ラッシュアワー2

2015年11月15日 日曜日

ブレット・ラトナー監督、ジャッキー・チェンクリス・タッカー共演の2001年の映画「ラッシュアワー2(Rush Hour 2)」。

ジェームズ・カーターは休暇でリーと共に香港を巡っていた。そんな中、アメリカ領事館で爆破事件が起こり、リーとジェームズ・カーターが捜査を始めるが、アメリカからシークレット・サービスがやって来て捜査に関わらない様にと忠告される。

前作同様、どの映画も見事に及第点すれすれの下を行く様な映画ばかりのブレット・ラトナーが監督で、前作の「ラッシュアワー」が主役の二人の魅力で引っ張っているけれど映画としてはそれなり程度だったので、不安ばかりしかない続編だったけれど、これが意外におもしろかった。

香港から始まる二人の掛け合い漫才は続編と言う事でしっくりとした組み合わせになっているし、香港でのジャッキー・チェンのアクションが建築現場の竹の足組みを登って行く所や、ジャッキー・チェンお馴染みの椅子や周りにある物を使った戦いや、ジャッキー・チェンが敵を殴るけれど逆に殴り返されての痛いという顔芸等々、香港映画時代の雰囲気のあるモノで、序盤から中々楽しい。
見知らぬ土地で異邦人であるクリス・タッカーは、一人でギャーギャー言ってのコメディも異質と言う部分で中々楽しくなっていたし。

ただ、中盤で何かよく分からないままアメリカに行ってしまってからは、1990年代によく粗製濫造されたアクション映画と変わりない様な冴えない出来になってしまう。
クリス・タッカーのジョークは段々しつこく感じるし、ジャッキー・チェンのアクションはあっても前半の方が良かったし、最終的なアクションでのボス戦となるチャン・ツィイーとの戦いは何故かジャッキー・チェンとのカンフー対決ではなく、クリス・タッカーのドタバタアクションでジャッキー・チェンと戦いもしないままだし。前半は場所が香港だったからクリス・タッカーが異質の存在でジャッキー・チェンの方が主人公となる話の展開も気にはならなかったけれど、アメリカに来てからは完全にジャッキー・チェンが主人公だったのに見せ場の為にクリス・タッカーがチャン・ツィイーと戦った気がしてならない。
そもそも、一作目は「黒人と外国人の中国人というマイノリティとマイノリティが反発しながらも協力し合う」事が一つの主題でもあり、おもしろい部分だったのに、この映画では本来マイノリティになるはずの香港でのクリス・タッカーは強烈過ぎる個性と押せ押せの性格で自分の国の様に闊歩してるし、香港でのジャッキー・チェンはアメリカのシークレット・サービスから横やりが入るのでジャッキー・チェンがマイノリティになってしまっているし、アメリカでは二人共マイノリティネタも少ないので、結果普通のアクション映画になってしまっている。

そうなっているのはどうしてもブレット・ラトナーのせいに思えてしまう。それと言うのも、ジャッキー・チェンのアクションは結構小気味良く見せてはいるけれど、前半の見せ場である竹の足組みでのアクションの見せ方がいまいち良くないから。狭い足場で動き回って戦っているのだから、その狭さや細かく動く動きを見せるだろうと思っていたのに、やたらと建物の正面にベタ付いた構図を多用し、足場内でのカットがほとんどない。折角の見せ場なのに手を抜いたのかと思う様なノッペリとした場面になってしまっている。それだけではなく、結局はブレット・ラトナーが何処を見せるべきかが下手クソだから、中盤以降はその見せるべきツボを外しまくっている気がしてならない。

この映画で一番おもしろかったのは、ジャッキー・チェンとドン・チードルのカンフー対決。この二人でカンフー決戦見たいと思わせる、中々息の合った場面だった。
ドン・チードルの出演もそうだけれど、ジャッキー・チェンとクリス・タッカーの共演の話題性よりも、ジャッキー・チェンとジョン・ローンやチャン・ツィイーとの共演の方が盛り上がる部分で、だからこそジャッキー・チェンとチャン・ツィイーの対決を見たかったし、ジョン・ローンのアクションも見たかった。
チャン・ツィイーってまだ初期だからか化粧が濃いからか、可愛くも見えるけれどあんまり可愛くも見えなかったりで、微妙な感じの顔の時期。
序盤の香港で二人が自動車乗りながら隣の二人組の女性に声をかける場面があるけれど、その一人が「何処かで見た事ある顔だなぁ…?」と思ったけれど、誰だかピンと来ないまま。後で調べたら、テレビドラマ「ニキータ」でお馴染みマギー・Qだったと知り、驚き。今と全然雰囲気が違って別人。この頃はジャッキー・チェンの元での下積み時代らしけれど、この映画が初ハリウッド映画出演みたい。

あと、一作目であったリーのビーチボーイズ好きは継続して、香港でも自動車でノリノリでビーチボーイズかけていたのがくすぐられた。このアメリカ人から見た中国人のビーチボーイズ好きネタって一体何なんだろうなぁ?

この映画、一作目よりも主役の二人の魅力が色濃く出ておもしろく見れるけれど、やっぱり話はどうでも良い感じだし、結局ジャッキー・チェンのアクションや顔芸とクリス・タッカーのコメディが非常に強く映画を引っ張っていているので、だったら変に香港行ってアメリカ行って、主犯は誰だったとか実は生きていたとか雑多な展開にする位だったら、もっと二人で見せた方が良かったのに…と思ってしまう映画。

☆☆☆★★
 
 
関連:ラッシュアワー
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