フラッシュダンス

2012年08月28日 火曜日

ジェニファー・ビールス主演の映画「フラッシュダンス(Flashdance)」。

踊りで成功を夢見る女性の成長譚。非常に王道な恋愛青春映画の主軸に踊りを据えた映画。

話は終盤まで特に何か劇的に展開する訳でも無く、別に鬱々とした悩みを見せる訳でも無く、恋愛部分が中心になるけれど、その余りにベタな展開、特に揉め事の件は失笑モノ。退屈する上に、それ真面目にやってしまうの?で、見ていて恥ずかしくなる。
それに踊りの部分は、わたしは元々バレエとかアイススケートとか興味無いし、見ても珍奇位しか思わないので、正直舞台で踊る所見ても「だから何?」としか思わない。それに主人公が踊る部分が大分少ない。バレエ学校を目指しているのに、日々の練習を描かず、急に試験受けて踊ってしまい、描き方が物凄く薄い。その最後の踊りは馬鹿みたいで、余りの恥ずかしさに早送り。
だけれど、道端で踊る人や、踊る様に交通整理をする警官とか、日常の中にあるダンスの楽しさを見せる部分で踊りの楽しさを感じ、そこを膨らます感じだったら、もっと集中力を持って見られたのにと思う。
バレエの入学志願を出そうとしに行き、主人公の普通な女の子が場違いを感じるという部分は良い。バレエは一般的なモノで無く、一部の愛好家やマニアの為の高級嗜好品とくさす感じが良いのに、自分が普段踊っている踊りで勝負し、生きて行くという訳ではなく、結局バレエで成功する事が良いなんて、余りにしょっぱい。

この映画は音楽を大きく見せているけれど、初っ端から流れるアイリーン・キャラの「Flashdance… What a Feeling」を聞くとニタニタしてしまう。麻倉未稀の日本語カバー曲が「スチュワーデス物語」の主題歌で、散々パロディにされる時流れて来るし、友近とかがネタで使っているので、最早面白ソングとしてつい笑ってしまう。
それ以外の曲も、1983年というまだ70年代の匂いが残る、どうにもダサさを感じてしまう曲ばかりで、音楽を後ろにしながらの練習場面は非常にカッコ悪い。それに、曲が流れ、その間に台詞があり、また曲が大きく流れるという演出とか古臭いし、見ていて恥ずかしいし。

この主演のジェニファー・ビールスって何処かで見た事のある人だと思ったら、「ライ・トゥ・ミー(Lie to Me)」の主人公ティム・ロス演じるカル・ライトマンの元妻のゾーイか。この「フラッシュダンス」以降当たりが少ないけれど、「Lの世界」や「ライ・トゥ・ミー」の様なTVドラマで人気が出るというのも不思議な感じ。

話的にはベタ過ぎて、特筆すべき展開もないし、踊りや曲、ファッションが今から見るとダサ過ぎな、まさに80年代で、その時代性を見ていても大して楽しくない。しかも、内容は恋愛部分も、成功譚部分もウッスウスな薄さ。話の展開にしろ、音楽の使い方やその見せ方とか、踊りも含め全てが80年代のしょっぱさばかりで恥ずかしかった。

☆★★★★

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