夜を楽しく

2012年12月24日 月曜日

ロック・ハドソンドリス・デイ共演の1959年の恋愛映画「夜を楽しく(Pillow Talk)」。

ロック・ハドソンとドリス・デイのアパートメントの部屋の電話が共有回線になっていて、電話使いたいのに使えない、使おうとすると相手の会話が聞こえてしまうので衝突する二人が、やがて惹かれあうというお話。

始めから他人と電話回線を共有しているというのが出て来るけれど、この当時の電話事情が分からないので、電話回線を共有していて相手の会話を盗み聞き出来る事が良くある事だからのこの映画の設定になり、それを恋愛に持って行ったから洒落ているのか、んな事無いだろだからのコメディなのか、さっぱりピンと来ず、ずっとモヤモヤしたまま見てしまっていた。
その後の恋愛話は、ロック・ハドソンは自分が共有回線の相手とは言わずにドリス・デイに近づき、それもバレてしまい揉めるけれど、やっぱり上手く行くという、現在でも恋愛映画で見られる非常に在り来たりな展開。この時代からこの展開をしていたのかという関心の一方、恋愛映画って大して進展していないという別の関心も。
在り来たりな展開でも盛り上がりがあれば楽しく見てられるのに、波乱の展開も無く、非常にそのまま真っ直ぐ進み、おもしろいモノでも無いので結構飽きていた。

何より主役の二人が全然魅力が無い。ロック・ハドソンは映画「ジャイアンツ」では非常に存在感があり、カッコ良く見えたのに、この映画だと役柄的に軽いすけこまし男というのもあり、ニヤケ顔に魅力が感じられない。普通の大柄な男性以上のモノが無く、まるでコメディをする時のいまいちな演技が目立ってしまうシルヴェスター・スタローンに見えて来た。彼がテキサスから来たという設定はやっぱり「ジャイアンツ」からか。
ドリス・デイも美人と言うよりも、田舎臭さが見えるおばんちゃんだし、何故そんなにモテるのかいまいち分かり難い。

演出も画面分割をしての電話での会話は良いけれど、表情だけで見たら分かるのにロック・ハドソンやドリス・デイの心の声が入ったりする演出が非常にしょっぱい。この心の声で歌を歌ったりするけれど、画面はずっと同じなので地味だし。実際に行かず、撮影をせずに、ニューヨークの街並みとの合成で時間経過を見せたり、今見ると古い。
音楽の使い方も、今だとしょっぱいコメディでしかしない様な、面白い事ですよの説明的な使い方で流石に古い。

ベタな恋愛映画な割りに展開に何か工夫がある訳でも無い、こじんまりとした、素直な程真っ直ぐな展開に加え、どうにも主役二人が魅力を感じられず仕舞いで、それを補う脇役もいないしで、非常に薄味の映画。

☆☆★★★

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