メン・イン・ブラック2

2022年07月23日 土曜日

バリー・ソネンフェルド監督、トミー・リー・ジョーンズウィル・スミス共演の2002年のアメリカ映画「メン・イン・ブラック2(Men in Black II)」
ローウェル・カニンガムのアメコミ「The Men in Black」が原作。
シリーズ二作目。

前作から五年後。
二十五年前にザルタ星人が地球に隠したとされる光を求めてカイロス星人のサーリーナが地球に飛来して来た。
この二十五年前の事件を担当したKは記憶を消して郵便局員として生活していた為JはKの下に行き過去の記憶を戻そうとするがサーリーナはMIBの本部を襲撃して来た。

確かこの映画が公開した時に見たのか、テレビの地上波で放送した時に見たのか忘れたけれど、一度見たはずなので所々覚えてはいたけれど一作目に続けて見てみたら余りおもしろくはなかった。
一作目がJがMIBのエージェントとなる初めの話で展開も構成も設定も良かった分一作目と比べてしまい、この続編はどうにも展開がいまいちだし、せっかくのトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスも一作目程弾けていない感じで物足りず。

一作目でKが記憶を消して引退して終わっており、一作で上手く完結させていて、多分一作目では続編の事は考えていなかったのだと思ったけれど、そこから続編となったのでどうにかしてKを引っ張り戻さないといけなくなってしまい、この続編ではそのKの連れ戻しを前半でするので本編となる事件を後半に詰め込んだ感じになっていて、どうにも事件の方の展開が急で見ている方が話に追い付く前に進んでしまって上手く乗って行けない感じだった。
Kが戻って来てJとのバディモノはやっぱりおもしろいんだけれど、一作目の最後にLとなった検視官も何だかよく分からない理由で記憶を消して検視官に戻った様で、一作目の最後の台無し感が強いし。
これって、一作目の映画公開が1997年でその五年後のこの続編をちゃんと五年後に見たならいよいよの続編で楽しくみれたのかもしれないけれど、一作目から続けてこの二作目を見てしまうと二作目での一作目の台無し感が何か勿体無いと言うか、自己否定感が強いと言うか、苦肉の策感が強いと言うかで、そこが乗り切れなかった理由かも。
それに事件の方も結局彼女が光だったというのは分かるにしても、何でサーリーナが彼女を必要としていたのかはさっぱり分からなかったし、一作目に比べるとこの事件を追って行く楽しさが減っていた感じがしたし、一作目と似たような話なのにこっちの方が全然物足りず、既に焼き直しの縮小感を感じてしまった。

その他の実は宇宙人が地球人に交じってあちこちで暮らしているとか、様々なゴシップやオカルトとかの都市伝説が事実とかのくすぐりとか、SFガジェット的にも今回は物足りず。
ここが結構好きだったのに、一作目で結構したからもういいや…になってしまったのだろうか?

他のセットとか映像的な規模感と言うかも一作目から比べると何だかこじんまりした気がして、一作目の方が奥行き感があった様に思えたのだけれど、この二作目は一作目から製作費が1.5倍以上に増えたのに何処を増強したんだろうか?

登場人物では一作目でもシルヴェスター・スタローンやスティーヴン・スピルバーグが画面上の映像で宇宙人とされていたけれど、今回はマイケル・ジャクソンがMIBに入りたい宇宙人役で出て来て、これは笑ってしまった。
MIBと言うか、アメリカだと有名人は大体宇宙人になる、してしまうイジリは好き。

そう言えば、一作目ではモルグの受付でバグに殺された?と思われたデヴィッド・クロスが今回はレンタルビデオ屋の店長役として登場していたけれど、この人物って同一人物なんだろうか?

後、気になったのが、一作目のオープニング・クレジットでは「BASED ON THE MARVEL COMIC BY LOWELL CUNNINGHAM」と出て来ていたのに、この二作目では「BASED ON THE MALIBU COMICS BY LOWELL CUNNINGHAM」と出て来た事。
一作目の1997年時点では1994年にマリブ・コミックスがマーベル・コミックスに買収されていたのでアメコミの「The Men in Black」がマーベル原作となっているのは分かるけれど、2002年だと何故マリブ・コミックス原作に戻っているのだろう?
元々の「The Men in Black」ならエアーセル・コミックスだろうし、単にマリブ・コミックスから出版した時のタイトルが「The Men in Black Book II」だったからなのか?

この映画、トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのKとJのコンビが復活して、この二人のやり取りが見れたという部分では続編の意味は大きいけれど、この映画自体は一作目に比べるとどうしても物足りなさが目立ってしまい、もっと脚本を練って欲しかったし、無理に一時間半位に詰め込まずに二時間位でKの復活も事件の方もきっちり描いても良かったんじゃないかと思ってしまった。

☆☆★★★
 
 
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