WrestleMania 29

2013年05月03日 金曜日

基本は「This Week in WWE」の方を見ているので、「レッスルマニア」はアメリカより一ヶ月遅れになってしまったけれど、2013年の「レッスルマニア29」を見てみた。

近年はWWE自体が「TV-PG ERA」なんて揶揄されていたりもして、年一番、何だったらアメリカンプロレス界一の大会「レッスルマニア」も段々と微妙な感じになって来ているかもしれない。
それぞれのレスラーのこれまでで思った事と試合の感想等。
 
 
1.シェイマスランディ・オートン
ビッグ・ショー vs シールド(セス・ロリンズディーン・アンブローズローマン・レインズ

この開幕戦って、シールドは3対3でないといけないので、それ程他のストーリーに絡んで来なかった余りの人達と組んだ感じが強い。

シェイマスは昨年の「レッスルマニア28」が酷過ぎたけれど、その後は王座防衛し、手放しても王座戦線に絡んで来ていた割りに、今更ブローグキックが危険だから停止命令とか、やっぱり何だかパッとしない感じだった。
ランディ・オートンは欠場とかで目立たず仕舞いな感じだけれど、人気が高いからこの試合みたいな感じ。もっと後の試合、王座戦級で試合しそうな雰囲気はあるのに、現状のWWE内での扱いはこんな感じかぁ。
ビッグ・ショーは2012年にヒールターンして結構活躍したのに、去年も急な試合組みだったけれど今年も急に対シールド要員になり、ヌルヌルとベビーフェイスに移行した気持ち悪さ。
シールドって、それなりに跳ねた感じはあるけれど、最近の似た様な「ネクサス」に比べるといまいち弾けた感が無いし、何より押されていたのは対ライバック要員でだったけれど、「ライバック→ゴールドバーグ」で、試合に乱入してぶち壊す団体芸「シールド→NWO」じゃん。最近は会場にビデオレターで自分達の主張を見せるなんて、これまたNWOみたいな事しているし。NWO的にもっと無茶苦茶すればもっと盛り上がったはずなのに、シールドの三人が地味というのもあるし、ちゃんと入場曲なってから毎度客席からの登場って、ちゃんと会社の言う通り感が見え透いてしまうし、もっと登場に工夫した方が良い。対シールドとして、スティングみたいに誰かが会場の上からサーっと降りて来る位したらいいのに。そうしたら完全に、熱くてアメリカンプロレス業界自体が盛り上がっていたWCWそのまんまになるか。

試合的には、シールドは相手をボコボコにする人達ギミックなので、殴る蹴るが中心でプロレス的にはおもしろくなく、相手の三人もTV放送位の何時もの技で大して見せ場も無く、結局「ビッグ・ショーはヒールですよ。」と説明した位の試合。
本当はこの試合でシールドが負け、そのゴタゴタでシールド分裂後にそれぞれが独り立ち…という展開かと思ったら、もう暫くシールドは同じ展開で行くのか。
 
 
2.マーク・ヘンリー vs ライバック

これも、WWEが押しているライバック用に怪力対決として入れ込みました感が強い試合。

マーク・ヘンリーは休場が長く、「レッスルマニア」で試合組む程目立ってはいなかった。
ライバックは今年度のWWEの微妙感を象徴する様な人物。初めて出た時からゴールドバーグ。劣化版ゴールドバーグ。今だに「ゴ~バ~!ゴ~バ~!」と観客からのゴールドバーグ・コールが出て来てしまう始末。怪力ギミックにしては本人に迫力や強さが無く、周りのレスラーはライバックよりも大きい人も多いので彼が小物に見えてしまい、しかもレスリングが上手くもないのでギミックが先行してばかり。登場して早々「ヘル・イン・ア・セル」で王座戦とか会社側の押しが強過ぎるけれど、それまで対シールドだったはずで、本来ならライバックを中心に「レッスルマニア」で決着のはずが、前のPPVでそれをしてしまったモノだから非常に宙ぶらりんな位置に。折角それまで続けていた流れを止めて、急にマーク・ヘンリーとの対決に押し込んでしまった感じで、WWEはライバックをどうしたいのだろうか?

試合も、パワー対決という部分を押していたのだから、二人共もっとガッチガチに正面からぶつかればおもしろくはなるはずなのに、マーク・ヘンリーが一方的。ライバックは少し攻撃しては、休憩。最後は技を返されただけで負け。一体WWEはライバックをどうしたいのだろうか?
 
