28日後…

2012年02月16日 木曜日

この手の映画はアメリカが量産しているけれど、イギリスで作られた映画「28日後…(28 Days Later)」。

これはゾンビモノじゃあなく、バイオハザードモノ。ゾンビだと人を襲って食べてしまうのに爆発的に増えるのはなんでだろうと毎度思うのだけれど、バイオハザードだから爆発的になる。それと原因をちゃんと初めに説明して、この映画は真面目。
基本的に絶望の中での救いや希望が描かれるけれど、バイオハザードだからゾンビの食欲に特化した行動や価値観に対する暗喩よりも、人間の凶暴性の方が前面に出ている。
展開も、何処から何が来るか分からないのはもちろん、前半の意外とほのぼのした場面から、後半のむき出しになった人間の欲望が話の中心になって行き、最後の急に毛色が変わる戦いと予想を裏切り、上手い脚本。
それにこの手の映画にしては救いがあるのも珍しい。ただ、別エンディングのバージョンだとやっぱり救いはないけれど。

おもしろいのが、世界を滅亡させたのが無謀な動物博愛主義者だと言う皮肉。それとやっぱり軍人は粗暴で駄目な奴というのも皮肉だけれど典型的過ぎもするかなと思う所。
それとイギリスが舞台なので、当然ブリティッシュ・イングリッシュなので「Day」を「ダイ」と発音し、「Die」を連想させる。
また、イギリスは銃所持の規制が日本以上に厳しいので、如何に日常品で対抗するかが描かれ、銃をぶっ放して対抗するゾンビ映画の本家アメリカよりも日本的な日常に近い分、より緊迫感や緊張感を感じる。それに古いままの町並みや、田舎の風景の中を黒タクシー、Black Cabで移動したりと、バイオハザードモノに限らずやっぱりイギリスが舞台だと一味違って良い。
そして少佐が9代目ドクター・フーことクリストファー・エクルストンでびっくり。ただ、こちらの映画の方が先で、この時点ではまだドクターではないのだけれど。
吹き替え版だと、悪役は大塚芳忠と内田直哉という、まあ映画では悪役でお馴染みの二人で、ちょっと笑ってしまった。

バイオハザードモノでも、きっちりとまとめ上げ、対感染者というよりは終末に置かれた人間を描いているので、なかなか上出来。それ程予算がかかっておらず、こじんまりした印象だけれど、しっかりと作られている。監督のダニー・ボイルって、当たり外れが大きい監督だと思うけれど、これはホラーとしては当たり。

☆☆☆☆★

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