのが見たいのに、二作目で敵の吸血鬼の特殊部隊が味方になった事でブレイドの出番とアクションが減ってしまった反省も無く、この映画でも新たな仲間が増えてブレイドの出番とアクションが減ってしまって二作目よりもアクションが物足りなさ過ぎた。
このシリーズはブレイド対吸血鬼という部分がずらせないので二作目での本来の敵が仲間になるという展開も分かるし、三作目もこれまでと変わり映えしない話なので新たな仲間という展開も分かるけれど、シリーズ最後で新たな仲間っていらない気がした。
この仲間の加入でブレイドの登場が減り、アクションも仲間がするのでブレイドのアクションも減り、ブレイドの見せ場は始まりと最後位しか無くなってしまっているし。
今までの相棒だったウィスラーが死んで新たな仲間という展開は分かるけれど、何だか意味も分からない序盤でのウィスラーの死だし、そのウィスラーの娘が出て来るのだから親子関係が描かれたり、そこから何かが展開したりするのかと思いきや何もせずで、本当に意味の無い親子設定。
これだと早い段階でウィスラーを演じていたクリス・クリストファーソンがこの映画から降りただけの裏側の都合の様に思ってしまった。
脚本は都合の良い展開や投げっぱなしで終わったりと大分グダグダ。
何故か吸血鬼達に従って行動しているドレイク。
何をしたいのかよく分からないドレイクの行動。
古代から目覚めたはずなのに行き成り現代アメリカ英語を喋るドレイク。
ドレイクという名前もドラキュラと似ているから?
そもそもドラキュラって1897年のブラム・ストーカー小説「吸血鬼ドラキュラ」が始まりなのに、俺はドラキュラだ!という事とかの説明も無し。
ドレイクは最近目覚めたのに、ナイトストーカーズはドレイクが目覚めた事を知っていたり、ドレイクの事は何でも知っていて情報収集が完璧過ぎ。
なのに、全米各地にある血液工場の事は全く知らない。
ブレイドも吸血鬼と戦い続けているのにナイトストーカーズや血液工場を全く知らない。
ハンニバル・キングを人質に取った上に娘も人質に取る展開の意味不明さ。
娘を人質に取ったけれど結局娘は助けました…だけでそれが何かになる訳でも、その後を描く訳でもない。
何故かブレイドに変身して死亡し、FBIからブレイドを助けたドレイクの行動が何なのか不明。
一番意味不明なのが、映画本編の最後でブレイドが夜の街をバイクで走り去って行くという場面で終わったのに、エンド・クレジットの後に何時もの自動車に乗ったブレイドが走り去って行くという場面を入れている所。
何故二度もブレイドを去らせたの?
役者では、ハンニバル・キング役でライアン・レイノルズが出ていて、今見たからなんだろうけれど、戦いながらも減らず口の冗談交じりってデッドプールっぽい。
トリプルHが吸血鬼グリムウッド役で出ていたけれど、こちらも今見たからトリプルHが若く、体パンパンと言うかムチムチしていて、そう言えば昔はこんな感じだったかな?と思った。
でも、声は今と同じ。
ドレイク役のドミニク・パーセルは何処かで見た事あるな…だったけれど、テレビドラマ「プリズン・ブレイク」のリンカーン・バローズか。
そう言えば、映画内でマーベル・コミックスの「The Tomb of Dracula」が出て来たけれど、と言う事はこの映画のドレイクはマーベルのドラキュラで、この映画は実はブレイドとマーベルのドラキュラのクロスオーバー作品という事なのかしらん?
この映画、この出来はデヴィッド・S・ゴイヤーに問題があると思うけれど、調べて見るとウェズリー・スナイプスもごねたり揉めたりしていたらしく、結局何処も噛み合わずに全てが上手く行かなかった感じなのかぁ。
このシリーズは一作目で一気にブレイドで形を作ったのに、それを活かし切れず、常に尻下がりでシリーズが進んで行った印象。
やっぱりウェズリー・スナイプスのブレイドが立っていて、ブレイドのアクションがおもしろく、話がいまいちなのでシリーズ通しての脚本家デヴィッド・S・ゴイヤーでなければもっとおもしろいシリーズになっていたはずだと思ってしまった。
2010年代にはマーベル・シネマティック・ユニバースでウェズリー・スナイプスでブレイドの企画もあったらしけれど立ち消え、現在はマハーシャラ・アリがブレイドで映画の企画が進んでいるらしいけれど、初代ブレイドとかでウェズリー・スナイプスのブレイドをまた見てみたい位、このウェズリー・スナイプスのブレイドは良かった。
☆★★★★