ダーティハリー4
2013年10月19日 土曜日クリント・イーストウッド製作・監督・主演のシリーズ四作目、1983年の映画「ダーティハリー4(Sudden Impact)」。これまでは毎回別の監督だったが、今回はこのシリーズ初のクリント・イーストウッド監督作。
ハリー・キャラハンは担当した事件の被告が無罪となり、諦め気味の日々を送っていた。その被告達がハリー・キャラハンを復讐の為の襲い、結局はハリー・キャラハンが皆殺しにしてしまう。そのせいで出張とは名ばかりの休職に近い事件捜査を担当させられる事に。その事件は、ある姉妹が暴行を受けた復讐の為の連続殺人だった。
「ダーティハリー3」が全然大した事の無い映画だった為か、三作目から七年後の四作目。クリント・イーストウッド自ら監督としてまでやっているのに、非常に微妙な内容。
序盤は特に見せ場も無く、ハリー・キャラハンがぼやきまくると言うパッとしない場面ばかり。その後もグダグダと物語は特に進みもしない感じで聞き込み捜査ばかり続き、一方で犯人が主役の様に多く登場して次々と復讐を果たしているのに、その周りをハリー・キャラハンがうろつく位でハリー・キャラハンが全然活躍しないので、まあつまらない。ハリー・キャラハンが暴れるからの「ダーティハリー」じゃないの?中盤以降、主役はほとんどソンドラ・ロックじゃん。
偶然に強盗犯と遭遇する、追っている事件の犯人と偶然出会っているとか、都合の良過ぎる展開にも辟易。
それに、ハリー・キャラハンが自動車で走っていると偶々強盗犯に遭遇し、道の老人ホームのバスで強盗犯を追っかけたり、新居には太ったブルドックがいて、そのブルドックと一緒に行動したりと、もうコメディ。ブルドックがおしっこして「泣けるぜ…。」と言うハリー・キャラハンを見せられてどうしろと?そんなコメディリリーフなハリー・キャラハンに、こっちが泣けるぜ…。
クリント・イーストウッドが監督しているので、相手役の女優は当時クリント・イーストウッドが付き合っていたソンドラ・ロック。他の映画でもソンドラ・ロックを使っていて、ソンドラ・ロックが登場するとクリント・イーストウッドへの「あ~あ…。」感が一杯。
一作目の「ダーティハリー」はハードボイルドで非常に渋く、カッコ良かったのに、回を重ねる毎に普通な刑事モノになり、コメディ色も強くなり、おもしろくなくなって行く。この映画でも真面目な顔してコメディしているハリー・キャラハンなので、カッコ悪過ぎ。それにクリント・イーストウッドが監督をしてしまった為なのか、ハリー・キャラハンの活躍どころか中盤では登場すら少なく、もう別にハリー・キャラハンでなくてもいい様な映画になってしまっている。