メン・イン・ブラック:インターナショナル

2022年07月29日 金曜日

F・ゲイリー・グレイ監督、クリス・ヘムズワーステッサ・トンプソン共演の2019年のアメリカ映画「メン・イン・ブラック:インターナショナルMen in Black: International)」
シリーズ四作目で、これまでの主人公だったトミー・リー・ジョーンズウィル・スミスは出演していないスピンオフ。

モリー・ライトは子供の時に宇宙人と出会い、その時宇宙人を見た両親は黒スーツの男達に記憶を消されたのを見て以来、その秘密組織に入る為に彼らに接近しようとしていた。
ある日モリー・ライトは黒スーツの男達を見付けて後を追い、彼らの基地に潜入する事が出来たが直ぐにバレてしまい捕まってしまった。
モリーは記憶を消されそうになるが説得してMIBのエージェントになる事が出来た。
モリーは見習いエージェントMとしてロンドン支部に赴任し、エージェントHについて任務に就く事になった。

一作目から三作目までを続けて見たので続けてこの映画も見てみたけれど、この映画は非常につまらなかった。
メン・イン・ブラックのおもしろさって、トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのやり合いのバディムービーのおもしろさが根本にあって、そこに実は既に宇宙人が暮らしているという設定やアクションモノとしてのおもしろさがあるからのおもしろさだったのに、それがこの映画にはほとんどなかった。

クリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンは心機一転でこういう組み合わせもありなんだけれど、この二人のやり取りが全然おもしろくない。
笑いに振り切る訳でも無く、真面目に行く訳でも無くて非常に中途半端な楽しくない会話が続くだけ。
これまでだと仏頂面でボケるトミー・リー・ジョーンズと、それを突っ込みつつ喋りまくるウィル・スミスの対比が効いていたのに、クリス・ヘムズワースは出来る奴なのかボンクラなのか分かり難い上に、ジョークが常に滑っている感じだし、一方のテッサ・トンプソンは現場での実務訓練さえ受けていない元オペレーターの新人なので、そこの出来なさ加減を描くのかと思いきや結構対応出来ていて出来る奴っぽい描かれ方をするので二人共人物として際立たず、対比が効いているのかいないのかが分からないまま。

クリス・ヘムズワースは役的にもあるのだろうけれど、喋る話はつまらないし、失敗も多いので見ていてもカッコ良くは見えず、最後は「俺、記憶消されてた…。」で間抜けで終わるし、出来るエージェント感が説明台詞だけで行動には見えて来ないので上滑りして、主人公としての魅力が無かった。

テッサ・トンプソンはMIBに憧れ続けて来て、やっとMIBになれたというのを見せているのにMIBに興味津々なのは初めの少しだけで、「これ何ですか?」とかあちこちで聞きまくる事もしないし、一作目のウィル・スミスみたいに勝手に物に触って大騒動みたいな事も無く、折角のMIB憧れ設定が全然活きていなかった。

話も結構序盤で「MIB内部に裏切者がいる…」で一気に興味を無くしてしまった。
何時頃からかハリウッド映画では敵に主人公側の行動がバレていたり、主人公側が上手く行かずに内部に裏切り者がいるという展開になると、それが大体仲の良い人物かボスだったという同じ様な展開をやって来ているのを何度も見てしまっているし、しかも登場人物達の関係性がまだ紹介程度の一作目なのにそれをやられた所で何の意外性も無く「そうですか…」にしかならない事をこの映画でもやってしまい、結局役者の名前的に一番大きいリーアム・ニーソンが敵でしたという何の捻りも無い事をやっていて、何もおもしろくなかった。
わたしはこういう展開が本当に飽き飽きして大嫌いで、序盤の「MIB内部に裏切者がいる…」というのを出して来た時点で話の展開の予想はつき、それがほぼそのままで、何で擦られ続けている展開をわざわざここでもするのだろう?と思ってしまった。

