ジャイアンツ

2011年12月30日 金曜日

ジャイアンツと言えば、まず思いつくのはNFLニューヨーク・ジャイアンツで、Giantと言えば、自転車企業のGiantか、WWEで現在はビッグ・ショーとして活躍していて、WCW時代のリングネーム、ザ・ジャイアント(The Giant)を思い出すけれど、これはロック・ハドソンエリザベス・テイラージェームズ・ディーン出演の大河映画「ジャイアンツ(Giant)」。

ロック・ハドソンとエリザベス・テイラーが知り合い、夫婦となり、やがて孫が出来るまでの数十年の人生を描く。東部の進歩的な女性が、南部テキサスの保守的な男性と結婚し、周りは何も無い荒野だけどあからさまな差別がある慣れない土地で、すれ違い、喧嘩し、でも家族や家や土地の為に突き進む。話的にはこの二人の夫婦を中心とした家族の愛情の物語で、3時間半弱あるが結構おもしろく見られる。あれだけ夫が全てを仕切り、男性上位で差別的な考えのロック・ハドソンもやっぱり家族思いな父親で、牧場に関しても、特に子供に関しても次々訪れる「こうじゃない!」という出来事が、徐々に移り変わる時代の流れの中で考えは変化し、受け入れ、戦う人になって行き、頑固な父親だけれど気持ち良い。そして人生は思った様に行かないし、上手く行かないと言う事を見せる。

ロック・ハドソン、エリザベス・テイラー、ジェームズ・ディーンにしろ、この映画の製作された1956年では皆20代にも関わらず、壮年、老年も上手く演じている。流石にロック・ハドソン、エリザベス・テイラーは余りに若過ぎるが、ジェームズ・ディーンは老け具合を見事に演じている。出番的にはそれほど多くないが、ジェームズ・ディーンが一番輝いていた印象が強い。ジェームズ・ディーンって見た目はそんなにカッコ良いとは思わなかったが、演技で若年から壮年まで癖のある演技で演じ別け、非常に良い演技派の役者だったんだなと知る。
驚いたのはデニス・ホッパー。どっかで見た事あるな…と思ったらデニス・ホッパー。歳行って強面のおじさん、おじいさんの時しか知らなかったので、まるで子供のおぼこいデニス・ホッパーを見てびっくり。

映像的には壮大、と言ったら聞こえは良いが、辺り一面何も無い荒野ばかりで余りおもしろくは無い。ただ、荒野の中にポツンといきなり大きな家が建っていたり、豪奢な家の窓からは延々と続く荒野が広がっているのが見えたりすると、終末後のSFっぽさがあり、そこは気に入った。
気になったのは、時々場面によって急に画質が荒くなり、ぼやけた感じになるのは一体何故?それに編集的に急だったり、繋がりが悪かった所も。

テキサスの一組の家族を通して、延々と続く親と子世代の確執、時代の変化、人生は思った通りに行かない、結局は自分の強い意志なんだと言うのを見せる映画。

☆☆☆★★

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