ダーティハリー3

2013年10月18日 金曜日

クリント・イーストウッド主演のシリーズ三作目、1976年の映画「ダーティハリー3(The Enforcer)」。

ハリー・キャラハンの相棒が武器泥棒を見つけるが撃ち殺される。ハリー・キャラハンは捜査を始めるが、その強盗団は市を脅迫するテロリストだった。ハリー・キャラハンには彼が面接で役に立たないと言った女性刑事が新たな相棒として付く事に。

前作以上に地味で、あんまりおもしろくない。初めの、救急車に乗りたいから心臓発作の仮病をする男とかなんて非常にどうでもいい話を掴みで持って来たり、この時代の女性の社会進出、ウーマン・リブを盛り込んでハリー・キャラハンの相棒を女性にした分、変にコメディ要素が強くなり、今までのハードボイルドなハリー・キャラハンがコメディーリリーフ染みてしまっている。女性の相棒の導入は全然違う二人の不釣り合いを狙ったのだろうけれど、それが上手くはまっておらず、ただ不釣り合い。終始彼女の存在が活かされず、結局殺してしまうというおざなりな扱いだし。
敵の無常な殺人も減ったし、何よりハリー・キャラハンの活躍が少なく、容赦無く銃をぶっ放して解決する無茶苦茶さも減ったしで、三作目の落ち込みは結構酷い。最後にバズーカ砲をぶっ放して敵を粉微塵にするけれど、それもいまいち。

吹き替えで見たのだけれど、今見るとおもしろいのは若いビッチな女性の吹き替えが小宮和枝という事。今だといかついか、きっついおばさん役での印象しかないけれど、40年前近くだから若い女性役なのは普通なのか。それに若本紀昭、今の芸名若本規夫が神父役で出て来るのだけれど、演技は物凄い普通。今のほぼ個性で突っ走っている変な演技でもなく、若い時の方が面白味は無いけれど演技的には良い。

ヒット作の三作目なのに、ハリー・キャラハンという良い人物を活かさず、ハードボイルド色は薄れ、これまでのシリーズでは一番つまんない。全てに置いて弾けっぷりが足りない。これまで二・三年毎に公開されていた人気シリーズなのに、次作「ダーティハリー4」は7年後の1983年という間が開いているのだから、まあこの映画のいまいち感は推して知るべし。

☆★★★★
 
 
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