沈黙の聖戦

2016年07月08日 金曜日

チン・シウトン監督、スティーヴン・セガール製作・主演の2003年のアメリカのビデオ映画「沈黙の聖戦(Belly of the Beast)」。

元CIA工作員のジェイク・ホッパーの娘がタイで誘拐された。早速タイへと飛び娘を見つけ出そうとするが、娘を誘拐した相手はかつてジェイク・ホッパーが追っていたテロリストであり、娘と共に誘拐されたのはアメリカ上院議員の娘であったのでアメリカ政府も動き出していた。

もう、スティーヴン・セガール映画って何かしながら、早送りの流し見しかしていないけれど、この映画も舞台がタイという目新しさ以外は無い、毎度の元特殊な職業の強い奴で家族の為に敵を皆殺しにしまくるという何時ものスティーヴン・セガール映画で流し見で十分。
それに何時も通り、結婚していない設定だと突然何処に惚れたのか分からないまま女性が寄って来ると言う、毎度のスティーヴン・セガールのオナニー的恋愛要素もあるし。
スティーヴン・セガールとアメリカ政府という二つの軸や、二重位に敵味方を入れ込んだ構成にしてはいるけれど、別にそこら辺を複雑にした所でアメリカ政府が積極的に絡んで来ないまま、結局はスティーヴン・セガールが無茶苦茶して終わるだけだし、その策略の解明も特に捜査する事無くスティーヴン・セガールが全部台詞で説明して終わりと言う酷い見せ方だけだし。
終盤に来て、突如敵方の呪い攻撃対正義の坊さん達による呪い返しという、何故そこで急にチン・シウトン的武侠映画要素を入れ込んだの?という不可思議な要素があるし。

監督のチン・シウトンが香港のワイヤーアクションで有名な人なのでそこが売りでもあるんだろうけれど、アクションはこれまた毎度の本人がする場面は手をバタバタさせて大して動かず、激しい場面は後ろ向きのスタントがするという省エネアクションも変わらず。派手なアクション場面ではスローで誤魔化し、功夫映画や武侠映画的な見得を切る見せ場もブヨッとした体型のスティーヴン・セガールでは全然カッコ良くないし。
酷いのは、スティーヴン・セガール本人とスタントでは明らかにスタントの方が動きの切れが良いと言う事。

スティーヴン・セガールだけのアクションでは功夫的なアクションを活かせず、スティーヴン・セガールの登場場面を減らす省エネ製作の為なのか、何でかバディモノとしてかつての相棒と再び共闘するのだけれど、この相棒のスンティって人見た事あるなぁ…と思っていたら、演じているバイロン・マンってドラマ「ARROW/アロー」でヤオ・フェイを演じていた人か。
で、このスンティを吹き替えているのが小山力也で、終盤の監禁された娘達を救いに行くって、「24」のジャック・バウアーなので笑ってしまった。。

あと、テロリストの親分がバンダナに長髪に髭って姿で、数学者の秋山仁っぽいのも笑ってしまった。

一番の謎は、このビデオ映画を監督したチン・シウトン。
チン・シウトンって香港人で、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」や「スウォーズマン」とかを監督した人で、ほぼ香港映画だけで監督しているのに、何故かこのスティーヴン・セガール映画だけ一応アメリカ映画も監督している。何で?

この映画、ちょっと変わった舞台設定を入れながらも省エネ・アクションとどうでもいい展開で、結局スティーヴン・セガール映画でしかない毎度お馴染みのアレ。

☆☆★★★

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