30アサルト 英国特殊部隊

2013年12月20日 金曜日

エイドリアン・ヴィットリア監督、ショーン・ビーン主演の2011年のイギリス映画「30アサルト 英国特殊部隊Age of Heroes)」

第二次世界大戦下のイギリス軍。特殊部隊のジョーンズ少佐は、ドイツの最新レーダーの情報を盗み出す極秘作戦を指揮する事となった。その部隊の中には、上官を殴り脱走兵として刑務所に入れられ、その刑務所からも脱走した兵士がいた。

この映画、当時実際に存在した「第30コマンド部隊(No. 30 Commando)」の活躍を描いているけれど、実に地味な上、盛り上がりはない。
特殊部隊を率いての極秘作戦の依頼から始まるから期待感を煽るけれど、序盤は兵士を集めて基本的な訓練から初めるので「あれっ?」感が。作戦には時間制限もあるのに訓練から、しかも銃の撃ち方とかから始めていて、何で素人同然の兵士で重要な作戦に乗り込むのかがよく分からない。普通は各分野に秀でた精鋭を集めるモンじゃあないの?しかも、兵士は素人っぽいのに、上官は「これが成功すれば、特殊部隊の未来が変わる!」と大きく出るので、物凄くチグハグ感があって見ていても戸惑いが大きい。実戦訓練も無いまま実戦に出る素人的な兵士なのに、結構な数の兵士がいる部隊と渡り合い、大勢を撃ち殺し、見事に脱出してしまうので、やっぱり初めの訓練を延々見せるのは部隊の強さの説得力からも、映画の構成としてもいらない。
これ以降の実際の作戦は、ノルウェーの山岳地帯を延々と歩き、特に盛り上げる事も無く進んで行く。派手な爆発もあるし、仲間を見捨てなくてはいけない辛さもあるにはあるけれど、それも取って付けた感じで、全体的に興奮が欠ける展開。
登場人物も、群像劇にしてはあんまり各人物が立って来ないし、ショーン・ビーンとダニー・ダイアの関係を描くにも全然描きが足りないし、二人のどちらかにもっと絞って見せてもいい様に思う位散漫。そもそもダニー・ダイアの脱走兵という役柄が特に生きて来る様な場面も無く、何でわざわざそんな役柄にしたかもよく分からない。前半の尺稼ぎ、重厚さや奥深さを出す為なのか?

第二次世界大戦での極秘作戦に挑む特殊部隊なら、もっとおもしろくなりそうなのに、物凄くのっぺりと盛り上がりが無い。人物を描くには散漫。まばらに起こる地味な事件。撮影はほとんど荒野か雪山だけで、当時の街の風景とかもほぼ出て来ず、物凄く安く仕上げた感。脚本、映像、どれを取ってもあと一歩ではなく、あと十歩は足りない。

☆★★★★

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