L.A.大捜査線/狼たちの街

2014年08月04日 月曜日

ウィリアム・フリードキン監督・脚本、ウィリアム・L・ピーターセン主演の1985年の映画「L.A.大捜査線/狼たちの街(To Live and Die in L.A.)」。
ジェラルド・ペティーヴィッチの小説「L.A.大捜査線」が原作。

シークレット・サービスのリチャード・チャンス達は贋札犯を追い駆けていたが、定年二日前のリチャード・チャンスの相棒が殺されてしまう。リチャード・チャンスは新たな相棒と犯人を追い続ける。

小説が原作だからか、じっくりと静かに描いているけれど、逆に言えば盛り上がりに欠け、遅い展開と演出。終始地味に犯人を捕まえる為に周りの小者ばかりを追っかけているばかりだし、ウィリアム・L・ピーターセンと同じ位ウィレム・デフォーの犯人側の話も見せるので捜査が全然進まない印象。それなのに始まった状態でも相当捜査が進んでいて、行き成り犯人のアジトに乗り込んで行ったり、特に振りも無いのに犯人の一味を空港で逮捕出来たり、すぐさま怪しい奴を追っかけたりと説明不足のまま行き成りの展開が多くて「んっ?」とつまづく。しかも、それまでもっちゃりと中々進まない展開だったのに、中盤を過ぎると贋札犯の捜査を進める為に関係無い犯罪相手から金をせしめるというよく分からない展開になり、しかも徐々に主役がウィリアム・L・ピーターセンから相棒の方になり始め、結果その相棒が主人公の真似し始めるって…何これ?

1980年代だからしょうがないのかもしれないけれど、特に何も無い繋ぎの様な場面では必ず80’sな音楽が流れるのがどうにもダサい。始まりも如何にも80’sな歌が流れて始まったり、ウィリアム・L・ピーターセンが物憂げに自動車を走らせている場面でも歌がかかったり、1980年代の映画では多いけれど、この演出、音楽とも合わさり今見ると相当ダサい。

何と言っても主役のウィリアム・L・ピーターセンが若い。もう「CSI」でのギル・グリッソムに慣れてしまうと、この映画の若くて細くて結構男前な感じで向こう見ずな行動派の役が新鮮だし、おもしろい。この路線で行っていたらギル・グリッソムは無かったんだろうなぁ。
ウィレム・デフォーは、やっぱり顔が怖いし不気味…と思っていたら、やっぱり犯人役でちょっと笑ってしまった。この人犯人役がやっぱり似合うしな。

何よりもこの映画の邦題がダサ過ぎる。「L.A.大捜査線」は言う程全然大捜査ではないけれど、まあまだ分からなくもないけれど、「狼たちの街」って何?昔から邦題の頭の悪さ加減って変わらないのか…。

この映画、始めは「おもしろいかも?」と思わせるけれど、結構早い段階からたるい感じで結構退屈し、終盤に行くにつれて毛色が変わり始め、最終的に「何これ?何したいの?」と結構ポカンとする。ウィリアム・フリードキン監督作って、「フレンチ・コネクション」もそうだったけれど、犯罪捜査の話ってダラッとして締まりが無く、結局何?的な感が強くておもしろくない。
そう言えば、ウィリアム・L・ピーターセンの代表作でもある「CSI」の通算200話「オグンのいけにえ(Mascara)」でウィリアム・フリードキンが監督をしていたけれど(ウィリアム・L・ピーターセンはもういない時)、シーズン9の中でも最低のつまらなさだったしなぁ…。

☆☆★★★

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