エスケープ・フロム・L.A.
2026年03月11日 水曜日ジョン・カーペンター監督・脚本、カート・ラッセル主演・製作・脚本の1996年のアメリカ映画「エスケープ・フロム・L.A.(Escape from L.A.)」
映画「ニューヨーク1997」の続編であり、かつリメイク的映画。
2000年。ロサンゼルスで大地震が起こって一部分が島となり、権力を拡大した大統領が反政府主義者や異教徒達を追放する為に島を流刑地とした。
2013年。大統領の娘が国が開発していた秘密兵器を盗み出してロサンゼルスの反政府勢力の下へと行ってしまった。
大統領は秘密兵器を取り戻す為に、かつてその当時の大統領を救い出したが再び犯罪を犯して捕まったスネーク・プリスケンを恩赦と引き換えにロサンゼルスに送り込んだ。
YouTubeで色んな映画が無料公開されているのを知り幾つか見ていたら、この映画も追加されていたのに気付き、昔見たはずだけれど細かくは覚えていないので見てみようと思い、じゃあ「ニューヨーク1997」を見てからと思ったら「ニューヨーク1997」の方は配信しておらず、他の見放題のサブスクリプションサービスでも配信されていなかったので昔BSで放送されていたのを録画したディスクがあるので、それを引っ張り出して見てからこの映画を見てみた。
そうすると本当に「ニューヨーク1997」の続編なんだけれどもセルフリメイク的な映画だと分かったし、続けてスネーク・プリスケンを楽しめたので、まあおもしろかった。
「ニューヨーク1997」もこの映画も何と言ってもスネーク・プリスケンの存在が圧倒的。
多くを喋らず、左目にアイパッチ。
今回は遮熱という事で全身黒い潜入服と黒いコートに二丁拳銃と、まあカッコ良過ぎ。
今回も周囲の人から「あんたがあのスネーク・プリスケン?」と言われ、これだけで伝説的存在にしていて、しかも今回はクリーブランドで何かあったらしいけれど詳しい話は出て来ないという背景の見せ方でスネーク・プリスケンに夢中になってしまう。
そしても今回もスネーク・プリスケンは結構ドジを踏むし、敵の気配に気付いた時には既に捕まってしまっているといるとか、無敵のヒーローという訳ではなく普通の人間の近い延長線上にいるのが人間臭くもあって変に可愛らしさもあって、それが良い。
「ニューヨーク1997」の時は強さの雰囲気はあるのに活躍が大して無くて雰囲気番長な感じだったのが、今回はアクション場面や銃撃場面は多くあり、ちゃんとスネーク・プリスケンを楽しめる。
しかも今回は突然サーフィンしたり、ハンググライダーで移動したりと目立つ変わったアクション場面もあって、スネーク・プリスケンを満喫出来る。
ただ、やっぱりジョン・カーペンター映画なので、アクション場面は弾け切らない感じが随所にあるし、展開も「ニューヨーク1997」よりも次々と展開して行くけれどそれが一気に流れて行く訳でもなくて、ここではこの話。次にはこの話といった感じで、連続ドラマの一話一話をまとめた様な感じはある。
それに脇役達は皆濃さがあるのだけれど、その人物が話の展開としているかと言えばそうでもなかったり、突然死んでしまって、その死が何かになるという訳でもなかったりで話が膨らまない感じが、まあジョン・カーペンター映画なのか。
前作との繋がりで言えば、「ニューヨーク1997」からの続編なので孤立した島が犯罪者の追放地帯になっていて、そこに大統領関連の人物が重要な物を持って行方が分からなくなったのでスネーク・プリスケンの体内に何かを入れられて、それの除去と交換にスネーク・プリスケンが島に行って島を支配している首領を探しながら逃げ回るという設定や展開がほぼ同じ。
導入部分はほぼ今作も同じで、特に島に潜入する為の「ニューヨーク1997」のグライダー内部と今回の潜水艇の内部の見た目はほぼ同じで、これは敢えて狙っているんだと思った。