 
3.ドルフ・ジグラービッグ・E・ラングストン vs チーム・ヘル・ノー(ダニエル・ブライアンケイン

今年度一番跳ねたのが、ヘル・ノーの二人。ダニエル・ブライアンは「YES!YES!」から「NO!NO!」に変わっても会場人気が高く、ダニエル・ブライアンが必死に「NO!NO!」言っているのに、最前列のお客が分かって必死に「YES!YES!」という即興コントは笑ったし、ケインも完全ヒールのマスクド・ケインとして復活したはずが、何時の間にやら「I am the tag team champions!」と張り合うコメディ担当に。ケインって、元からちゃんとヒールがはまるギミックなのに、こういったお笑いも担当出来る良い意味で非常に便利屋。以前のヒールの時の舞台裏の場面では、スタッフの「キュー」を出す手が見えていて、それを見てからちゃんとヒールを始め出すケインを見て、この人真面目で、見た通りのキッチリした人なんだろうなぁと感心。
ジグラーは、マネー・ケースを持ったまま王座戦に絡んで来る風でタッグ王座戦って、やっぱりヘル・ノーに相手がいなかったんだろうなぁ。急にタッグ・トーナメント開いたり、シングル時のギミックなら組みそうにないコーディ・ローデスダミアン・サンドウのローデス・スカラーズがタッグ戦線に来たりと、跳ねたヘル・ノーの為に一生懸命に周りを回している感じ。ジグラーはマネーを取らせて王座戦線に入れ押し出すはずが、ロックやレズナー、ライバックとかメイン級に人入れ過ぎた為に、次の出番待ち感がある。今回も全然マネー使わなかったし。ジグラーのバンプはショーン・マイケルズ的で、金髪と言うのもあるのかもしれないけれど、動きやズルさ加減がリック・フレアー的で、ダニエル・ブライアンとの長時間の試合が見ていたい。

試合は、きっちり試合を見せる人達なので、ラングストンじゃあなく違う誰かの方が良かった。それに試合時間が短過ぎ、凄いあっさりな試合で、全然ヘル・ノーの良さが出て来ず、TV番組での顔見せ的試合位なのが勿体無い。
 
 
4.ファンダンゴ vs クリス・ジェリコ

これは今年の「レッスルマニア」で最も酷い組み合わせ。

ファンダンゴを「レッスルマニア」で試合させる恐ろしいWWEの押しっぷりって何だ?ファンダンゴのギミック自体、踊りを踊りながらやって来るという本来ならお笑い担当のレスラーなのに、気分が乗らないからとか言い出す小物感一杯のヒールなので、完全なギミック間違い。笑いに行くとディスコ・インフェルノになってしまうからかもしれないが。
クリス・ジェリコは、去年のやたらと意味深な「End of the World」でヒールで復帰したけれど、どうにもいまいちな感じのままで再び欠場し復帰で、ちゃんと元のベビー的なクリス・ジェリコに。しかし、それもどうにも便利使いのままで、この「レッスルマニアでもファンダンゴの売り出しに協力されられる始末。こんな役回りなのは、「FOZZY」の活動で休んだり出たりで長期のストーリーを組み難いからから?

試合もクリス・ジェリコでもファンダンゴ相手じゃ当然おもしろい攻防も無く。ジェリコが攻めてファンダンゴがバンプをする、練習を見せられている感じ。この試合「レッスルマニア」じゃなく、「RAW」とかでよくない?
 
 
5.ジャック・スワガー vs アルベルト・デル・リオ

ジャック・スワガーは復帰前はジグラーの後ろに隠れてしまい、どうにもパッとしなくなってそのまま消えてしまったけれど、戻って来たら行き成り「レッスルマニア」の王座挑戦ってどんな押し方。しかも、スワガーはうっとおしい愛国者ギミックで、それまでメキシコの金持ちでアメリカ人を馬鹿にするヒールだったデル・リオがベビーになったら受け入れられるって、物凄いぶった切りな流れ。しかし、保守寄りなWWEでこの愛国者ギミックがヒールになり、デル・リオがベビーって、アメリカの国民は自国の保守化に辟易しているのか、単に観客はWWEの言い成りで「ベビーに歓声、ヒールにブーイング」という決まりをキッチリ実行しているだけなのか、いまいちよく分からない。
デル・リオは今までずっとヒールだったのに簡単にベビーになってしまい、ヒールの方が全然輝いていた。特に、身を挺してデル・リオを救おうとするけれど毎度ボコボコにされ、ボコボコにされても全然心配してもらえない健気なリカルド・ロドリゲスが大好きだったのに、デル・リオのベビー転身で優しくなって普通に気遣ってもらえる様になってしまったので、リカルド・ロドリゲスの噛ませ犬の魅力が大幅減少。ヒールの腰ぎんちゃくだからおもしろいのに。デル・リオのベビー化は、毎回の高級車に乗っての登場での自動車の賃貸料を削減する為なのかな?
そう言えば、デル・リオと言えば、クリスマスの時の「RAW」でサンタ・クロースの格好をした人を登場の自動車で引いてしまって心配するというトンデモなく酷いコントがあったけれど、本来ならその回の「RAW」はクリスマスだから普段よりも高いであろうはずの視聴率が、どうやら「過去十五年間で最低」だったらしい。

