ワイルド・スピード

2014年08月15日 金曜日

ロブ・コーエン監督、ヴィン・ディーゼルポール・ウォーカー共演の2001年の自動車映画「ワイルド・スピード(The Fast and The Furious)」。
現在の所六作まで続いているシリーズの第一作。

高級車盗難事件を追っているFBIが犯人と思われるドミニク・トレットを調べる為、彼の元に平警官のブライアン・オコナーを潜入捜査官として送り込んだ。ブライアン・オコナーはドミニク・トレットの仲間となり彼に取り入られる様に彼を助け、奔走し始める。

わたしは自動車の免許も持っていないし、自動車に興味も無いけれど、シリーズ映画が多く作られているので「見てみるか…」で見てみたけれど、頭の緩い町のチンピラ達が町中で自動車競走をし、その競争の為に人々がどうするかが話の中心なので、まあつまらないし、頭の悪さが隠れる事無く漂って来る。話の始まりからして、「あいつにちょっかい出すな!」で喧嘩始めるのが掴みで人物紹介の導入って、「これ、おもしろそう!」…とはならないアホっぽさ。潜入捜査官のポール・ウォーカーは捜査そっちのけで恋に走って、彼女の兄に友情を感じ彼を助けようとするだけで、終始捜査する気があるのか無いのか、頭の悪い子の感じ満開。ヴィン・ディーゼルもポール・ウォーカーの事を「警官かもしれない…」と怪しんでいたのに、数日?で信頼の置ける仲間みたいまでにあっさり信じてしまうしで、こっちもこっちで頭の悪い感じはたっぷり。
それに一番の見せ場の自動車で走る場面もいまいちおもしろくない。初めに出て来る競争場面は、加速すると周囲の景色が歪んで見えたりと、色々と映像効果を使って速さ感を出していて結構おもしろかったのに、それ以後は至って普通な演出になり、自動車で走る場面が出て来る度に飽き飽きしてしまう。
話も色々と振っていた割に、突然の殺し合い。突然ヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーの信頼関係の修復とか、「?」な強引な展開が多い。その割に中盤のほとんどがダレる話だしで、扱っている題材含め、おもしろさが無い展開と構成。

ヴィン・ディーゼルはまだ役者初期なので顔も若く、ムッキムキでもないし、いまいち垢抜けない感じ。その分、町の窃盗集団の頭感が凄い出ていて中々良い。
一方のポール・ウォーカーは、警官で探りを入れているという役柄なんだけれど、常に何も考えず行動している感じのアホっぽさがあって、ぴったり。ただそれが演出意図にあった配役で演技なのか、単にポール・ウォーカーを配役したら主人公がアホっぽくなってしまったのだろうか?よく分からない…。

2001年の映画なので、合成技術が今見ると結構安い。自動車の走っている所の町の背景は浮いた感じだったり、映像が粗かったり。自動車内から見える外の景色の合成もテレビドラマや一昔前の合成みたいだし。
それに音がうるさい。ただでさえ、改造車のいびきの様な爆音が聞いていても不快な上に、そこにジャンジャカ音楽流すので本当にうるさい。爆音いびきの自動車で音楽ガンガンかけていて、頭おかしくならないのかな?と思うけれど、この映画も見ていたら分かるけれど、始めから頭おかしいから大丈夫という訳か。

始めの方で、自動車から流れる音楽がリンプ・ビズキットの「Rollin」が流れていたけれど、この時って、ジ・アンダーテイカーがバッド・アス時代で、この曲が入場曲だったはず。

この手の公道で自動車競走する映画って、道を歩いている人を決して轢かないのが不思議。ノリノリで自動車飛ばしているのに、途中で道を歩く幼い子供を轢いてしまい、悲しむ親。その後の裁判。収監されて、悔やみながら歳を取って行く…という映画なら真剣になって見るけれど、馬鹿なチンピラが自動車競走して、強盗してたけど、話してみたら良い奴だったので問題無し…って、頭が悪いよなぁ…。主人公のポール・ウォーカーは出来ない刑事な上に、犯人側に肩入れしてしまうし、ヴィン・ディーゼルはチンピラが犯罪を繰り返しているだけだし、誰に身を入れて見れば良いのかさっぱり分からず、終始「だから何?」感が物凄い。このどうしようもない終盤からの結末見ると、映画史上最高の自動車競走の結末って「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」の最後だよなぁ。

☆☆★★★
 
 
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