他にも「メン・イン・ブラック:インターナショナル」と銘打った事でヨーロッパ各地を回る話にしていたけれど、これをするとよっぽど上手く移動理由を作らないと都合の良い理由であっち行ってこっち行ってになってしまうのに、正に急に意味も無く話に出て来た人物が絡んでそこに行かないといけなくなるという取って付けた様な脚本の都合の良い展開で、これも飽き飽きで全然おもしろくなかった。

宇宙人達もこっそりと存在しているという訳でもなく堂々としていて、これまでのシリーズだと宇宙人が既に密かに地球人の中で暮らしているというのがおもしろかったのにそこもほとんど描かずで、そこを求めていたから余計につまらなかった。

それに、シリーズ毎度の悪い宇宙人が何かの物を狙って地球の危機を引き起こすけれど、悪い宇宙人は何をしようとしてその物を欲しがっていたのかがいまいち分からないというのは、このメン・イン・ブラックシリーズの一作目からのお馴染みの伝統。

何かのゲートからやって来て地球を破壊しようとしている悪い宇宙人がハイブで、それを阻止する独立した全世界規模の秘密組織で、クリス・ヘムズワースはソーだしで、何かほとんど「エージェント・オブ・シールド」

この継ぎ接ぎ的な展開は監督のF・ゲイリー・グレイとプロデューサーのウォルター・F・パークスが相当揉めたらしいというのが原因なのだろうか?
何でも全体を統括していたデヴィッド・ボーベールがスタジオを退社した事で後任がおらず、ウォルター・F・パークスが撮影中も脚本を毎日書きなおして主演の二人に送っていたり監督の仕事まで踏み込んでいたらしく、F・ゲイリー・グレイは何度も監督を降りようとしていらしい。
こうなるとこの散漫で都合の良い展開は仕方がなかったのかもしれない。

あと、このシリーズで毎度気になるのが原作のクレジットなんだけれど、一作目のオープニング・クレジットでは「BASED ON THE MARVEL COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」
二作目では「BASED ON THE MALIBU COMICS BY LOWELL CUNNINGHAM」だったけれど、「メン・イン・ブラック3」とこの映画では「BASED ON THE MALIBU COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」
何故一作目だけマーベルなのか?だし、マリブ・コミックスは1994年からマーベル傘下だけれど、その後マリブ・コミックスから「The Men in Black」のアメコミが出版された訳でも無いし、「The Men in Black」の一番初めはエアセル・コミックスからの出版なのに何故マリブなの?だし、何故今回も「MALIBU COMIC」で「S」が無いのかもよく分からない。

この映画、取って付けた様なおもしろくない展開の連続で、クリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンのバディムービーとしてもやり取りや関係性がおもしろくないし、アクションやガジェットもいまいちで、全部が外していた気がしてしまった。
このシリーズって二作目の時点から苦肉の策感が強く、この映画も「3」がヒットした事で続編を作りたいけれどトミー・リー・ジョーンズも歳で「3」でさえほぼ代役状態だったし…なので、完全に別人でリブート的スピンオフの苦肉の策をしたら見事に滑ってしまった感じ。

☆★★★★
 
 
関連:メン・イン・ブラック
   メン・イン・ブラック2
   メン・イン・ブラック3

メン・イン・ブラック3

2022年07月27日 水曜日

バリー・ソネンフェルド監督、トミー・リー・ジョーンズウィル・スミス共演の2012年のアメリカ映画「メン・イン・ブラック3(Men in Black 3)」
ローウェル・カニンガムのアメコミ「The Men in Black」が原作。
シリーズ三作目。