ただ、島に上陸してからの展開や雰囲気は結構違っていて、「ニューヨーク1997」は1970年代の雰囲気がある低予算ホラー映画的な見た目や大人しめの銃撃モノの感じだったのが、今作は1990年代的な銃撃ちまくりで、バンバン爆発するブロックバスター映画的な雰囲気があり、ちゃんと時代の流れを感じる。
あと、「ニューヨーク1997」では途中に金網で囲まれたリングでプロレスラーと戦う場面があったけれど、今作でも途中でバスケットボールのシュートゲームがあり、この急に何だか分からないスネーク・プリスケンを見世物にして負かそうとするけれどスネーク・プリスケンが勝ってしまうというのがジョン・カーペンターは偉くお気に入りみたい。
わざわざ「ニューヨーク1997」でも今作でもスネーク・プリスケンがリングやバスケットコートに向かう時に、向こうから二人の男が死んでいるであろう人間を運んで来てスネーク・プリスケンの右側を通り過ぎて行くという同じ動きを入れている位だし。
こういう所は十五年後の続編ではあるけれど、続けて一気に見た方が分かるし、おもしろいかと思う。
繋がる様で謎のままなのが映画内で何度も言及されるクリーブランドであった何か。
登場人物達は島の住人でさえその顛末を知っている様だったけれど詳しくは描かれず、これが気になる所。
結局映像では作られず仕舞いだけれど、この映画が当たっていれば続編やテレビドラマでクリーブランドでの顛末が作られたのかなと思うと凄く勿体無いと思ってしまった。
スネーク・プリスケン主役のコミックスが出ていたそうで、「ニューヨーク1997」とクリーブランドの間の話の「The Adventures of Snake Plissken」や、「ニューヨーク1997」直後の「John Carpenter’s Snake Plissken Chronicles」が出ているので読んではみたいんだけれど、「The Adventures of Snake Plissken」はマーベル・コミックスからのワンショットで「John Carpenter’s Snake Plissken Chronicles」はCrossGen Comicsからのミニシリーズで、TPBで出ていない様だし、検索してみたら結構値段が付いているしで入手は難しい様。
役者で言えば、スティーヴ・ブシェミが出ていたけれど、スティーヴ・ブシェミってもっと奇異な演技するのかと思ったら結構普通ではあった。
謎の波乗り男役でピーター・フォンダが出ていたけれど、わたしはピーター・フォンダの映画を見た事が無いので、本来なら「あっ、ピーター・フォンダじゃん」になるだろう所が全然ピンと来なかった。
ハーシー役でパム・グリアが出ていたけれど、この人何か存在感が凄いんだけれど見た事が無いと思ったら、この人映画「ジャッキー・ブラウン」の主役の人か。
この映画にブルース・キャンベルが出ていたのは知っていたので何処で出て来るのだろうと思ったら、あの医者だったのか。
特殊メイクで顔がほぼ分からないのでブルース・キャンベルでなくともの役だった。
この映画を見ていて思ったのは、公開当時やわたしが昔見た時はこの1990年代感やブロックバスター感を楽しんでいたんだと思うけれど、今見ると結構怖くなってしまった。
もしかするとの何年後かの実際のアメリカを垣間見る様な気がし、最早町中は「ゼイリブ」だし、ここに来てジョン・カーペンターの世界が現実と繋がる様な気がするとは思いもしなかった。
そして、「知るか」「くそ喰らえ」なスネーク・プリスケンはやっぱり良いよなとも思ったし、強くスネーク・プリスケンに憧れてしまったし。
この映画、「ニューヨーク1997」と同じスネーク・プリスケンの続編ではあるけれど、1990年代に作り直した続編かつリメイクの様な映画という特殊な映画で、そこがおもしろいし、一作目よりもスネーク・プリスケンを楽しめるという部分で一作目よりも好きな映画だし、スネーク・プリスケンが見れるという部分で最高でした。
☆☆☆☆★
ニューヨーク1997