スーパーマンIII/電子の要塞

2022年06月24日 金曜日

リチャード・レスター監督、クリストファー・リーヴSuperman Ⅲ)」
シリーズ三作目。

巨大企業の社長ロス・ウェブスターは自社のコンピューター操作により社員に支払われていない給料の切り捨てられた端数を着服している社員がいる事を知り、その社員ガス・ゴーマンのプログラム能力を利用して気象衛星を操ってコロンビアの気象を荒らし、コーヒー豆栽培を駄目にして自社が儲かる様にする計画を実行した。
しかし、スーパーマンが現れて雨や竜巻を片付けてしまった為計画は失敗。
ロス・ウェブスターはスーパーマンを倒す為にスーパーマンの弱点であるクリプトナイトの成分を再現しようとした鉱物をガス・ゴーマンを使ってスーパーマンに送り付けた。
すると鉱物からの影響でスーパーマンは人格が変わり、人助けをしなくなり、生活が荒れだしてしまった。

シリーズ一作目が思っていた以上におもしろかったので二作目を続けて見てみたけれどいまいちで、その続編も二作目と同じ監督リチャード・レスターだったので余り期待せず見たら大分つまらなかった。

全体的にコメディ寄りになり、スーパーマンの活躍が少なく、コメディアンのリチャード・プライヤーが演じるガス・ゴーマンが主役かと思う位の場面の多さで、何を見せたいのかが散漫だし、そもそもこの話をスーパーマンでやらなくても…と思える内容だった。

始まりのオープニング・クレジットから面白くも無いドタバタのコメディの上にクレジットを乗せるという何だか分からないオープニング・クレジットで始まり、その後はガス・ゴーマンと言うよりリチャード・プライヤーのスタンダップコメディの独り舞台が延々と続き、スーパーマン無しでリチャード・プライヤーを主役にした突然プログラム能力を発揮して出世したり陰謀に巻き込まれたりするコメディ映画をやればいいじゃないという内容で全然つまらない。
スーパーマンの映画なのだからスーパーマンの活躍が見たいのに、その活躍はやたらと少なく、中盤で何故かスーパーマンが悪ぶれてしまい、スーパーマンの自分の心の中の幻影の投影なのか実際に悪スーパーマンとクラーク・ケントに分裂したのか分からないスーパーマン対クラーク・ケントの場面が出て来たり、最後は動かないデカい機械とスーパーマンが戦うというアクションとしては全く面白味の無いままで終わってしまい、やっぱりスーパーマンなのにスーパーマンを見せ切らない、コレジャナイ感満載。

恋愛部分も、二作目でクラーク・ケントとロイス・レーンがくっついたはいいけれど問題が起きたのでロイス・レーンの記憶を消して元通りという酷い終わりだったので、その次の展開はどうするのかと思いきや、ロイス・レーンは海外取材でいなくなり、クラーク・ケントは故郷のスモールビルに戻って、そこで旧友のラナ・ラングと出会って恋愛に発展して行くヒロインの交代劇が起こってしまって、やっぱりそこじゃない感が一杯。
ただ、ロイス・レーンは離婚して息子を育てているシングルマザーで、ずっと付きまとう元同級生の酔っぱらいおじさんを疎ましく思っていて、一方高校時代は冴えなかったのに大都会に出て新聞記者になったクラーク・ケントに対して憧れや尊敬や恋心があるという設定は今でも通用する題材でおもしろかった。
それに対してクラーク・ケントは、やっぱり気になる女性にスーパーマンをちらつかせてクラーク・ケントに興味を持たせようとする相変わらずのどうしようもない攻め方をしているのだけれど、これって一作目はまあそうだろうだったけれど、二作目でそれをやってロイス・レーンが精神的に参ってしまったのにまた同じ事をラナ・ラングでもしているのでクラーク・ケントが本当にどうしようもない男に見えてしまった。

敵も、ガス・ゴーマンは動機が金なのか、コンピューターに対する好奇心なのか、社長に弱みを握られているから渋々なのかがはっきりせず、よく分からない人物だし、ロス・ウェブスターはレックス・ルーサーの亜種矮小版で人物として弱いし、最後の大きなコンピューターはそもそもガス・ゴーマンはプログラム能力があっただけでコンピューター技師でもないのに設計とか言い出すし、最早コンピューターではなくコンピューターを搭載した巨大兵器だし、ネジ一本で強制終了出来たり、強制終了したと思ったら制御出来ずに自己判断で攻撃し出すし、姉のヴェラ・ウェブスターを取り込んで機械化して操作したりと無茶苦茶。

後から知って、へぇ~と思ったのは、ラナ・ラングを演じていたアネット・オトゥールは2001年からのテレビドラマ「ヤング・スーパーマン」でマーサ・ケントを演じていた事。

この映画、見たいスーパーマンをことごとくすかした様な展開ばかりで全然おもしろくなかった。
リチャード・レスターって、どうしてそこまでスーパーマンでコメディをやろうとしたのかがよく分からないし、何故スーパーマンを中心に置かないのかもよく分からなかった。

☆★★★★
 
 
関連:スーパーマン(1978年)
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   スーパーマン リターンズ
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