バイオハザード: ザ・ファイナル

2022年03月19日 土曜日

ポール・W・S・アンダーソン製作・監督・脚本、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の2017年の映画「バイオハザード: ザ・ファイナルResident Evil: The Final Chapter)」
ゲーム「バイオハザード」を原作とした映画シリーズの6作目で最終作。

荒廃したワシントンD.C.の建物に入ったアリス・アバーナシーの目の前のモニターにアンブレラの人工知能レッドクイーンからのメッセージが映し出された。
レッドクイーンはアンブレラはT-ウイルスをせん滅出来る抗ウイルス剤を開発しており、48時間以内に散布しなければ生き残った少数の人間は絶滅してしまうのでアリスにラクーンシティの地下施設ハイブまで取りに行って欲しいと伝える。
ラクーンシティへと向かうアリスだったが彼女の前に死んだはずのアイザックス博士がアンブレラの部隊を引き連れて現れて攻撃して来た。

このシリーズは一作目と二作目まではゲームの「バイオハザード」を映画化している感じでまあまあおもしろくはあったけれど、それ以降は最早「バイオハザード」でもない、ポール・W・S・アンダーソンの好き勝手な駄作シリーズとなって完全に惰性で見ており、GYAOで無料で見れるからシリーズの最後まで見てみようで見たけれど、やっぱりこのシリーズは回を重ねる毎にドンドンとつまらなくなり、最終作は一番つまらなかった。

まずはこのシリーズの伝統となった、前作の最後にぶち上げた続編に続きそうなネタを続編では無視して始まるという例のやつが今回もで、今回が一番酷かったかも。
前作では何故か人類を救うとか言い出したアルバート・ウェスカーがホワイトハウスにアリスや生き残った人間を集めて押し寄せる感染者と戦う…という所で終わったのに、今回は「ウェスカーが裏切った」とだけの説明で何があったか全く分からないままで始まる。
ジル・バレンタインやレオン・S・ケネディはどうなったの?とか、何でアリスだけ生き残っていて他の人間が一人もいないの?とかの説明は一切無し。
前作まではバンバン人を殺して全人類を抹殺しようとしていたレッドクイーンが行き成りアンブレラの人間には逆らえない?人命を優先?とか言い出すし、アルバート・ウェスカーは四作目でT-ウイルスで変異して高速で動いたり、強くなったはずなのに今回はそれが全然見えず、何故かアイザックス博士の言いなりで、しかも活躍場面が無くている必要もない。
アリスは急に子供の時の記憶が無いとか今まで全く言ってなかった事を突然言い出すし、もう前作までの流れは無視で、その時思い付いた事をやるだけの何時ものポール・W・S・アンダーソンの酷い脚本がさく裂。

今回は前作には全く登場しなかったクレア・レッドフィールドが再登場するけれど、ここでも兄のクリス・レッドフィールドがどうなったのかをアリスが尋ねもしない。
このシリーズではお金なのか、シリーズに愛想をつかしたのかで役者が再演せずにその登場人物が出て来ない場合は、その人物に一切触れないという製作者に優しい仕様は最後まで。

一方で三作目で登場して死んだはずのアイザックス博士が再登場したけれど、このシリーズでは死んだはずの人物が続編に登場すると全てクローンでしたで片付ける、これまた製作者に優しい仕様は最後まで。
こっちはじゃあ何で既に抗ウイルス剤があるのにアイザックス博士のクローンを作って三作目でアンチウイルスの研究をしていたのか?とかの疑問が出て来るけれど、当然その説明は無し。

抗ウイルス剤は少量の一本だけでも空中に散布すると一気に感染者が動かなくなり、世界中に飛散するという無茶苦茶な便利設定というのも酷い。

アンブレラの創設者がアイザックス博士で、滅び行く人類ならば自分達で滅ばせて、その後に少数の人間で理想郷を作るなんて2017年にやる?って程の安っぽさで、人類が滅亡して自然までほぼ壊滅状態の世界に少数の金持と権力者だけで再建するとか無理しかない。
畑を作ったり、家建てたり、機械を修理したりとかをしなくてはいけないのに金持と権力者なんて何にも役に立たないじゃん。
このシリーズを通してアンブレラって馬鹿の集まりとしか思えないのに何故ここまで牛耳っていれたのだろう?

それに毎度の、見た目は良くて何か活躍しそうな人物は役が何も立たないまま死んで終わりという、これまたポール・W・S・アンダーソンのお馴染みの脚本。
ローラが出演していたけれど、二三言話して特に活躍も無く死亡して、その死にも誰も何も触れないという、正にモブ。
このシリーズってキャラが立ちそうなモブが次々と死んで行くだけの映画という印象ばかり。

脚本の酷さに加え、今回は映像が非常に見難かった。
アクション場面はカメラをぶらして短く編集して誰が何をしているのかが分からない上に、普通の場面でもカメラをぶらして見難く、ずっと見難い。
途中で仲間が襲われる時も誰が死んだのか分からない程、誰が何されたのかがさっぱり分からない。

この映画、シリーズ最終作としてアンブレラの目的がやっと出て来て、アンブレラが壊滅してまとめた感じではあるけれど、本当につまらないシリーズだった。
一作目と二作目までで見終わっても十分なシリーズだった。

★★★★★
 
 
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