試合は、両社ともレスリング出身だから、ねちっこいレスリングらしい試合を期待するけれど、攻防も結構あっさりで、決着までもあっさり。観客の反応も非常に低調だったし。

この試合、ヘビー級王座戦なんだけれ、年々WWE王座以外の価値が下がっているのを象徴している。まだ全然中盤。インターコンチネンタル王座なんか、本放送前のインターネット向けのプレ・ショーだったし。
 
 
6.CMパンク vs ジ・アンダーテイカー

近年のWWEの製作側の迷走が際立ったのがCMパンク。彼は「マイク爆弾(Pipe Bomb)」で一気にトップに登り、その言動がヒール的なのにベビー的人気と言う、かつてのストーンコールド・スティーブ・オースチンやザ・ロックみたいな所へ行って一気にWWEを引っ張るかと思いきや、2012年にヒールターンさせてしまい、そのヒールも「尊大な王者」という至って王道なギミックで、長期政権にも関わらず勢いが格段に落ちてしまった。勿体無いばかり。長期の王者として「レッスルマニア」前まではザ・ロックと抗争して結構おもしろかったのに、それも「ザ・ロックVSジョン・シナ」の試合向けにザ・ロックにベルト取らせて「ザ・ロックが凄い」と言う説明の為の振りに使われている感じは否めず、何か便利使いされている気がしてならない。早く元のヒールでもベビーでもない所に行かないと、このままズルズルと普通な中堅所として便利屋になってしまう様な気が。そう言えば、CMパンクが「俺に対する尊敬が足りない!」と言っていたけれど、それってジ・アンダーテイカーがヒールターンした時も同じ事言っていた様な気がするけれど…と思っていたら、この試合の振りだったって事か?CMパンク的には、王者としてメイン戦よりもアンダーテイカー戦の方が良いのかな?
ジ・アンダーテイカーは「レッスルマニアで無敗連勝記録を更新」という事を与えた為に、もう体的にはキツイのでここ数年は「レッスルマニア」前に突然出て来て「レッスルマニア」だけで試合する人になってしまっている。レギュラーで出れないので抗争が唐突で、しかもそれなりの相手と対戦しないといけないので「レッスルマニア」までの話が描けない…という中途半端な位置に。それならハッキリと番組内で炎に包まれて死亡したけれど「レッスルマニア」で蘇るという様なアンダーテイカーらしいギミックで出てくれば良いのにと思うのだけれど。

試合は、CMパンクのスペイン実況席へのジャンピング・エルボー辺りまでは結構もっちゃり進み、その後は結構おもしろい攻防になるけれど、後二三押し欲しい所。去年の対トリプルH戦に比べると、いまいち。
てっきり、これでCMパンク勝たせて、シナとのWWEの2トップ体勢にして完全な新時代へとかと思っていたけれど、まだまだアンダーテイカーは色んな意味で強いし、WWEとしても必要なのか。
 
 
7.ブロック・レスナー vs トリプルH

ブロック・レズナーが復帰して大きな話題にはなったけれど、明らかなPPVのみの試合の契約なのでレギュラー陣とは長い話を続け難い事もあり、相手としては格的にもやっぱりHHHになってしまう。抗争はコマ切れになり、一応因縁を作り出しているけれど契約が見え隠れしてしまい盛り下がってしまう。彼の久々の登場での盛り上がりはあったけれど、参戦後の話はそんなに効果的でもなかった様な。しかし、因縁を盛り上げる為に67歳になってもF5を受けてしまうビンス・マクマホンはやっぱり凄い。
トリプルHは今年は何試合かしたけれど、印象としてはブロック・レズナー専門の対戦相手。「レッスルマニア」までに何回も試合をしているし、すでにレズナーに負けて引退をほのめかして暫く出て来なくなったしで、今回でもまた感は強い。それにしても、アンダーテイカーもそうだけれど、ここに来て丸刈り頭にするのは何で?今、急な見た目の変更しなくても。トリプルHは丸刈りに革のジャケットなので、見た目が素顔で出ていたWCWの時のゴールダスト(その時はダスティン・ローデスで)みたい。
あと、以前の「RAW」でブロック・レズナーを打ちつけて流血させたけれど、あれって後でビンスやステファニーに怒られたのかな?生放送での大流血は流石にまずく、その場面を今振り返る時は白黒映像にして血を目立たなくしている位だし。その後もポール・ヘイマンを殴って流血させているし。しかし実は、「アティテュード路線よ、もう一度!」という事を狙って、会社には事故と見せながらの主張?
HHHの入場の時、設置された門からの煙の噴出孔が体に近く、彼の腹部に氷がビッチリ付いてしまったのに笑ってしまった。折角カッコ良く登場するはずが、お腹にホイップクリーム付けて出て来たのかと見えてしまった。

