沈黙の逆襲

2013年12月04日 水曜日

スティーヴン・セガールが主演してればとにかく「沈黙シリーズ」。「沈黙の奪還」に続き、やっぱりこれも何ら繋がりは無いけれど「沈黙」を付けるしかない2009年の映画「沈黙の逆襲(The Keeper)」。

同僚の刑事に裏切られボディーガードとなったスティーヴン・セガール。友人の娘を守るボディーガードとして、やっぱり襲って来る敵を殺しまくる。

毎度お馴染みの過去に何かしらあった警官という、まあ見た事しかない人物設定。で、彼が大きな動きも無く武術で敵をなぎ倒し、銃を撃ちまくって敵を殺しまくるという、何時もの奴。
初っ端から、仲間の裏切りは良いのだけれど、裏切った仲間は正面からスティーヴン・セガールを撃ったのに殺していない間抜けで、一方のスティーヴン・セガールは正面から撃たれているのに死なず、すぐさま何時もの無敵のセガールに回復する超人ぶり。その回復も、「ナイフ投げる練習をし、一本目は刺さるけれど二本目は上手く刺さらない。薬飲む。今度はナイフ二本目刺さるけれど三本目刺さらない、薬飲む。」という繰り返しで、その日数時間で薬飲んだだけで回復してしまう演出に笑ってしまった。ゲームの回復方法並みのお手軽さ。
序盤の馬鹿馬鹿しさはあるけれど、それ以降特に何か起こる訳でも無く、非常にまったりと話は進み、一時間位特に派手な事も無く退屈。そしてその後は非常に素直な、真っ直ぐな展開で、殺しまくって終わるだけ。途中、娘との交流が描かれもするのだけれど、それが何かに繋がるフリでも無く終わってしまう。何より、初めに見せた、死にかけて動きが本調子ではないというのも、それ以降何にも関係無く無敵のスティーヴン・セガールに。セガールが歳取って、太って動きが良くない為の言い訳なのだろうか?
そのスティーヴン・セガールを最早アクション俳優と言うのはどうなんだろう?飛んだり跳ねたり、激しく動き回るのがアクション俳優なはずだけれど、セガールは手をちょこまか動かすだけで、無傷で相手を殴り殺してしまうし、それ以外の演技もほぼジッとして喋るだけ。省エナジー俳優を極めに行っている。
「沈黙の奪還」でもあったのだけれど、場面によっては後姿が明らかに別人。下半身だけしか映っていないとか、本人の顔が映っていない時は別人の様だ。相当スティーヴン・セガール本人の問題としてスケジュール管理は難しいのか、それとも早く、安く仕上げる為の節約なのか?

それに、手持ちカメラでブレさせまくり、早いカットで繋いだら緊迫感が出ると勘違いな演出で、目がチッカチカして見難い事限りない。

「沈黙の奪還」が何のこっちゃの連続で、見ている方置いてけ堀で、理解しようにも省きまくりの展開で見るだけ無駄だったのに対して、こちらは非常に分かり易い、真っ直ぐな程真っ直ぐな展開で、こんなに捻りも何も無ければ逆に見る必要も無い映画。スティーヴン・セガールが何時通りのスティーヴン・セガールで、何か新しい一風変わった事や、映画として見せる事すら放棄した、特筆する事も無い映画。

☆★★★★

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