幽幻道士3

2012年10月28日 日曜日

一年毎に作られ、シリーズも三作目。1988年の「幽幻道士3」。ただ、原題は「幽幻道士」で、実はこれが初めての幽幻道士だったりもする。

話的には二作目の直接の続編で、前作で壮絶な特攻による自爆で死んだはずのスイカ頭が五体無事でキョンシーになっている所から始まる。続編ではあるけれど、前作とは繋がらない不可解な部分が多数。
本当は爆竹だけれど一応ダイナマイトを巻きつけて突っ込み、本来なら木端微塵になったはずのスイカ頭がキョンシーとしており、自爆の相手だった師匠のキョンシーに関しては、二作に渡り中心人物だったのに彼に関しては特に触れる事も無い。彼の方が木端微塵になったという事なのか?更に、これまでいた子供四人組の内、前作でもほとんど台詞も無く、急に主役級から降格して脇役に落ちたデッパとチビトラが初めからおらず、トンボと言う新たな子供が登場。チビクロやテンテンと仲が良く、まるで一作目からいた様な扱い。テコ入れ、心機一転にしては、見ている方を惑わすばかり。

展開は、盗賊団に加担する女道士がテンテン一同のキョンシーを操り盗みを働いていたのに、突然女道士の父親ムササビ道士が棺桶の中から飛び出し敵となり、何処からかフルメタルキョンシーが登場、更に新たな人物が次々と登場し、関連性があるのか無いのか分からない突然の展開ばかりで、観客を置いてけ堀気味に突っ走る。

役者は一作目から皆勤なのはテンテンとおじいさん、それにタフガイこと矢野・兵動兵動大樹そっくりの今回はデブ隊長として登場の警察署長、そしてこれまで親方役だった黄仲裕。彼は今回はムササビ道士として登場。師匠、師匠キョンシーと、毎回違う役で出ている。師匠は普通のおじさんだったのが、師匠キョンシーは眉毛と髭が濃い、明らかな怪物面に。そして、今回は異常な高揚ではじけまくるムササビ道士と、回を重ねる毎により濃く、ぶっ飛んで行く役になって行く。
テンテンは成長が早く、今回は化粧が妙に大人びた感じ。
テンテンと比べると、全然成長せず子供のままなベビーキョンシーの子がちょっと怖い。

これの初めに出て来た題名が原題の「幽幻道士」ではなく、「幽幻道士3」だったので、多分日本独自編集のTV用のビデオか?始まりも急に一作目と二作目の映像を使ってのナレーションから始まるし。

今回の三作目は、一作目が子供向け、二作目がその反動で少し大人向けに変更し暗い話になったからの反動からか、ハチャメチャな内容になり、その悪乗りが結構おもしろいかもしれない。次々と漫画的な人物が登場。最終的にムササビ道士親子とフルメタルキョンシー軍対八卦将軍団の対決になり、最早キョンシー関係無いカンフーヒーローモノ。キョンシー映画だったはずが話が進めば進む程意味不明になり、終盤色々端折り過ぎでグダグダ。最後見終わると何のこっちゃで爆笑。この場当たり的な詰め込みで、シリーズ中でも奇異な作品。これまでの中だとこれがだんとつに良いし、笑って、楽しんで見れる。

☆☆☆★★
 
 
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