スティーブ・オースティン ザ・ハンティング

2013年12月19日 木曜日

キオニ・ワックスマン監督、ストーン・コールド・スティーブ・オースティン主演の2010年の映画「スティーブ・オースティン ザ・ハンティング(Hunt to Kill)」。
この映画、アメリカではソフトの初日の売上が良く、その年のオリジナルビデオ(Direct-to-video)では成功した一つらしい。

国境警備隊のジム・ローズは相棒を殺されたが仕事を続けていた。彼の娘が万引きで補導されたので保安官事務所に行ってみると、犯罪者達が押し入っていた。彼等は仲間にハメられ、債権を持ち逃げした男を探していた。娘を人質に取られたジムは協力し、その男を探す為に犯罪者達と山へと入って行く事になる。

始めの方はおもしろそうな感じの展開なのに、皆で山に分け入り始めてからはしょうもなくなる。
相棒の死。仲間割れした犯罪者達。それらを始めに振っているのに、相棒の死が何かに繋がるフリでもないし、犯罪者達がどう絡んで来るかと思いきやすんなり主人公と行動を共にさせるので緊張感の無いまったりした感じになるし、展開がおもしろくない。
主人公と犯罪者を一緒に行動させる意図は分かるけれど、結構無理矢理な導入。元仲間を探す為に、元仲間がいる近くの町の保安官事務所に押し入る意味が分からないし、自分達で探せばいいモノをわざわざ何者かも知らぬSCSAを協力させたりと、犯罪者達が微妙過ぎる。始めの一幕で、繋ぎの作業着の下にカジノ関係の服を隠し着ていて、コンピューター担当の男がいて、無記名債権を強奪して来るので、ある程度知的な犯罪者集団かと思いきや、山に入ったら行き成り女性を襲う、仲間で殺し合うといった単なる頭の悪いチンピラ集団でしかなくなるし。
ついでに娘の頭の悪さもいらない。彼女がギャーギャー騒ぐ度に見る気が失せて行く。
始めに入れていた、相棒から送られた時計のベルトの紐の使い道が、崖を降りる為に体を結ぶ綱を木に巻きつける為という、非常にしょうも無い使い方しかしないし。
この設定だと、如何に主人公が敵を引き付け、騙しながら倒すかが見せ場なのに、SCSAは終盤にならないと活躍し始めないし、敵が皆アホなのでやたらと一人になってしまい簡単に主人公と一対一になって見ていてもおもしろくないし、SCSAが一方的に敵をなぶり殺しし始めるのでちょっと引き始めるし。
監督のキオニ・ワックスマンは「沈黙の逆襲」「沈黙の鉄拳」とかのスティーヴン・セガール映画を撮っている人なので、まあ、そんなビデオ映画の駄目な感じで一杯。

今回のプロレス的な部分でのSCSAの見せ場としては、序盤のアームロックから足首ねじったりする寝技と、最後の対決で走って来た敵に対してかますクローズライン位か。

ちょっとおもしろいのは、吹き替え。スティーブ・オースティンは、ほぼ彼専属となっている岩崎ひろしで安心感があるのは良いんだけれど、始めは仲間だったけれど対立する事になる敵方の主要人物二人の吹き替えが麦人井上和彦という、「LOST」のジョン・ロックジャック・シェパードの関係性みたいな二人が担当。井上和彦のギャーギャー騒ぐ悪役って珍しい気がする。

この映画、ストーン・コールド・スティーブ・オースティンだから見たけれど、やっぱりビデオ映画的な要素しかない、まあ面白味の無い映画。設定を活かせよ!フリを上手い事まとめろよ!もっとSCSAを活躍させろよ!アホはもういいよ!とか、不満といらない部分一杯。

☆★★★★

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