月面の刑務所からボグロダイト星人のボリス・ザ・アニマルが脱獄した。
ボリスは四十年前にエージェントKに片腕を撃たれて逮捕された事を恨んでおり、KとJの前に現れてKを殺そうとするが失敗。
ボリスを捜査しようとするJだったがKのアパートに行くと別人が住んでおり、MIB本部に行くとKではない相棒が現れ、MIBの人々もKの事を知らず、唯一Kを古くから知っているOだけから「Kは四十年前に殉職している」と言われてしまう。
Jの異変に気付いたOは時空破壊が起こり歴史が変わってしまった言う。
Jはボリスが四十年前にタイムスリップしてKを殺した為に歴史が変わったと分かり、四十年前にタイムスリップしてKを救いに行こうとする。

メン・イン・ブラックシリーズを一作目、二作目と続けて見たのでこの三作目も続けて見てみたけれど、どうにもいまいちで、回を重ねる毎に尻すぼんでいる感じがしてしまった。
その大きな要因は、やっぱりトミー・リー・ジョーンズの出番が少ない事。
このシリーズのおもしろさって、真面目顔で堅物のトミー・リー・ジョーンズと常に陽気でノリとお喋りのウィル・スミスの対比の効いたバディモノだと思っているのだけれど、その一番重要なトミー・リー・ジョーンズが主人公の一人ではなく脇役になってしまっているので全体の魅力が激減。
多分、トミー・リー・ジョーンズがこの映画の撮影時2010年は64か65歳で高齢でアクションとかもきつかったのかと思うし、2012年は四作の映画に出演し、2011年には二作で、その中の「The Sunset Limited」は監督もしていて忙しかったというのもあったのだろうけれど、それにしてもトミー・リー・ジョーンズの時間が取れないからって過去に行ってジョシュ・ブローリンが若い時のKを演じて、この映画ではKはほぼジョシュ・ブローリンというのはなぁ…。
Jが過去に戻ってジョシュ・ブローリンを見てKだと言うのは相当無理があるし、苦肉の策感ばかり。
このシリーズって、二作目の時点でも一作目で上手く完結した所から記憶を消したKを連れ戻したりして苦肉の策の感じがあったけれど、今回は特にそれが顕著に出てしまっている。
二作目までZ役だったリップ・トーンも出ていないのでZを殺しちゃうし。
でも、話によるとそのZの葬儀での場面にいた宇宙人をリップ・トーンが演じていたらしく、何だか訳の分からない出演だし。
それに、パグのフランクも今回は登場しておらず、Jの自宅の壁に大きなフランクの写真が飾ってあったけれど白黒の正面写真だったのでフランクも死んでしまったって事?
話でも全く触れずお仕舞いというのも何なのだろう?
あと、新登場人物としてZに変わってボスとなったO役でエマ・トンプソンが出ていたけれど、初めは葬儀ではっちゃけて強く印象を残しておきながら後半では全然登場せずに終わってしまう、何だったの?感が強い勿体無い役だったし。

話は常に何かの説明ばかりで終始間延びした感じで、今までの次々と捜査して立ち向かって行く二人のおもしろさがなくて結構退屈してしまった。
Jが過去のKを救いに行くというおもしろさもあんまりなく、無数の可能性の未来を見ながら生きている宇宙人グリフィンが便利過ぎてJとKの捜査感が無かったし。
このシリーズ特有の、悪い宇宙人が何かを求めているけれどそれで何をしようとしているのかがいまいち分からないので地球の危機感に乗って行けないというのも今回もそうだったし、結局初めのJだけが何故元の記憶を持っていたのかもよく分からないままだったし。
最後のKとJを繋げるのもやり過ぎ、狙い過ぎ感が強くてさめてしまったし、Jってあの距離で懐中時計を目視出来るって凄い視力。

過去のKが使っていたニューラライザーは真空管の付いた巨大な装置だったり、別のバッテリーから充電してからでないと使えない昔だからのローテクを見せておきながら、一方で現代のMIBでも使っていないハイテクなジャイロバイクを容量的に収まらないだろうと思う自動車の中に仕込んでいたりと過去と現在の技術差が無茶苦茶。

この全体的な何だかなぁ…と思うのは何かと思って調べてみたら、撮影は2010年11月16日に始まったのに、6月の時点で脚本が書き直され、11月に新たに脚本家が雇われて過去部分が書き直されて、撮影が始まっても中盤以降は完成していなかったみたい。
大分バタバタで突き進んで行った感じだからなのかな?

