幽幻道士

2012年10月26日 金曜日

映画「霊幻道士」が大当たりし、その亜種として多く作られた中でも、日本でも当たり、日本のみの続編まで作られたシリーズの1986年の第一作目「幽幻道士(殭屍小子)」。

少女テンテンと旅回りの男の子達がキョンシーと戦うという、完全に子供向けなキョンシーコメディ映画。大人が見てしまうと非常にしょうもない。この時のテンテンを演じているシャドウ・リュウ(リュウ・ツーイー)は八歳なのに、大人の様な恋愛モノっぽいませた演出にして笑わす様にしているけれど、まあやっぱり子供向け。
しかしアクションは結構しっかりしている。ワイヤーも使ってはいるけれど、基本は飛んだり跳ねたりはその本人がやり、激しくぶつかるし、子供達も結構アクションするし、女性も子供も年寄りもぶん投げられて、そこの部分では結構楽しく見れる。

キョンシーってお化けや妖怪の類だと思っていたら、故郷から離れた場所で死んだ人を運ぶのが大変なので、半死半生状態にして自ら歩かせて運ぶ為に道士が開発したモノだという説明があり驚き。それとおでこにお札を張ると生者がキョンシーを制御出来るのは知っていたけれど、キョンシーが生者の影踏むと金縛りになるのは知らなかった。そこら辺では妖怪的。

この中でちょっとおもしろかったのは、テンテンのおじいさんが道士で、風水で生計を立てているのだけれど、お客は都合良く風水のせいにし、おじいさんも何でも風水で決めるので日常生活を送るのも面倒臭いという、結構風水を馬鹿にし、皮肉的に扱っている事。当時の台湾でも風水って、いじる対象だったのかしら?
あと、つい笑ってしまったのは、死んだ師匠がキョンシーとなって復活したら、行き成り眉毛が濃すぎて髭ぼうぼう、更に深く刻んだ皺メイク。分かり易過ぎる怖いと言う演出。

この映画、TVでの放送で見たのだけれど、吹き替えなのに字幕も表示されているという、何故なのか分からない両方の表記。放送の始まりには「現存する最良の素材で…」と表示されていたけれど、結局は元のフィルムがなく、当時のビデオテープ素材しかないという事か。コメディという事もあってか、吹き替えは大分自由にやっているのが字幕も出ているので分かる点ではおもしろい。けれど、画像は粗いし、吹き替えなのに字幕でうっとおしいし。

それと警察署の所長が、タフガイこと矢野・兵動兵動大樹に見えて仕方ない。

これ見ていて、子供の時キョンシーごっこして遊んだなと思い出し、懐かしくなった。両手を上げて飛び跳ねて、こっちに来たら息止めるとか。それに「霊幻道士」よりも「幽幻道士」の方が子供の時の印象が強かったのかと、テンテンを見ていて思い出した。

乗りとしては日曜日の朝にやる子供向け特撮番組的な映画。それと比べるとアクションは本格的。今大人が見る点は、この当時のキョンシーブームの時代性と、子供向けコメディなのにちゃんとアクションしているという所かな。

子供向け特撮番組だと思ったら、10月からテレビ東京の深夜に「好好!キョンシーガール〜東京電視台戦記〜」というキョンシーモノの番組が始まっていた。何で今更と思ったら、「ピラメキーノ」からの派生番組だそう。25年以上も経ってから日本で新作キョンシーモノって、そんなにキョンシーって子供にとってはおもしろいモノなのだろうか?

☆☆★★★
 
 
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