眠狂四郎魔性剣

2013年11月18日 月曜日

市川雷蔵主演でシリーズ化した時代劇映画の1965年の第六作目「眠狂四郎魔性剣」。

夜道を歩く眠狂四郎に自分を買って欲しいと言う女性が現れ、眠狂四郎は少し話を聞いただけで金を置き去ってしまう。眠狂四郎は翌日彼女が自害した事を知る。彼女は武家の出身で、彼女の残した息子は藩主の隠し子であり、跡目の為に城に連れて行こうとされる所を眠狂四郎は自責の念からその息子を守ろうとする。

今回は眠狂四郎はニヒルだけれど、ずっと良い人。一人の女性を死なせてしまった事への後悔から彼女の息子を守る為に奔走する。展開としても藩内の陰謀はあるけれど、基本は眠狂四郎に次々と敵が襲って来るのでそれを叩き切るという展開で非常に活劇性が高く、娯楽映画として非常に流れが良い。ただ、時間的に1時間15分も無く、次々と展開するのでやたらと人が死んでいるのに物凄くあっさりした感じがある。
それに、もう六作目という事もあり何か新しい事をしてみようとしたのか、やたらと時代劇の雰囲気には合わない要素を入れ込んで来るのがどうにも…。証人を消す為に黒ミサを出して来るけれど、その黒ミサがその後の何かのフリになっている訳でもないし、風魔一族の末裔と言う尼さんが出て来るけれど、それも何じゃそりゃな一幕だし、提灯大爆発はやっぱりスカすだけだし、一風変わった、変わり過ぎなモノをぶち込み過ぎ。コメディ的な要素が多い割に別に笑かしにかかっている訳でもなさそうだし、これらをどう見ていいモノやら…。
縄で縛られた眠狂四郎が、木から落とされた刀で縄を断ち切りチャンバラに入って行くなんて、物凄い漫画的。この映画全体的に漫画的な要素が強くて、ニヒルな眠狂四郎と合ってない気がする。円月殺法も、刀で太陽の光を反射させて一瞬目くらませるというちょっとズルい戦い方だし。

今回で凄かった場面は、通常のチャンバラから急にFPSの様な眠狂四郎目線の斬り合いを見せる所。手持ちカメラで次々と目の前の武士達が倒れて行き、しかも血しぶきを盛大に上げながら倒れて行く。急にこんな場面が入って来た事もあって、感心の驚きがある。

六作目と長いシリーズになったからか、今回は変に毛色の違うモノを入れ込み、次々と敵が襲う早い展開にして分かり易い娯楽性を狙った感じ。娯楽性の方向性は良いけれど、途中途中のその場限りの意味の無い一ネタは微妙過ぎるので、それが無ければもっと良かったのにと感じた。

☆☆☆★★
 
 
関連:眠狂四郎殺法帖
   眠狂四郎勝負
   眠狂四郎女妖剣
   眠狂四郎炎情剣
   眠狂四郎無頼剣
   眠狂四郎女地獄

« | »

Trackback URL

Leave a Reply