あと、気になったのはこのシリーズ毎度の原作のクレジット。
一作目のオープニング・クレジットでは「BASED ON THE MARVEL COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」
二作目では「BASED ON THE MALIBU COMICS BY LOWELL CUNNINGHAM」だったけれど、今回は「BASED ON THE MALIBU COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」
マリブ・コミックスって1994年からマーベル傘下だから何故マーベルじゃないのか?だし、「The Men in Black」の一番初めはエアセル・コミックスからの出版なのに何故マリブなの?だし、何故今回は「MALIBU COMIC」で「S」が無いのかもよく分からない。

この映画、やっぱり見たかったのはトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのやり取り、やり合いであって、ジョシュ・ブローリンの別人のKが見たかった訳でないので終始すかされたままで話が勝手に進んで行く感じだった。
流石にトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのメン・イン・ブラックの続編となるともうなさそうで、トミー・リー・ジョーンズが大分足りないこの映画で終わりか…となると結構寂しい。

☆☆★★★
 
 
関連:メン・イン・ブラック
   メン・イン・ブラック2
   メン・イン・ブラック:インターナショナル

バイオハザード CODE:Veronica

2022年07月24日 日曜日

じゃない方監督のポール・W・S・アンダーソンの映画のバイオハザードシリーズをおもしろさを感じずに惰性で最後まで続けて見たので、持っていたゲームでもバイオハザードをやろうと思ったら「バイオハザード CODE:Veronica」をしていない事に気付いたのでやってみた。

わたしの中では他のナンバリング・タイトルは有名だけれど、この「バイオハザード CODE:Veronica」って全然知らなかったので一番初めの発売から22年後に初見でプレイ。
操作やゲーム内容的に懐かしのバイオハザードでおもしろかった。
ただ、やっぱり昔のゲームの部分は大きくもあった。

バイオハザードの「1~3」までの懐かしいラジコン操作で、これがバイオハザード!なんだけれど、今するとこれが非常に操作性が悪い。
行きたい所に行けないし、敵から逃げたり近づいたりするのが難しい。
操作性はそんな感じで、ゲーム自体はあっちに行ってアイテム拾い、あっちに行ってそのアイテム使って別のアイテム入手してを繰り返す、これもバイオハザード!…なんだけれど、ゲームが結構長いので段々と面倒臭くなり、常に「このアイテムを仕込んでいる人達の意図は何?」だし、「これだけあちこちに鍵となるアイテム仕込んでいたら普段の生活での移動が面倒臭過ぎるだろ」と思ってしまった。

このゲームは初めてしたので、途中で終わりそうな雰囲気になって「まあ、こんなモノか…」と思ったら、そこから更に南極に行くわ、主人公がクレア・レッドフィールドからクリス・レッドフィールドに変わって、クリス編では初めのクレア編で攻略した所を再び訪れて少し変化したマップを攻略して行く展開は飽きさせずに進めて中々楽しかった。
やっぱりバイオハザードって、アドベンチャーゲームとアクションゲームが合わさったSFバイオハザードモノで、これが楽しかったのだと思い出した。
ただ、このシステムや内容がこのゲームである意味頂点に達したので「4」からはシステム一新になったのだとは思う。

本編をクリアした後に思ったのは、結局クレアは何でこの島にいたんだったけ?とか、アシュフォード家の話ってどうでもいいなぁ…とか、アルバート・ウェスカー出て来たけれどいる?とか、話的には特に残らない話だと思ってしまった。

本編をクリアすると「BATTLE GAME」というただ敵を倒して行くゲームが出て来て、これも全部クリアした。
このモードだけFPS視点で出来るんだけれど、やっぱりこれもラジコン操作で操作性は良くはなかった。

