ウォーターワールド

2014年09月23日 火曜日

ケヴィン・レイノルズ監督、ケビン・コスナー製作・主演の1995年の映画「ウォーターワールド(Waterworld)」。

地球の全大陸が水没し、海水ばかりの荒廃した世界で生き抜くミュータントのマリナー。土のある世界を目指す地図の刺青を入れた子供を巡る争いに巻き込まれて行く。

設定はそれなりにおもしろいはずなのに、見終わった後の満足感の無さは一体何なのだろうか?
始まりのユニバーサル映画の「UNIVERSAL」という文字の後ろに出ている地球の北極の氷が溶け出し、陸地が水浸しになり、水に覆われて行くのは、始まりとしては上手く有りモノを使いながら状況説明していてなかなか良い。ただ、アメリカ映画だから北米に近い北極の氷が溶けているのだろうけれど、北極の氷が溶けても水面は上昇しないのだから南極の方じゃないの?と思うのだけれど…。もっと言うと、地球上の全ての氷が溶けて海面が上昇しても100m以下らしいので、大部分の土地は残っているし、それだけの氷が溶ける位だと相当気温が上昇しているはずなのに気温の上昇が無さそうだし、そもそも誰もが日焼けは薄いし。更に言うと、彼らの食料はどうしているのか?という事がある。真水が非常に貴重なのに、水分補給はどうしているのか?数日で全大陸が急に水没した訳でも無さそうなのに、土や植物を持って移動して来た様子も無いし。おもしろい設定ではあるけれど突っ込みが入る緩さが多いのが問題。それに水没しているのだから温暖化が要因としてあるのかと思ったら、主人公は突然変異の水棲人間だったり、巨大な謎の魚も登場したり、古いSF的な核戦争による滅亡なのか分からず仕舞いで、設定の根本自体がブレている気がする。
話も子供の背中に刺青があるのだから、多分ここ数年内に刺青が入れられたはずだけれど、誰が何故その情報を知っていて、何でわざわざ背中に入れたのかとかの話は一切無く有耶無耶のままで、基本的に脚本が緩過ぎる。
それに、この「荒廃した環境の中で何とか平和に自治をしている住民達が、外からのならず者達に襲撃され、それを見ず知らずの一匹狼が窮地を救う」という話、何かで見た事あるなと思ったら、「マッドマックス2」じゃん。要は海上版「マッドマックス」をしたかっただけなので、他のSF要素がゆるゆるなんだろうなぁ…。
主役のケビン・コスナー以外の人物達に魅力が無さ過ぎるのも問題。同行するジーン・トリプルホーンや子供は無駄口がうるさいだけで、いらん事ばかりする。敵の親分デニス・ホッパーは、流石に濃い人物なんだけれど、ただ無茶苦茶するだけの頭の悪さ。脇役が立って来ず、むしろうっとおしい存在となってしまうと流石に駄目だろ。

ただ、ケビン・コスナーの船はカッコ良い。意外とハイテクな作りで、あの狭い船上で動き回るアクションもあるし、小回りが利かない船でも躍動感を上手く出している。その船が活躍する始まりの襲撃からの逃亡までは良い調子で進んでいるのに、段々と「あれっ?」と肩透かし感が強くなり、おもしろい設定のはずなのにそれを活かし切れていない。

あと、行った事は無いけれど、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの目玉アトラクションの「ウォーターワールド」があるけれど、あれって「平和に暮らしていた人達の水上要塞が、無法者達によって破壊される」場面だったのか。アトラクションの「バックドラフト」の一番派手な爆発場面も、実は映画「バックドラフト」の兄と弟が和解し、助けるという感動する場面だし、USJって映画を見たと見ていないでは相当差を感じるアトラクションが有名なんだな。

この映画のメインタイトルの音楽は聞いた事があって、「成程、この音楽はこの映画のだったのか」と思う。ちょっとジョン・ウィリアムズっぽい感じと思ったけれど、ジェームズ・ニュートン・ハワードか。

笑ったのは子供の背中に掘られた地図の刺青。漢字で緯度・経度が掘られているのだけれど、それが「糸・韋・度」「糸・又・チ・度」と分離して縦書きになっていて、如何にも漢字を知らない欧米人が考案したインチキオリエンタル。

この映画、ケビン・コスナー映画に特徴的な「ケビン・コスナーがカッコ良ければそれでいい」的な、ケビン・コスナーだからの駄作という感じでもないのに、折角の設定を活かし切れず大した事無いSFアクション映画にしてしまった感じ。同じくケビン・コスナー主演で監督がケヴィン・レイノルズの「ロビン・フッド」を考えると、監督ケヴィン・レイノルズの力のアレさ加減が大きいのか…。

☆☆★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply