新・幽幻道士 立体奇兵

2012年10月30日 火曜日

シリーズも五作目、1989年の映画「新・幽幻道士 立体奇兵(立體奇兵)」。3D映画として作られた映画。当時は日本では劇場未公開。ビデオも日本語吹き替えまでして何故かお蔵入りで、2006年になってからDVDでやっと発売されたという、謎の経緯を辿った映画。

三作目四作目で最早キョンシー映画でも無くなったからか、これでは一作目の子供達が主役だったキョンシー映画に立ち返る様な内容。
初っ端から、助けた狐が人間の子供になってテンテン達と友達になるお子様向け展開だけれど、友達を助ける子供達という一貫した流れがあり、今までの様な唐突、訳の分からない展開や、人物を出し過ぎて話が飛び飛びの散漫さも少なく、結構ちゃんと真面に展開しているし、これまでのシリーズの統合的な映画になっている。その分、訳の分からないはじけっぷりが少なくなってしまっていると言えば、そう。ただ途中で、非常にこじんまりした魔界に行ってしまい、日曜朝的特撮ヒーローモノにはなってしまうけれど。この魔界と言う名のスタジオセットでの場面が長く、安く仕上げたなぁ…と。そして見終わると、やっぱりキョンシー映画でもないかと思ってしまう。

アクションは漫画の様な有り得ない飛んだり跳ねたりでおもしろいけれど、思いっ切りワイヤーが見えてる場面ばかり。それと子供達のアクション場面が多く、彼らが大活躍の負担増。

「幽幻道士」シリーズだけれど、最早テンテンは出ているけれどリュウ・ツーイーではなく、前作のチェンチェン役の子がテンテンになっている。ただこのテンテンと言う役名は日本語吹き替え版のみで、元はチェンチェンのままの様。テンテンの吹き替えはこれまで通りの高田由美で、役者が違うだけなので違和感は隠せない。アンアンの吹き替えが真柴摩利なので、アニメ「クレヨンしんちゃん」の幼稚園の吉永先生と風間君のひまわり組を見ているみたい。チビクロとトンボはいるけれど、チビクロは途中で交代しているし、トンボは三作目から。全作出ているのは、金おじいさんの金塗、デブ隊長の胖三、一作目で親方キョンシーで今回はアンアンの父親黄仲裕、そして何時まで経っても成長しているのかが分からないベビーキョンシーの洪竟原。何か脇役ばかり勢揃いな感じ。

これ3D映画なので無暗に前後に動く様な仕草や演出が多い。分かり易い20世紀の3D映画。ただこっちに向けて飛んで来るのは、鶏を噛みちぎって吸った鶏の血とか、子供のお小水とか、キョンシーモノらしく悪趣味。

子供達が何故か知らないけれど一輪車で行動してるけれど、この当時位から日本の小学校でも一輪車が普及した事の、日本向けの受け狙いなのだろうか?

始まりは子供達主役のキョンシー映画だったのに、最終的にワチャワチャした安いヒーローモノアクションになってしまった残念さ。子供向けアクション映画としてはこんなモノか。シリーズ的には二作目までがキョンシー映画。

☆☆★★★
 
 
関連:幽幻道士
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