更に実績を全て解除する為に本編をSランクでクリアもしたけれど、これが非常に面倒臭かった。
条件としては「セーブしない」「スプレーで回復しない」「4時間30分以内にクリアする」等があって、結構初めの段階で死んでしまってやり直しになったので面倒臭くて、グリーンハーブの無限増殖の裏技使って無限回復出来る様にしたんだけれど、それでも回復する前に死んでしまったりで何度もやり直し。
何とか前編終了に出来るセーブとしてカウントされないセーブ地点から後半をやり直したら、クレアに交代して変身したスティーブから逃げる所は回復しないと逃げきれないんだけれど、無限グリーンハーブを使っていてクリスが持ったままでクレアに交代してしていて普通のグリーンハーブを一つも持っていなくて詰んで死亡してやり直し。
面倒臭くなって「もう、お終い」と思いつつ、何日後かにまたやったりして、結局何度やり直したのか分からないけれど最終的に4時間5分でSランクは取れた。
Sランクを取ると本編で初めから無限ロケットランチャーを使える様になるけれど、Sランク取る為に何度もやったので無限ロケットランチャーを使えても初めからまたやる気には全くならず、一応無限ロケットランチャーがどんなものかを確認して終了。
この実績って良し悪しで、普通にゲームしていたらおもしろくやれていたのに実績を取る為だけに何度もすると面倒臭くなり、最終的にやり終えた時にそこの印象が強く残ってしまって「面倒臭かった。つまらなかった。」とゲームの印象が悪いままで終わってしまう。

メン・イン・ブラック2

2022年07月23日 土曜日

バリー・ソネンフェルド監督、トミー・リー・ジョーンズウィル・スミス共演の2002年のアメリカ映画「メン・イン・ブラック2(Men in Black II)」
ローウェル・カニンガムのアメコミ「The Men in Black」が原作。
シリーズ二作目。

前作から五年後。
二十五年前にザルタ星人が地球に隠したとされる光を求めてカイロス星人のサーリーナが地球に飛来して来た。
この二十五年前の事件を担当したKは記憶を消して郵便局員として生活していた為JはKの下に行き過去の記憶を戻そうとするがサーリーナはMIBの本部を襲撃して来た。

確かこの映画が公開した時に見たのか、テレビの地上波で放送した時に見たのか忘れたけれど、一度見たはずなので所々覚えてはいたけれど一作目に続けて見てみたら余りおもしろくはなかった。
一作目がJがMIBのエージェントとなる初めの話で展開も構成も設定も良かった分一作目と比べてしまい、この続編はどうにも展開がいまいちだし、せっかくのトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスも一作目程弾けていない感じで物足りず。

一作目でKが記憶を消して引退して終わっており、一作で上手く完結させていて、多分一作目では続編の事は考えていなかったのだと思ったけれど、そこから続編となったのでどうにかしてKを引っ張り戻さないといけなくなってしまい、この続編ではそのKの連れ戻しを前半でするので本編となる事件を後半に詰め込んだ感じになっていて、どうにも事件の方の展開が急で見ている方が話に追い付く前に進んでしまって上手く乗って行けない感じだった。
Kが戻って来てJとのバディモノはやっぱりおもしろいんだけれど、一作目の最後にLとなった検視官も何だかよく分からない理由で記憶を消して検視官に戻った様で、一作目の最後の台無し感が強いし。
これって、一作目の映画公開が1997年でその五年後のこの続編をちゃんと五年後に見たならいよいよの続編で楽しくみれたのかもしれないけれど、一作目から続けてこの二作目を見てしまうと二作目での一作目の台無し感が何か勿体無いと言うか、自己否定感が強いと言うか、苦肉の策感が強いと言うかで、そこが乗り切れなかった理由かも。
それに事件の方も結局彼女が光だったというのは分かるにしても、何でサーリーナが彼女を必要としていたのかはさっぱり分からなかったし、一作目に比べるとこの事件を追って行く楽しさが減っていた感じがしたし、一作目と似たような話なのにこっちの方が全然物足りず、既に焼き直しの縮小感を感じてしまった。

その他の実は宇宙人が地球人に交じってあちこちで暮らしているとか、様々なゴシップやオカルトとかの都市伝説が事実とかのくすぐりとか、SFガジェット的にも今回は物足りず。
ここが結構好きだったのに、一作目で結構したからもういいや…になってしまったのだろうか?

