トゥームレイダー2
2014年08月30日 土曜日ヤン・デ・ボン監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の2003年の映画「トゥームレイダー2(Lara Croft Tomb Raider: The Cradle of Life)」。
アレキサンダー大王の神殿を見つけ出したララ・クロフトだったが、謎の相手に襲われ見つけた珠を奪われてしまう。生物化学兵器を作り出しているジョナサン・ライスがその珠を奪い、アレキサンダー大王が隠したパンドラの箱に入っている細菌を使い兵器化する目的があった。MI6からの依頼によりララ・クロフトは珠を奪い返そうとする。
前作の映画「トゥームレイダー」が余りに酷い出来だったからか、ヤン・デ・ボンに監督変更。だからなのか、至って普通と言うか、それ程おもしろい訳でもない程度のアクション映画にはなっている。一作目の様なCGを多様して無茶苦茶なファンタジー映画ではなく、女性版007的の様な世界を駆け回り邪悪な科学者の陰謀を阻止するという、言ってしまえば有りがちな内容。しかも、アンジェリーナ・ジョリーの相棒にジェラルド・バトラーがいるので、一人で遺跡を探索するゲームの「トゥームレイダー」のララ・クロフトでもなくなってしまい、本当に単なるアクション映画。ジェラルド・バトラーを相棒っぽくしたのは、それまであれ程活躍していたジェラルド・バトラーが終盤で突然ほぼ出なくなり、最終的に突然の対立になり、単に最後のあれをしたかったからの相棒を入れ込んだのか…と思うと、微妙過ぎる役ではある。
それに、単なるアクション映画だったのに終盤で行き成り前作同様の古代文明の超技術が出て来た辺りから映画の種類が変わってしまい、急にファンタジー映画に。映画自体が前作から別方向に進んでいたはずなのに、終盤でより戻しが起こってしまい雰囲気はバラバラで、映画内でもぶれまくっている。
今回のララ・クロフトも考古学の調べ物は執事や部下にまかせっきりで、単なる盗掘屋には変わりない。銃をぶっ放したい破壊衝動が抑えられない金持ちのわがまま娘で、人殺しも何とも思っていない人物なので、この主人公を見てどうせえと言うのだろうか?前作以上に彼女の背景が無いので、人物が物凄く薄っぺらいまま。
この映画、前作が酷い出来だったので、まだましにはなっているけれど、それでもつまらない。普通のアクション映画にしては緩いし、遺跡での仕掛けや探索を完全に放棄してしまい、最早「トゥームレイダー」でもなくなってしまっているし。前作は制作側の独り善がりで説明不足でグッダグダだったけれど、まだやりたい事、見せたい事がはっきりしていた(でもクソ)。それなのに今作は何がしたいのか、何を見せたいのかがはっきりせず、映画内でも方向性がガラッと変わってしまい、話が進むにつれ、まとまりの無い出来がはっきりして来る。
前作の出来から続編が作られる事自体奇跡に近いけれど、それを全く活かせず、反省もする事無く、あえてヤン・デ・ボンに監督を任せたのも凄い。
☆☆★★★
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