試合は非常に順当な展開。トリプルHは引退をかけて戦い、一方のレズナーはスポット参戦となれば、レズナーが一方的に攻め、トリプルHがボコボコにされながら、そこから今までやられてきたアームロックで形勢逆転させ、ペティグリーでトリプルHの勝ち。まあそうなるだろうという展開で、これも目玉として機能したのだろうか?
レズナーはスポット参戦だけあってか、一回思いっ切りペティグリーの受けのタイミング間違えて失敗させていたよね?
 
 
8.ジョン・シナ vs ザ・ロック

シナは苦難の一年ギミックだったけれど、やっぱり常に中心は彼なので、ここであえて大々的に世代交代を大きく出す必要があったのかと思う。そう言えば「レッスルマニア」での入場のブーイングは、何時もよりも何割も増しだし、よく響くなぁ。
ザ・ロックはやっぱり今でもトップスター。今も歓声と爆笑を起こせ、しかもチャントの大合唱も起こして会場を盛り上げているのを見ると、WWE的には今この位置のスターを作り出したいだろうなと思う。だけれど、「レッスルマニア」前まではCMパンクとの抗争が結構おもしろかったので、再びシナとの抗争に戻っても既定路線感がバリバリで、始まる前の盛り上がりが欠けてしまう。

試合的には、前半はそれなりに両者の攻防があるけれど、寝技が多く結構もっさりしていて全然盛り上がらず、観客も結構静まり返っていた。後半になると去年の因縁を入れながら大技の攻防で盛り上がるけれど、二人共持ち技の数がそんなに無いので同じ様な切り返しになり、ゴングまでの盛り上がりが弱く、あっさり目に勝負がついてしまった感じ。それに、シナの勝利で「これからWWEを引っ張るのは俺だ!」という今後の展開も非常に妥当過ぎて、「まあ、そうだね…」。
主役が誰かの宣言ではあるけれど、流石にシナが右手を突き上げ「You Can’t See Me」をしようとしたら大ブーイングで、ロックがピープルズ・エルボーしようとしたら大歓声じゃあ世代交代は出来ていない。結局両者が認め合う結末も観客からはブーイングが飛ぶし、WWE側の「ジョン・シナこそがチャンピオンだ!」という意図が見え過ぎてしまい、それ以上のモノをシナが試合で出せず仕舞いの感が強い。WWE的には「レッスルマニア18」でのザ・ロック vs ハルク・ホーガン戦をもう一度という意図という意味で一年以上かけての移譲劇を展開した割に、最終決戦でそれが決して上手くは行かず、突き抜けないWWEの低調振りを象徴するかの様なメイン戦になってしまった。
 
 
他では、視聴率対策というのは分かるけれど、正直中入りのミニコンサートなんていらないから、各試合の試合時間を長くして欲しい。「スーパーボウル」は試合時間が決まっていて、放送の延長もありだからのハーフタイムショーだけれど、「レッスルマニア」は全体の時間が決まっていて「レッスルマニア」なんだから試合を見せろ…と。
あと、今年の会場のセットがカッコ悪くて笑ってしまった。エントランスはブルックリン・ブリッジで全然「レッスルマニア」っぽくないし、リング上部には自由の女神が立っているし。それに、リング上部の照明のやぐらって、スタンド席の上の方からだと、見るのに相当邪魔そう。真面に見れているのかな?
 
 
年々微妙になっているWWEで、それでも最高峰として開かれる大会なのだから、もっと驚きやプロレスで見せて欲しかった。前半の試合は組み合わせが良くない上に、試合もあっさりとおもしろみが無いし、後半も非常に順当な内容で見ている方を飛び越えて巻き込んでしまう迫力が全然無い。来年のメインは「CMパンク VS ジョン・シナ」のトップ対決で、伝説に残る様な試合を期待したい所だけれど、今年の感じを見ている限りは何だかなぁ…。

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