他のセットとか映像的な規模感と言うかも一作目から比べると何だかこじんまりした気がして、一作目の方が奥行き感があった様に思えたのだけれど、この二作目は一作目から製作費が1.5倍以上に増えたのに何処を増強したんだろうか?

登場人物では一作目でもシルヴェスター・スタローンやスティーヴン・スピルバーグが画面上の映像で宇宙人とされていたけれど、今回はマイケル・ジャクソンがMIBに入りたい宇宙人役で出て来て、これは笑ってしまった。
MIBと言うか、アメリカだと有名人は大体宇宙人になる、してしまうイジリは好き。

そう言えば、一作目ではモルグの受付でバグに殺された?と思われたデヴィッド・クロスが今回はレンタルビデオ屋の店長役として登場していたけれど、この人物って同一人物なんだろうか?

後、気になったのが、一作目のオープニング・クレジットでは「BASED ON THE MARVEL COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」と出て来ていたのに、この二作目では「BASED ON THE MALIBU COMICS BY LOWELL CUNNINGHAM」と出て来た事。
一作目の1997年時点では1994年にマリブ・コミックスがマーベル・コミックスに買収されていたのでアメコミの「The Men in Black」がマーベル原作となっているのは分かるけれど、2002年だと何故マリブ・コミックス原作に戻っているのだろう?
元々の「The Men in Black」ならエアーセル・コミックスだろうし、単にマリブ・コミックスから出版した時のタイトルが「The Men in Black Book II」だったからなのか?

この映画、トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのKとJのコンビが復活して、この二人のやり取りが見れたという部分では続編の意味は大きいけれど、この映画自体は一作目に比べるとどうしても物足りなさが目立ってしまい、もっと脚本を練って欲しかったし、無理に一時間半位に詰め込まずに二時間位でKの復活も事件の方もきっちり描いても良かったんじゃないかと思ってしまった。

☆☆★★★
 
 
関連:メン・イン・ブラック
   メン・イン・ブラック3
   メン・イン・ブラック:インターナショナル

メン・イン・ブラック

2022年07月22日 金曜日

バリー・ソネンフェルド監督、トミー・リー・ジョーンズウィル・スミス共演の1997年のアメリカ映画「メン・イン・ブラック(Men in Black)」
ローウェル・カニンガムのアメコミ「The Men in Black」が原作。
シリーズ一作目。

ニューヨーク市警察の刑事ジェームズ・エドワーズが犯人を追っていると犯人は超人的な能力で逃げ回り、ビルの屋上から飛び降りて死んでしまった。
事件の聴取を受けているジェームズ・エドワーズに黒いスーツを着た男がやって来て、死んだ犯人の事件を二人で操作する事となった。
二人で調査を始めたが、黒いスーツの男は情報が手に入ると謎の装置を使ってジェームズ・エドワーズの記憶を消してしまった。
何が何なのか分からないジェームズ・エドワーズに男は名刺を出し、明日ここに来いと言って去って行った。
翌日ジェームズ・エドワーズはその場所に行くと軍人達と採用試験を受ける事になり、訳が分からないまま合格となった。
そのKと呼ばれる男が属しているのはどの政府機関にも属さないMIBという秘密組織で、MIBは地球に亡命して来て地球人の中で暮らしている宇宙人達を秘密裏に管理しており、Kは新たなMIBのエージェントとしてジェームズ・エドワーズに働かないかと持ち掛けて来た。

