アンダーワールド 覚醒

2024年03月14日 木曜日

レン・ワイズマン製作・脚本、モンス・モーリンドビョルン・スタイン監督、ケイト・ベッキンセイル主演の2012年のアメリカ映画「アンダーワールド 覚醒(Underworld: Awakening)」
シリーズ四作目。

ヴァンパイア一族の処刑人セリーンと、ライカンになってしまいセリーンに噛まれて新たな種へと変貌したマイケルはヴァンパイアとライカンから追われる身となり二人で逃げていたが、人間から攻撃を受けて捕まってしまった。
セリーンが目を覚ますと謎の研究所におり、そこから一人で脱出したが捕まってから既に十二年が経っている事が分かった。
セリーンは突然自分が見ている物ではない景色が見え、これはマイケルが見ている物だと感じたセリーンはマイケルを助け出そうと見えた景色を追い始める。
見えた物からマイケルに辿り着いたと思ったセリーンだったが、そこにいたのは見知らぬ少女だった。

元々は三作目「アンダーワールド ビギンズ」の配信が終わりそうだったので一作目から見始めて三作目まで見たのだけれど、じゃあついでにシリーズ最後までと思い見た四作目。
一作目は結構おもしろかったのに二作目「アンダーワールド: エボリューション」で既に微妙な感じで、三作目は一・二作で描いた事を更に一本の映画にしているだけだったので必要が無いと言えばない映画で、そこからの更なるこの続編は全くおもしろくはないと言う訳でもないけれど別におもしろくはない感じ。

話は三作目が千年以上前のヴァンパイア一族とライカン一族誕生後の戦いを描いた話だったので二作目のその後の続編なんだれど、この映画の舞台設定に持って行く為に今までに特に言及もしていなかった事を出す結構強引な事を初めからしている。
二作目で多分ヴァンパイア一族は滅亡し、ライカンも一作目でほぼ絶滅したと思っていたのに、この映画では世界中でライカンに感染した人間とヴァンパイアに噛まれて?ヴァンパイアになった人間が爆発的に増えてしまったので人間がヴァンパイアとライカンを徹底的にせん滅したという事になっている。
このヴァンパイアとライカンが一気に増えたと言う話を序盤に出して来たので、何故そうなったのか?を映画で詳しく描くのかなと思っていたら、そこはそういうモノだと言う事らしく詳しい説明は無し。
もうここで何故?どうして?で全然乗って行けず。

そこからセリーンがマイケルを助けなきゃ!というシリーズのこれまでの展開に行くのだけれど、これが二人の娘の話にすり替わり、マイケルがどうなったのかは終盤までどうにもならないままで、結局マイケルがどうなったのは描かないままで終わり。

娘の話も、目が覚めると急に大きな娘がいる事が分かったセリーンと娘の微妙な関係性を描くのかと思ったら、そこは少しで描きは物足りなさ過ぎ。

敵のライカン達も、娘を研究していた人間が実はライカンだったと実はの展開を見せてはいたけれど、このライカン達は娘を使ってより強くなる事が目的ってまだ一作目のルシアン一派ならヴァンパイアと戦う為にで分かりはするけれど、人間からライカンになってしまった人達なら意味がよく分からない。
強くなって復讐ではなく人類皆ライカン化を目指すならまだ分かるけれど、ライカンになってしまった人を殺した人間に対する復讐でも皆元々は人間だったから、そこら辺の複雑な感情は無いのか?とかやっぱり描きが少な過ぎ。
これまでの三作だと主人公セリーンがヴァンパイアなのにライカンの方の描きが多くてどんどん前に出て来て、三作目は主人公がライカンになりとシリーズに渡ってレン・ワイズマンってヴァンパイアに興味が無くてライカン大好きなんだなぁと思える位ライカンの映画だったのが、この四作目ではライカンは単なる悪い敵でしかなく、今までの映画を思うとライカンの扱いの落ちっぷりは何なのだろう?

ヴァンパイアの方も、まだ生き残っていた他のヴァンパイア一族も何故いるのか?とかもよく分からないままだし、その中のセリーンにやたらと協力的なヴァンパイアも、死にました。セリーンの力で蘇りました。が結局人間の刑事を助けに来ただけで大して活きていなかったり、この新たなヴァンパイア一族は必要あった?な感じだったし。

何でこんな継ぎ接ぎした感じの脚本なのかと思ったら、脚本にはクレジットされていない人が何人も入っていて書いて出来ては書き直しになったらしく、撮影が始まっても完成稿が無かったらしく、別の映画を作っていたレン・ワイズマンが撮影の前の日に脚本を書き直していたという位グダグダで進んでいたらからみたい。
評価も低いみたいなのに興行収入はシリーズで一番高かったのだから何が何なのか分からない。

この映画、二作目で今後セリーンとマイケルの子供が出来そうな場面を入れていて、それを受けての展開だったけれど、結局その娘が何者なのかとかを大して描きもしないし、マイケルはどうなったのかもお座なりで、その他諸々も扱いが雑過ぎ。
アクション場面は多めにしているけれど、それでもずっと別におもしろくはないままで、大分前な前日譚を挟んでのシリーズ再開の続編がこれじゃあなぁ…という映画だった。

☆★★★★
 
 
関連:アンダーワールド
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   アンダーワールド ブラッド・ウォーズ

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