ジェイソン・ボーン

2022年04月01日 金曜日

ポール・グリーングラス製作・監督・脚本、マット・デイモン製作・主演の2016年のアメリカ映画「ジェイソン・ボーン(Jason Bourne)」
シリーズ五作目。
ただしマット・デイモンがジェイソン・ボーンを演じる映画としては四作目。

前作「ボーン・スプレマシー」から数年後。
世界を転々とするジェイソン・ボーンの下に元CIA局員のニッキー・パーソンズが現れ、CIAが新たな計画を行おうとしていると知らせて来た。
ニッキー・パーソンズからもらった資料の中にはジェイソン・ボーンを暗殺者に洗脳したトレッドストーン計画の資料もあり、トレッドストーン計画に父親が関わっていた事を知り、その事実を探ろうとする。
一方CIAはジェイソン・ボーンの存在に危機を感じジェイソン・ボーンを殺害しようとする。

このシリーズはジェレミー・レナー主演の「ボーン・レガシー」以外のマット・デイモンが出ている映画を続けて見続けて、一作目のおもしろさから二作目以降はほとんど同じ事の繰り返しで飽きていて、今の所最終作のこの四作目も見たけれど、やっぱりこれまでの映画の使い回しの様な展開が多くて大しておもしろくなかった。

このシリーズって、ジェイソン・ボーンが失われた自分の記憶を求める → それでは困るCIAがジェイソン・ボーンを殺そうとする → ジェイソン・ボーンが逃げる → ジェイソン・ボーンが反撃するという展開の繰り返しばかりを続けて来たけれど、この映画でもやっぱり同じ事を飽きずに繰り返している。
今回の序盤で大事な情報提供者が遠距離からの狙撃で殺されるのは三作目と同じだし、仲間となって連れ添った女性が序盤で遠距離からの狙撃で殺されるのは二作目と同じだし、CIAの上層部は常に何かしら悪い事をしていて、ジェイソン・ボーンがいたら困るので殺そうとするというのも全作同じだし、CIAの中にジェイソン・ボーンを理解して助けようとする女性局員がいるのは二作目三作目と同じだし、一人の凄腕の殺し屋がジェイソン・ボーンを突け狙うのは二作目と同じだし、見ている方にとっては結構どうでもいいジェイソン・ボーンの過去の記憶が思い出され、それが大した事の無い結末に行き着くのは三作目と同じだしで、このシリーズってずっと同じ事を繰り返している印象しかない。

それに、どんなに人が大勢いて混乱している場所でもCIAは簡単にジェイソン・ボーンを見付けるし、現地の警察も速攻でジェイソン・ボーンを見付けて追っかけて来るという都合の良さもシリーズ通して変わらず。
ギリシアの警察はあのデモから暴動になった混乱状態でも町の何処を封鎖しているとかの情報を速攻で完璧に集積しているという情報収集能力を持ち、混乱状態でも殺人を察知出来て速攻で部隊を送れるというトンデモない能力を持っていたりもして、ギリシアの警察最強過ぎ。

CIAも遠距離で携帯電話をハッキングして、その近くにあるパソコンに刺したメモリ内の情報を一瞬で消し去るという超技術を使っている割に、外部のディープドリームという何だか分からない技術を頼って世界での情報収集を企んでいたけれど、三作目でエシュロンを使って世界中の電話通信の中から特定の言葉を拾い出して話した人物を特定しているのだから今更何が必要だったのだろう?
このディープドリームも、開発者?創設者?が演説してけれど非常に抽象的な話ばかりで何をするプログラム?SNS?なのかもサッパリ分からない代物で、如何にもコンピューター関係をよく分からない人(ポール・グリーングラス?)がそれっぽい事を入れる為に適当に胡麻化してぶち込んだ感じしかしない。

そして、二作目三作目と比べると少しはましにはなっているけれど、普通の場面でもカメラをぶらし、アクション場面ではブレブレの映像を短く繋ぐ演出や編集は相変わらずで、やっぱり見難いし、誰が何しているのかが分かり難い。
このポール・グリーングラスの演出・編集は本当に嫌い。

この映画と言うか、シリーズ自体が二作目以降同じ事の繰り返しで二作目の時点で結構飽きていたけれど、似た様な内容で何故の更なる続編?と疑問に思ったし、2007年の「ボーン・アルティメイタム」から九年も経ってからの何故の更なる続編?という意味でもよく分からない映画だった。

☆★★★★
 
 
関連:ボーン・アイデンティティー
   ボーン・スプレマシー
   ボーン・アルティメイタム

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