ここ最近はアメコミ原作の映画を続けて見ているけれど、これはAmazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので過去に何度かテレビの地上波の放送で見た事があったけれど改めて見てみたら今見てもおもしろかった。

メン・イン・ブラックというアメリカの都市伝説・陰謀論をコメディとアクションで見せながら、ベテランエージェントのKに付き添って新人のJが本当の世界や仕組みを知って成長して行くバディムービーとしてもちゃんとおもしろくなっているし、犯人を追って行く推理部分もあるし、分かり易く悪い宇宙生物と戦うという展開も楽しいし、SF的なガジェットも楽しいしで良く出来ている。
監督のバリー・ソネンフェルドはちょっと変わった設定でのコメディは上手いなぁと思う。

あちこちに個性の強い宇宙人達がいる中でもトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスの二人が抜群に際立っていて、この二人だからこそここまでおもしろくなったと思える主人公の二人。
ウィル・スミスはそれまでの役柄を更に発展させた様な感じではあったけれど、トミー・リー・ジョーンズはそれまでの仏頂面の強面役をあえて活かして強面でボケるという役が滅茶苦茶はまって、この映画から日本でも真顔でボケる人というテレビCMをずっとやる様になったしで、トミー・リー・ジョーンズが物凄く良いし印象に残りまくり。

これまでに何度か見た事があったけれど全然覚えていない事もあって、そこも結構楽しかった。
始まりはKの相棒でおじいさんのDがいたとは全く覚えておらず、このDが歳で引退し、それが最後にKが引退してJが引き継ぐ展開の伏線になっていたとは知らず、上手い事この一作でまとめていたのかと知る。
多分これって、初めはこの一作で完結させて終わるつもりだったのがこの映画の大ヒットで続編を作る事となり、せっかくこれで完結したKを続編で引っ張り戻す展開にしたのかと思った。

トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスが目立ってはいたけれど、バグに皮を着られた農夫のエドガー役のヴィンセント・ドノフリオも張り切って良い感じだった。
このヴィンセント・ドノフリオって、わたしは見た事は無いけれど「LAW & ORDER:犯罪心理捜査班」のレギュラーだったロバート・ゴーレン役の人なのか。
見た目が全然違う。

映画が始まった時の音楽がダニー・エルフマンっぽいなぁと思ったらオープニング・クレジットで音楽がダニー・エルフマンで出て来たのでやっぱり!となった。
ダニー・エルフマンの音楽のダニー・エルフマンっぽさって何なのだろう?

わたしはてっきりアメコミの「The Men in Black」ってマリブ・コミックスからの出版で、この映画もそのマリブ・コミックスの原作かと思っていたけれど、オープニング・クレジットでは「BASED ON THE MARVEL COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」と出て来て、実はマーベル映画だった事を知った。
元々アメコミの「The Men in Black」は1990年にエアセル・コミックスから出版され、1991年にマリブ・コミックスから「The Men in Black Book II 」が出版され、1994年にマリブがマーベル・コミックスに買収されてのこの映画だったみたい。
よくマイナーな「The Men in Black」を映画化したもんだと思って調べてみたら、元々この映画のプロデューサーのウォルター・F・パークスとローリー・マクドナルドが「The Men in Black」の映画化権を買って企画していたらしく、その後に「The Men in Black」がマーベルに行ったかららしい。
気になったのは映画のオープニング・クレジットでは「MARVEL COMICS」ではなく「MARVEL COMIC」だったのは何故?

この映画、設定や展開、ガジェットが良いし、何よりもトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスの二人が立ちまくりで、全ての事物が上手くかみ合っている感じで、終始ワクワク感が溢れて楽しく見れた。

☆☆☆☆★
 
 
関連:メン・イン・ブラック2
   メン・イン・ブラック3
   メン・イン・ブラック:インターナショナル