ラブ・アクチュアリー
2012年12月25日 火曜日ヒュー・グラント、アラン・リックマン、エマ・トンプソン、キーラ・ナイトレイ、コリン・ファース、リーアム・ニーソン、マーティン・フリーマン、アンドリュー・リンカーン、エリシャ・カスバート、ローワン・アトキンソン等々、多数の有名役者が出演した2003年の映画「ラブ・アクチュアリー(Love Actually)」。
クリスマス前のロンドンでの十数人の男女の人生模様を描いた映画。
設定はクリスマス前。始まりで「愛は実際まわりに溢れている」と出て来る。ヒュー・グラントが出ている。監督・脚本がリチャード・カーティスで「ブリジット・ジョーンズ」シリーズとかの全く合わない人だとか、わたしに合わない不安要素ばかりでどうなのかと思ったけれど、やっぱりそれなり。
人物が多過ぎる程登場し、各人が少しづつ繋がりがある関係や構成は良いのだけれど、一人一つの題材を扱うのでその分一人一人の話は薄く、どうしても各人の人間関係の導入部分位が都合良く展開して終わってしまう。その為皆近場でホイホイ引っ付き回っている軽い印象になってしまった。一番深みや葛藤が出て来るはずの設定を見せたリーアム・ニーソンの話も、亡くした奥さんの話は大して扱わないまま軽いまま終わってしまったし。アメリカに行ってやりたいだけの男の話は本当にそれだけで、凄い雑。それに最後の皆が勢揃いになる空港の場面が、何とも安っぽい事。
それに、この監督リチャード・カーティスの演出って安っぽい。思った事はすぐ独り言で喋ってしまうし、歌が各人の繋ぎにもなっているけれど、それ以外のスコアの音楽の使い方が音楽でも笑わせようとしたり、悲しい時は悲しい歌と、分かり易過ぎる使い方で非常に白ける。演出が何か子供向けのファミリー・ムービーを見ているかの様。
それに、「ブリジット・ジョーンズ」でも散々していた「女性は少し太めを気にするけれど、男性は太めの方が好きだったりする」をこれでも挟み込んで来る。このリチャード・カーティスってそこに執着してるのか、映画でヒュー・グラントにやらせて世間に主張し過ぎ。
ローラ・リニーの役の演出の付け方って「ブリジット・ジョーンズ」そっくり。
あと、セットが安い。如何にもなスタジオセットで、映画にしては生活感が全然無く、作り物が強い。
この映画での一番のギャグはヒュー・グラントがイギリスの首相だという事。「28日後…」並みにイギリスが崩壊して、イギリス人がどうにかなってしまったからヒュー・グラントが首相になれたディザスター・ムービーかと思ってしまった。この映画のヒュー・グラントの存在自体がコメディなのに、更に全く意味も無く急にクネクネと踊り出し、ローワン・アトキンソンが出ているのに関わらず、ヒュー・グラントが一人でコメディしている。まあ、その踊りも奇妙で笑えるというモノでもないけれど。後、ローワン・アトキンソンは、監督のリチャード・カーティスが「Mr.ビーン」シリーズを担当していたから出て来た位の出演で、全く必要の無い出番。
リーアム・ニーソンが息子に対して言う下ネタが全然笑えない。この人、コメディが似合わない。
マーティン・フリーマンのこの映画での役名もジョン。これから「SHERLOCK」のジョン・ワトソンに決まったのか?それとマーティン・フリーマンの体がおもしろかった。ぼてっと太り、寸胴なだらしない体に笑ってしまった。唯一の笑い所かも。
マーク役のはアンドリュー・リンカーンは何処かで見たなと思ったら、TVドラマの「ウォーキング・デッド」の主役か。
エリシャ・カスバートが見事に腰軽ビッチな役で出て来て、そこでもちょっと笑ってしまった。
登場人物が多い割にブツブツ切れる様な散漫さはそれ程なく、そこの部分は良いけれど、登場人物が多いので話がどうにも薄味で、後二・三押し欲しい所。簡単に引っ付き、上手く行き、「Love actually is all around.」と言われても、そんな状況にいる人なら心地良いファンタジーとして見れても、「人生ってそんな上手く行かないでしょ…」と思うとこのファンタジーはどうにも雑で、白け始める。TVドラマの1シーズンの総集編的映画なので、もう少し人物絞って見せても良いんじゃないかと思えた。
それに、根本としてクリスマスだから誰もが幸せにという話がどうにも苦手で、クリスマスにめでたしめでたしで楽しくなるのは、ジョン・マクレーンだけ。そう言えば、アラン・リックマンがクリスマス・パーティーをビルでしているくすぐりがあった。
☆☆★★★