ウォーキング・デッド シーズン1
2012年08月27日 月曜日あちこちで話題になり、なったAMCで放送されたテレビの連続ドラマ「ウォーキング・デッド(The Walking Dead)」。
これは2003年から始まったImage Comicsのオンゴーイング・シリーズで、現在も続いている白黒コミックス「The Walking Dead」を原作としたドラマ。
コミックスの方は2003年の登場年にはアメリカでの売り上げ100位にも入って来なかったのに、2004年には単行本(トレードペーパーバック【TPB】)部門で9位に入り、2005年以降TPBの売上上位の常連になり、ドラマの人気効果もあってか、2011年でのTPB部門の売上トップ10の中に、1・2・4・5・8・9位と独占状態の人気。
不思議なモノで通常のコミックスの方はそれ程大きく売り上げていないのにTPBはやたら売れている。これはImage Comicsの流通の問題なのか、普段コミックスを読まない人が読んでいるためにTPBが売れているのか?コミックス派のマニア層にはそんなに受けが良くないのか?謎。
で、ドラマの方は衛星放送のFOX bs238で第2シーズンもすでに放送しているけれど、映画は吹き替え版を見る気はしないのに、TVドラマは吹き替え版じゃないと見る気がしないので、吹き替え版の放送を待って見た。
これまでのゾンビ映画はもちろん、サスペンスやホラーの王道を継承した見せ方なんだけれど、これをテレビの連続ドラマでしている凄さ。第一話の掴みからして、行き成り子供ゾンビを撃ち殺し、本当に良くTVでこれをやれている。製作陣の意気込みと放送の決断は偉い。
所謂ゾンビモノなので、もちろんグロい。TVなのに相当見せている。それだけでなく、実際の空の街での撮影に相当数のエキストラゾンビを使っており、安い映画よりも全然出来が良い。ただTVなので、ウォーカーの中には仮面被っているだけの人とか、引いた画の周辺のウォーカーはCGで安っぽさがあったり、如何にお金をかけずに製作するかも見えてしまう。
しかしそれもまあ良いかと思える話と演出。
連続ドラマで時間が取れるので各登場人物が立って来るし、関係性もややこしく、揉めて来るし。次々と新しい人物の登場と意外な展開も見せ、非常にワクワクして見られる。ウォーカーも単なる大勢のモンスターではなく、一人の生きた人間として描くのも連続ドラマならでは。
主人公の保安官リックは真っ直ぐな正義感。こういう終末世界での主人公はやっぱりこういう気持ち良い人間じゃあないと見てられない。
それに生存者が多いというのも良い。そこで関係性のドラマが築けるというのもあるし、人が多い事の安心感もあるし、何より誰かがやられるかもしれないという緊張感もあるし。全てが死亡フラグの様に思えてしまう。
演出もゾクゾクして来る。ドアのノブをゆっくり回すウォーカーは哀しさと怖さで、非常に上手いし、感心する演出。第一話目でこれやられたので、ガッチリ捕まれてしまった。それに、体にウォーカーの肉を擦り付け、臭いで判別するウォーカーを騙くらかしたり、新たなゾンビモノの展開も見せ、ニンマリ出来るし。
それに映像的にも、馬に乗った保安官が都市に入って行く、西部劇とSFと世紀末モノを合わせた映像的にも見せるゾクゾク感もあったり。
このドラマの導入である、「何かあって、入院。目が覚めると世界が崩壊していた。」というのは、映画「28日後」とか「バイオハザードII アポカリプス」でもあった、今ではお馴染みの導入だけれど、これの初めてって何だろう?スティーヴン・キングの「スタンド」辺りだろうか?
第1シーズンという事もあり、まだまだ導入で良い所で終り、続きが楽しみ。第2シーズンの吹き替え版を待つ。
このドラマを見てしまい、原作とも近い内容だけれども違うとなると、アメリカのTPBが大変売れている様に原作コミックスを読みたくなって来る。日本語翻訳版が、アメコミ翻訳版でお馴染みの小学館集英社プロダクションやヴィレッジブックスからではなく、ユーロマンガやバンド・デシネの翻訳版という、どちらかと言えばバンド・デシネの印象が強い出版社飛鳥新社から「ウォーキング・デッド」として1・2巻は発売済み、3巻が9月に発売予定になっている。それぞれ一冊にTPB三冊分収録らしいので、TPBのVol.9、#54までという事だろうか。アメリカではすでに#100を越え、TPBもVol.17まで行っていて、相当話が進んでいる様。Image Comicsと言えば、ロブ・ライフェルドの「Youngblood」ではなく(2012年に#71からロブで再スタートしてた!)、やっぱり「Spawn」で、「Spawn」も100巻を越え、話がどうなって行っているのか分からないけれど、「The Walking Dead」もどうなって行っているのか、グダグダにはなってないのか読んでみたい所。以前、古本屋でTPBを見付けたけれど、微妙に高い値段を付けていたので買わなかったら、数日で売れていて、あの時買っておけば良かったかなと後悔。