ノッティングヒルの恋人

2012年12月26日 水曜日

ヒュー・グラントジュリア・ロバーツ共演の1999年の恋愛映画「ノッティングヒルの恋人(Notting Hill)」。

普通な男性ヒュー・グラントと、有名人気女優ジュリア・ロバーツが偶然出会い恋に落ちる。

初っ端からファンタジー感全開。現代の優男、すけこましの象徴の様なヒュー・グラントが、何故かデートに受け狙いのTシャツを着て行こうとばかりする全く冴えない男と同居。ヒュー・グラントは店を畳むのが目的なのか、旅行案内本専門店を大都市では無い所で営んでいるし。始めの大女優だというジュリア・ロバーツの振りがありどうやって上手い事出会うのかと思ったら、偶然彼の店に速攻でやって来ると言う、問答無用、理屈なんてすっ飛ばした行き成りの都合の良い展開。しかも、出会って直ぐ理由も分からずキスしてしまう。殆ど当たり屋。この導入が酷過ぎて、真面目に見る気を無くした。そして、中盤はこれまでの恋愛映画で見飽きた様な至って普通な恋愛話。終盤の、皆で自動車で追いかける所から急にコメディ色が強くなり、最低につまんなくなる。それからの記者会見の場面で「あ、これって『ローマの休日』?」と思うけれど、だとしたら、あれ程の心地良く泣ける名場面がこんなクソの様になるかとため息が出てしまう。
これが失敗なのは、彼女に惚れる理由が分かり易いヒュー・グラント視点ばかりな事。ジュリア・ロバーツが何で彼に、彼の何処に惚れたのか一切分からず、女優でいる事の辛さを実際に体感し、不満をぶちまけるにも関わらず、女優を続けて行く理由も一切見えて来ない。風呂入ったら元気を取り戻しているから、単に頭の悪い、もとい単純な人間だからという事なのか?このジュリア・ロバーツに対しての「何で?」と「だったらさっさと女優引退して、慈善事業家になればいいんじゃないの?」という疑問ばかりで、全然ジュリア・ロバーツに共感性が無い。
それと何故ヘンテコな同居人と同居しているかの顛末も描かれはしない。単にコメディ・リリーフを入れないと笑いが少ないからのコメディ要員でしかない。
こんな粗っぽい、現実味の無い脚本何でだろ?と思ったら、「ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズ」シリーズ及び「Mr.ビーン」シリーズのリチャード・カーティスが脚本だからか。この人おざなりな形で脚本書かない為に作成期間が長いらしいけれど、それでこれって…。

途中で急にアレック・ボールドウィンが出て来るけれど、この1999年から以降変わり過ぎ。これではまだ若々しさがあって男前を演じているけれど、今はでっぷりとしたおじさんだしなぁ。
車椅子の女性役のジーナ・マッキーって、TVドラマ「ミッシング」で見て、ヒュー・グラントと似ているなぁと思っていたら、これで共演していたのか。

ヒュー・グラントは気の弱い男で、ジュリア・ロバーツは脅迫症的、精神に弱っている女優とちゃんと演技はしている。結局は脚本の恋愛映画という雰囲気と、描きたい事を描く為だけの粗さとお座なり感が駄目な要因か。

☆★★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply