ラッシュアワー

2012年11月04日 日曜日

ジャッキー・チェンクリス・タッカー共演の1998年の映画「ラッシュアワー(Rush Hour)」。

まあ本当に、ジャッキー・チェンの功夫アクションとクリス・タッカーのお喋りで出来ている映画。香港から呼び出された凄腕刑事と、無茶苦茶して目立ちたがり屋のはみ出し刑事コンビの、これまであった多種多様なバディムービーの一つ。この手のバディムービーは、ベテランと新人、白人と黒人という、マジョリティとマイノリティの二人が典型的な組み合わせだけれど、この映画では黒人がマジョリティで、外国人がマイノリティという、更に比較の関係を進めた、如何にバディムービーに新たな展開を見せるかな派生。最近だと最早バディムービー自体が使い古されている上、人間と宇宙人位やった所で「エイリアン・ネイション」ですでにしてるし、この二人の組み合わせも今見ても今更。
マジョリティとマイノリティのコンビだけれど、クリス・タッカーがジャッキーに「ちゃんと発音しろよ!」と言う場面があり、そのクリス・タッカーも相当癖のある黒人英語で喋りまくるので、見ている方からしたら「どっちもちゃんと発音しろよ!」という突っ込みが入る、マイノリティがマイノリティを笑っているという皮肉な笑い。しかし、ジャッキーがウキウキで黒人英語使って喧嘩になるとか、意外とマイノリティいじりの笑いは初めの方だけで、後半になると理解し合い協力して戦うという在り来たりの刑事モノになってしまい、見終わると初めのおもしろい感じも忘れ、まあ普通な刑事モノ映画に落ち着いてしまう。まさに手堅く平均点は取るけれど、それ以上は抜け出さないブレット・ラトナー監督作品そのもの。
流石にジャッキーのアクションは良い。何時もの小気味良い動きと、周りにある椅子やら絨毯やらを使ってのアクション、そしてコメディアクションも健在。ハリウッド的殴る蹴るのアクションより、カンフーアクションはやっぱりおもしろいし、ワクワク感は段違い。
ジャッキーが乗っているバスにクリス・タッカーが飛び付いて、ジャッキーが看板飛び付くなんて「ポリス・ストーリー」かよとか、クリス・タッカーの警察手帳の写真がコメディ黒人刑事と言えばこの人なエディ・マーフィー風だったりとか、結構くすぐりはある。ジャッキーがラジオを付けてザ・ビーチ・ボーイズの曲がかかって「彼らがアメリカを代表するバンドだ。」と喜ぶけれど、結構これ日本人でも当てはまるかも。アメリカ人でも歳行った人は「イェ~イ!」だけれど、若者は「オ~ウ…」って反応だろうけれど。あと、中国関係の話の映画では、高価な貴重な壺が壊れるのはお約束。
この映画の何が凄いって、日本語吹き替え版。主人公二人の吹き替えの石丸博也山寺宏一のはまり具合と安心感は半端無い。ジャッキー・チェンとクリス・タッカーはこの二人以外有り得ない。
それと「CSI:マイアミ」でホレイショの現場での相棒フランク・トリップでお馴染みレックス・リンが、これでもFBI捜査官の相棒で登場。

別に話的にはそんなでも無く、ジャッキー・チェンとクリス・タッカー二人の魅力でヒットした映画。

☆☆☆★★
 
 
関連:ラッシュアワー2
    ラッシュアワー3

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